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担当美容師さんの独立に感動したお話

やっと…やっと出逢えた!

初めての美容室で髪をカットしてもらった日、
帰宅して改めて鏡を見て、嬉しさを噛みしめたのだった。

わたしの人生は美容室難民人生と言ってもいい(笑)

しっかりした髪質で毛量も多いわたしの髪を
満足いくように切ってくれる美容師さんはそう多くはいなかった。

しかも、やっと見つけた、と思える美容師さんたちはみな、
いつの間にか独立していたり、
実家の美容室を継ぐことになったと言って遠くへ行ってしまったりして
なかなかご縁が続かなかったのだ。

そのたびに美容室難民となるのだった。

だがしかし、ついに現れたのである。

この数年、またしても難民生活を送っていたわたしに
人生史上最もわたしの望み通りにカットしてくれる美容師さんが!

以来、毎回大満足のヘアスタイルに仕上げてもらっていたのだが、
何度か通ったある日、その美容師さんからこう切り出された。

「実はわたし、独立することになりまして」

あぁ、またか…

「まだ店舗が決まってないんですけど、この近くで出す予定なんです」と。

わたしはすかさず、
「オープンが決まったら連絡していただけますか?これからもずっと切ってもらいたいので!」

懇願するかのように聞いてしまった(笑)


「もちろん!ご連絡します」と。


しばらくすると、本当に案内状が届いた。

新しいお店もこれまで同様、
わたしのサロンから徒歩で行けるところにあった。

これからも切ってもらえる!
そう思うと、嬉しかった。

それくらい、ヘアカットはわたしの人生において大きな悩みだったのだ。
そのことに改めて気が付いた。


そして、本題はここからなのである。

いただいた案内状。
美容師さんのメッセージの下に、
これまでの美容室のオーナーさんからのメッセージが書かれている。

というか、
よく読んでみればこれってオーナーさんからの案内状ではないか!

そこには
「これからは新しいお店の方に通ってやってください」
という趣旨の挨拶が綴られていた。

これってすごくない?

10年分のお客さんをごっそり連れて独立するスタッフのことを
心から応援しているのが伝わってきて、
わたしは感動せずにはおれなかった。


昨日、オープンしたてのお店でカットをしてもらった。

なんだかじぶんのことのように嬉しくて、
ささやかながらお花を買って持って行った。

そこで、オーナーさんの案内状に感動したことを伝えたところ、

さらに
「そうなんですよー。しかも、近くにお店出してもいいよ、とまで
言ってくれたんですよね」と。

きっと、彼女が真摯に勤め上げたからこその
彼女とオーナーさんの関係なのだろう。

独立していくスタッフを大きな心で送り出せるオーナーさんも
オーナーさんにそうさせた美容師さんも
本当に素敵で、こちらまで心があたたかくなった。


実家も自宅も美容室から近いというから、
もうどこか遠くに行ってしまうこともないだろう。


髪を切ってくれる人がいる。
本当にありがたいことだなぁ。
これはわたしにとっては当たり前のことではないのである。

わたしたち人間は、社会を形成することで
各々ができることを出し合って
助け合って補い合って生きてるんだな。

わたしはこの社会では
癒しや治癒を促す担当なんだな。
髪は切れないけど、それならできるから。


ホロスルーム〈hicari〉




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