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10/15 19:00〜

家について、ベランダを開ける。洗濯物が雨に濡れるのが心配で取り込もうとするけど、まだ完全に乾いていない。あれ?雨降ってる?と道行く人を見ると、傘をさしていた。これくらいの小雨なら、ベランダに雨はいってこないのか。ラッキー、このまま干しちゃおう。

私についてベランダに出てきた息子が、なんだかニヤニヤしている。外食先でキッズメニューのパスタとコーンを好きなだけ食べてお腹をふくらませてから、ずっと上機嫌だ。
息子は人工芝を敷いてあるベランダに座り込んで、靴下を脱ぎはじめた。夜風に当たるのが気持ちよかったから、その近くで寝転がって様子を見守る。息子は自分の靴下がピンチハンガーで干されてるのを見て、どうやら脱いだ靴下を干そうとしているようだった。すこし背伸びをして、洗濯バサミに靴下が触れるようにする。すごい。でも洗濯バサミの使い方を知らないから、ピンチハンガーには干せない。かわいすぎる…。

夫が声を出しながら伸びたりするとその真似をするので、私が夫の真似をして「あー」と言いながらうつ伏せになる。ニヤニヤした息子は「あー!!」と言いながら、私の横でうつ伏せになった。冷えた人工芝が気持ち良い。今日産婦人科の病院で受けた麻酔分娩の講習で、「有酸素運動をして体力をつけましょう」と言われたことを思い出す。一緒に講習を受けた夫が「愛犬の散歩が丁度いいじゃん」と言っていた。いまベランダでできる有酸素運動ってなんだろうな〜と思いながら、軽くストレッチを始める。息子が楽しそうにストレッチの真似をしたり、リビングに戻って窓から私をニヤニヤ見つめたりする。少し変な顔をすると、キャッキャッと笑いながら走りまわる。

私の隣に戻ってきたから「あたまー」と言ってみたら、頭を片手でおさえた。「みみー」と言うと鼻を触るので、「耳はこっちだよ」と言って触ってあげると「みみー」と言いながら自分の耳を触り直した。ウルトラ可愛い。頭は三音で目は一音だから覚えやすいのかな、耳と鼻はよく間違えるもんな〜と思いながら、「はなー」と言ってみる。はなーはまだ言えないみたいだった。マネして言葉を話すのも可愛いし、まだどう発音するのか分からなくて話せないのも可愛い。どちらにせよ可愛い、何しても何できなくても可愛い。

ふたりでゴロゴロしながら遊んでからリビングに戻ると、19時半頃になっていた。こないだこの時間にお風呂いれたかったことを思い出す。産婦人科に行っている間息子を実家に預けたけど、昼寝はしなかったと言っていたから今日もすぐ寝そうだなあ。もうお風呂に入れたいな。

外食から帰ってきてからは仕事部屋にいる夫に「お風呂に入るけど、受け取れそう?厳しそう?」と声をかける。「うーーーん、きびしいかなあ」と返事があったので、どうするか考える。息子はきっと眠いだろうから、できる限り早く寝かしつけてあげたいなあ。息子だけパッとシャワーを浴びせちゃって、私はまた後で入ろう。
「ばんざーい」と言って私が両手を挙げると、「ばっざー!」と言って息子も両手を挙げる。その間に「いないいない〜〜ばあっ!」と言ってTシャツを脱がせる。「ばあっ!」だけ息子も被せてくる。同じ要領で全裸にして、私も急いで服を脱ぎ捨て、浴室に入る。

シャワーをぬるめに設定して、水からぬるくなるのを待つ。冷たいうちにシャワーを触った息子は、嫌がる素ぶりをしながらシャワーから逃げる。ぬるくなってから息子を向かい合わせになるよう膝に乗せ、私の左手首に息子の後ろ首を乗せ、頭にだけシャワーを浴びせる。息子は目をつむって、気持ち良さそうな顔をする。ベビー用のシャンプーを右の手のひらに出し、右手だけで息子の頭を洗ってからシャワーで流す。もう寝ちゃいそう…というか、もう寝てる?

こんな風に、私が息子1人をベタベタに甘やかすことができるのも、あと1ヶ月なんだ。

ふと、それが少し寂しく感じて、それを寂しく感じるのは初めてなことに気づく。息子にも寂しい思いをたくさんさせるんだろうな。でもきっと、息子にとって妹はかけがえのない大切な存在になるはずだ。私にとって、弟や妹たちがそうであるように。
そんなことを思いながら、ベビー用のボディソープで顔と体をちゃっちゃっと洗っていく。顔を洗われた息子は目を覚まし、私のマネをして私に泡をつけていく。くすぐったい。シャワーでふたりの体についた泡を流し、私は立ち上がってバスタオルを取る。「すわってね」と声をかけると、きちんと浴室の椅子に座るけど、しっくりこなかったのかもう一度座り直した。大人みたいだなあ。
取ったバスタオルで座ってる息子をくるみ、髪の毛と体をさっと拭いてから、自分の体も軽く拭き、バスマットがなかったのでそれを代わりに敷いた。息子をそこに立たせてからもう一枚バスタオルを取って念入りに拭き、ヘビーローションを塗っていく。嫌がったから息子の手にヘビーローションを乗せてあげると、少し機嫌を直した。自分の下着とキャミソールだけ着てから、息子を抱きかかえて和室にいき、おむつを履かせパジャマを着せる。

息子の様子だと、20時には寝そう。

急いでマグマグを洗い、フォローアップミルクをつくる。キッチンまで入ってきた息子は、はやくくれ!と言わんばかりに何かを物申している。せっかちなところは夫にそっくりだ。「はい、どうぞ」と渡すと、嬉しそうにもせずごくごくと勢いよく飲んでいく。いつもよりペースがはやい。「はやくない!?」と声をかけても真顔で、あっという間に飲み干した。もう出ないんだけど?みたいな顔で、私にマグマグを渡してくる。「ないないだねえ」と言って、シンクに置き、中耳炎の点耳薬を取って「じゃじゃーん!」と見せる。
なんとなく、息子が喜ぶものを出すときにはじゃじゃーん!と言うようにしている。点耳薬は、それ自体が気持ちいいのか、私の膝の上で甘えられるのが好きなのか、どちらかわからないけど嫌がらない。ソファに腰掛け、息子を膝の上で寝かせる。点耳薬をさすと気持ちよさそうに目を閉じるけど、少しすると起き上がろうとする。本当は2分くらい置きたいけど…多分ほとんど良くなっているはずだから、まあいいか。無理に寝かせることはせず、両耳にさし終える。飲み薬は昨日の夜で切れたから、明日耳鼻科へ行って中耳炎が治ったか診てもらおう。

洗面所へ行って自分と息子の歯ブラシをとり、それぞれのハミガキ粉をつける。息子に歯ブラシを渡すと、嬉しそうに受け取ってくわえ始める。自分でするハミガキは好きだけど仕上げ磨きが嫌いな息子は、私がハミガキを終えるのを洗面所で見届けると、歯ブラシを洗面台に置いて逃げ始めた。賢い…。
息子の歯ブラシを持って迎えに行き、「はい、どうぞ」と言って歯ブラシを渡す。ニヤニヤしながら受け取りに来る息子を抱きかかえソファに寝転がすと、仕上げ磨きだと勘付き泣き始める。
「かっこいいねえ〜!」「さすが1歳!0歳のときとはちがうね!」「もうおっとな〜〜!」ととにかく褒めまくっていると、涙を流しながら泣いているのに口はしっかり開けてくれる。面白くて可愛くて、笑っちゃいそうになる。洗面所へ行き歯ブラシをしまって、「じゃじゃーん!」とハキラを取り出す。ミュータンス菌予防のタブレットで、ハミガキのご褒美で毎日あげているもの。当たり前でしょ!みたいな顔をして受け取って口に含むけど、眠いらしく抱っこをせがむ。

息子を抱きかかえて、夫の仕事部屋にいく。さっきまで泣いて怒っていた息子は、夫の顔を見た途端にヘヘッと笑う。「おやすみなさい」と言って、抱っこしたままおじぎをする。「バイバイしてね」と言うと寂しそうな顔をするけど、仕事中の夫がこっちを向くとふふーんみたいな笑い声を出す。バイバイは、したくないらしい。

仕事部屋のドアを閉め、すでに真っ暗な寝室にはいる。ドーン!とふたりで寝転がると、私のキャミソールを捲し上げ、お腹やおへそを触りはじめる。「よしよししてね」と言うと、お腹をよしよししてくれる。すぐ寝そうだ。

明日はお弁当を作る日だ。息子が寝たら、炊飯の予約をしなきゃ。それからお風呂にはいりながら、今日の日記で書く1時間を決めよう。午前中に公園に行きそびれたことにしようか、麻酔分娩の講習を夫と受けたことにしようか。それとも実家の家族と外食に行ったことにしようかな。秋の季節限定のメニューが美味しかったし。帰ってきてからの1時間を書くのもいいな。ベランダで夜風に当たるのは気持ちよかった。


あ、ヤバイ、いま一瞬寝てたかも。このままだと寝落ちしちゃいそう。お風呂はいってないし寝るわけにはいかない…。でもいま私が起き上がると息子は少し寝ぼけた感じで泣くだろうな。寝やすい体勢を見つけるためにコロコロしながら、私のお腹を触ったり、腕枕をせがんだりしている。

何か考えよう。
そうそう、今日の麻酔分娩の講習のこと。有酸素運動しろって言ってたな。たしかに息子を産んだとき、産後で一番キツかったのは会陰切開したところよりも後陣痛よりも、全身の筋肉痛だった。

トイレ行くのも、授乳室へ行くのも、そもそもベッドから起き上がることもしんどかった。あんなに全身の筋肉を使ったのは、生まれて初めてだった。でももうその痛みも覚えていない。筋肉つけるために筋トレしたら結局筋肉痛になるし、痛みの総量は変わらないのでは…?
わけの分からないことを考えながら、結局眠ってしまった。

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