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標準治療にもうなぎパイにも、職人技が必要・・・

季節に合わせたタイトル画像を用意していたのだけど、更新が早すぎて初夏の空っぽくなっちゃった。

ここから続いています。

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消化器関係の癌マーカーが高かったこともあり、静岡の病院での担当は消化器内科だった。その担当医は希少癌の担当でもあったからだ。

いよいよ、検査結果を聞く診断の日。

「大腸も胃も問題ありませんでした」

それは、2ヶ月前の人間ドックでも、PETでもわかってたよね。

「骨の検査の結果、肺がんと矛盾しないということになりました」


矛盾しない??!!


つまり、肺がんのがん細胞が見えたというわけじゃないの?


「遺伝子の染色検査をした結果が、肺がんと矛盾しないということです」

医学用語は難しいが、肺がんとは断定はできないけれど、他の部位だと当然出るべき反応が出なくて、肺がんの時に出る反応がみられる・・・矛盾しない・・・ということらしい。

さらに、矛盾しない ≒  肺がん。ということらしい。


「骨に転移してますので、肺腺癌のステージⅣです」

このステージⅣをいう時に、人のいい先生は、すご〜く言いにくそうに絞り出すように言った。その様子を見て、

これは、きっと危険な状況なんだな・・・というのが伝わってきた。


肺がんというのが特定されたので、この病院の呼吸器内科に移るか、あなたも遠方ですから、地元の病院に移るかすることになります」

「通ってくるのも大変でしょう。肺がんと分かれば、どの病院も治療方法(プロトコール)は同じですから、地元の病院に紹介状を書きましょう。治療できるとしたら、A病院、B病院、C病院ですが、どこが一番近いですか」

「Cかなあ」


「でも、先生、私としては、せっかくなのでこの病院を信頼しているので、この病院でお願いしたいのですが」

おいおい、せっかくいい病院に縁があったと喜んでいたのに、こんなにすぐに追い出されるなんて・・・ここは、なんとか阻止せねば

その時一番に頭をよぎったのは、展望浴場のことでしたけどね・・・


その後、診察室外で、相談支援員にもその旨を強調したところ、それを伝えてくれた。(展望浴場のことじゃなくて、この病院で診てもらいたいってことよ・・・念のため)


「それでは、呼吸器内科と放射線科にひきつぎます。わたしは、これで、担当から外れます」 

「あ、そうなんですね。ありがとうございました」

あぶねっ!転院させられるところだった


癌治療というのは、プロトコール(あらかじめ定められている規定、手順、試験/治療計画などのこと)があり、それに則って進められていく。標準治療ともいう。

どのプロトコールで治療をしていくかを決めるまでが、肝でもある。


プロトコールはこれまでの多くの臨床の結果定められているので、どの病院でやっても同じ薬同じ用法で差がない

ある意味、教科書に載っているようなルーティーンな問題解決方法。


しかし、わたしは、そうは思っていない。

患者の様子を見て微妙な違いやタイミングで、この薬はやめておこうとか、この薬を足しておこうとか、その判断はやはり経験と勘があるとないとでは大きく違うのではないか


私の故郷の銘菓「うなぎぱい」は、パイ生地を作るところまでは職人の手作業だ。


焼いたりシロップをつけたり梱包したりは機械作業

その日の温度、天気、湿度・・・なんかで、微妙に粉の量が増えたり、練りの力加減がかわったりするからだ。

そこは、機械では対応できないのだ。


ましてや、人体。
一人一人の個性が全く違う

標準治療に則って実施しても、微妙なさじ加減が必要不可欠・・・と思う。


そして、同じ病院の呼吸器内科と放射線科に引き継がれたのだった。


続いて相談支援員も
「肺がんと特定されたので、私の役割もここまでです。また、何かありましたら相談してください」

あら、彼女は、原発不明癌で不安に感じているだろう患者に付き添う役割だったのね。ありがたい。


でも、なぜ、肺がん?

肺に癌の気配もないし、タバコも吸わないし、咳もたんもでたことないのに・・・

知らないうちに罹患して、知らないうちに跡形もなく治していたのか・・・すごいぞ、わたし

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そして、さらに、続く

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