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熱中症⑦ 〜予防 2 〜

熱中症になりやすいひとはだれか?

熱中症になりやすい人の特徴をまとめます。

ここでは特に子どもに注目します。

子どもは汗っかきか?

皮膚からの熱の放散が熱喪失にとってとても重要なことをお話ししました。子どもは一般に体重当たりの体表面積が広いと言われており、熱の放散の効率がいいと考えられています。

しかしながら、環境温が皮膚温を上回った場合、熱は環境から皮膚に異動します。この場合広い体表面積は熱を吸収する場所を増やすことになり、かえって不利な状況になります。このような状況では、汗が熱を逃がす唯一の手段になりますが、こどもの発汗機能は未発達で、熱放散が汗に依存する状況になるほど、成人に比べ熱の放散効率が落ちることになります。
  ※ 環境温が低い場合は、体表面積が広い子どもはどんどん熱を失います

これを考えると、子どもは「熱しやすく、冷めやすい」存在といえますね。

環境温を考える

環境温という意味では、もう一つ下図を見て下さい。
同じ道路を歩いていても、道路からの照り帰りの熱の影響を子どもは強く受けます。大人が大丈夫でも、子どもが熱中症の危険が高い所以です。 

【参考文献】
環境省 熱中症予防サイト
http://www.wbgt.env.go.jp/

小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン