がん細胞にピンポイント攻撃、放射線治療の世界・・・X線
ここからつづいています
読者の皆さんも、私と同じように癌治療の世界をワクワク覗いている気持ちで読んでくれてるといいなあと思って書いてます
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今や通院治療があたりまえになっている癌治療の世界で、なぜ、今、私が入院しているかというと、家が遠いからなのね。
ずっと最初から訴えていた(っていうかそれ以外はおまけでついてきた)足腰の痛み。
それだけは治らないのに、検査はいっぱいして、病名はどんどん深刻になっていった・・・っていうのは、ここまでのストーリー。
その足の痛みが骨盤に広がっている癌が原因だろうということで、まずは、それを楽にしてあげようということになった。
抗がん剤治療の前に放射線治療をする。
ここは、詳しくないんだけど、骨の中に癌があってもそれだから痛いということはないらしい。
石灰化(癌にかかると石灰化するらしい)した骨が、近くの神経を刺激して、それが、痛い原因となる。
私の場合坐骨神経系あたりね。
だから、その部位(腸骨)に放射線をあてて癌をやっつけようということになったのだ。
で、1日10分程度の所要時間だから、近くの人なら通いで受けることができる。
さて、放射線治療は、今や、副作用の大変少ない効果的な癌の治療法。
いかに進歩しているかを書きたくてたまらない。
ここから、知ったかぶりの知識を披露するが、興味のない人は飛ばして読んでね。
放射線治療は大きく分けて二つ。
外部(体外)照射と内部(体内)照射。
まずは、外部照射から。
外部放射の中には、電磁放射線と粒子放射線がある。
一般的によく知られているのはX線照射。
これは電磁放射線だ。
患部めがけて、外からX線を当てる。
線量をGy(グレイ)で表す。
体に当たってどのくらいのエネルギーで吸収されたかを示す単位。
Sv(シーベルト)という単位もある。
こちらは、どのくらい健康被害があるかを示す単位。
部位や放射線の種類などで計算式があるようだが、概ねGy=Sv
だから、たくさん照射すると、健康被害も大きくなるってことね。
なので、小分けにして数週間かけて照射する。
そうすると正常細胞も回復する時間があって、がん細胞を死滅させるに十分な線量を当てられる。
がん細胞より正常細胞の方が回復が早いしね。
わたしの場合は1回3Gy それを10回なので総線量30Gy。
これはかなりゆるい量で、がん細胞を徹底的にやっつけるぞというよりは、歩行を楽にしてあげましょ・・・ぐらいの感じらしい。
そのため副作用(吐き気とか、倦怠感など)は、全くない。
もちろん個人差はあります。
8回ぐらい終わると皮膚に放射線やけどが少しできるかもしれない。
X線というのは、皮膚に当たった時に一番強くて、奥に行くほど弱くなってくる。
なので、同じところばかりかけていると皮膚が火傷するが、患部はそれほどダメージを受けていないということになりかねない。
そこで、多方面からかけて、患部だけは通過するような方法をとる。
この画像はガンマナイフの画像なんだけど、X線の場合は、患部で止まらないで通過する。
X線が入った皮膚よりも出た皮膚の方がやけどがはげしいらしい。
ということで、わたしも体の前面から放射線をあてているので、お尻の皮膚の色を看護師さんにチェックされている。
ごめんね、こんなお年寄りのお尻見させられて・・・
電磁放射線にはそれ以外にもガンマ(γ)線がある。
ガンマ放射線はコリメーターによってすごく細いビームになるので、途中の正常細胞を傷つけにくい。
脳内の小さな腫瘍なんかには、ピンポイントに攻撃できて効果的。
でも、わたしのように腸骨全体みたいな時にはあまり向いていない。
いずれにしても、CTなどを使って、放射線を当てる部位を立体的に特定して、コンピュータを使って綿密に計算して、色々な角度から照射をしている。
そのため照射の目安として、皮膚に油性ペンで大きく何ヶ所か+の印がついている。
消えないようにお風呂に入っても擦ってはいけない。
そのうえ治療台に乗ったら動いてはいけない。
「絶対に動かないで」
って、言われると緊張するわ。
この病院のX線治療台に横たわったら、天井の模様がこんなだった。
これは実際の空ではなくて絵を描いたアクリル窓に向こう側から光をあてているもの。
無味乾燥な天井ではなくて、寝た時の患者の目に映る光景にまで気を配っていて感動して写真撮らせてもらった。
放射線治療室で「撮影させてください」という患者はあまりいないかも。
電磁放射線治療の中には、粒子放射線というのもある。
こちらについては、また、つづく〜〜〜
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付け焼き刃の知識と画像は国立研究開発法人国立がん研究センターのサイトから借りてます。
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