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舌下免疫療法のタブレットを置く場所は、『舌下』以外にはないか?|2024年1月29日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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舌下免疫療法(SLIT)の安全性と有効性:舌下以外の代替ルートはある?

■ 舌下免疫療法(SLIT)は、広く実施されるようになりました。

■ しかし、開始時の口腔内の症状(刺激感、かゆみ)を中心とした副作用をおこすことがあります。

■ 最近、日本における4年間の市販後調査による分析結果があり、ダニ舌下錠剤の有害事象のほとんどは、開始早期に発生し、局所的な反応だったとされています。

Okamoto Y, Kato M, Ishii K, Sato Y, Hata T, Asaka Y. Safety and effectiveness of a 300 IR house dust mite sublingual tablet: descriptive 4-year final analysis of a post-marketing surveillance in Japan. Immunotherapy 2023; 15:1401-14.

■ 別の研究では、ダニ舌下免疫療法SLIT錠による検討で(日本の製剤と同じではない)、喉の刺激感(46%)、口腔内のかゆみ(47%)、耳のかゆみ(40%)、口腔内の腫れ(8%)、舌の潰瘍(10%)、口腔内潰瘍(7%)などがあります。

■ 海外の検討では、舌下免疫療法の有害事象による投与中止率は7%以下であるとされています。

Bernstein DI, Bardelas JA Jr, Svanholm Fogh B, Kaur A, Li Z, Nolte H. A practical guide to the sublingual immunotherapy tablet adverse event profile: implications for clinical practice. Postgrad Med. 2017; 129: 590-597.

■ なぜ舌下に使用するかというと、舌の下には免疫療法に重要な、樹状細胞や免疫寛容を誘導するT細胞が多く存在するからです。
■ しかし、口腔前庭部にも、そのような細胞が多いそうで、もしかすると、舌下にかわるルートになるかもしれないと考えた研究があります。

■ カナダののアレルギー専門クリニックで行われた検討です。

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