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先天性心疾患を大まかに理解する

小児科の中でも、「小児循環器」と言われる分野は一般病院で管理されることは少なく、小児科の先生方でもアレルギーがある方が結構多い分野です。もちろんどの分野もそれぞれ専門性は高いのですが、「取っつきにくさ」「苦手意識」という点からは、他の分野の比ではありません。

また、それぞれの分野は成人との違いは多少ありながらも、それなりに相互の知見が転用できるというか、成人を専門とする先生方でも、ある程度理解できる部分もあるのですが、こと「小児循環器」の分野では、成人を見ている循環器科医のなかでも苦手意識は非常に強い分野と感じています。

とはいえ、先天性心疾患を持った子どもは 100 人に 1 人 といわれていて、決して希な病気ではありません。

この NOTE を読んでくださっている方の中で、この分野に興味がある方はどれくらいいるんだろう、という問題もありますが、小児救急・集中治療の分野ではとても大事な分野ですので、少し触れてみたいと思います。

先天性心疾患はなぜ難しいか?

よく聞くお話は、下記のようなものです。

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たとえば、あるお子さんのカルテをのぞいてみると、、、

Right Isomerism, Common Inlet RV, PA, PDA, TAPVC, PVO s/p RVOTR, PDA division, PVO release

ほぼ暗号文ですね。

先天性心疾患攻略のために

先天性心疾患の「循環の管理」を行うためには、いわゆる「循環管理」に関する基本的な理解の上に、構造と病態生理学的な理解、手術に関する知識などが必要です。

この NOTE では、まだ「循環管理」について、「気道管理」「呼吸管理」などにくらべて触れている機会が少ないので、先天心疾患のまずは診断名がとりあえず大まかに理解ができ、「絵が描ける」ことを目指してみます。

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小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン