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水いぼ(伝染性軟属腫)、とる?とらない?

プロローグ 夏は水いぼが流行する季節。

水いぼ(伝染性軟属腫)とは小児によくみられるウイルスによる感染症で皮膚にイボができる疾患です。


Schaffer JV, Berger EM. Molluscum Contagiosum. JAMA Dermatol 2016; 152:1072.


腕に出現した水いぼの外観。

Wikipedia 伝染性軟属腫” . Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.



伝染性軟属腫に関するシステマティックレビューでは、ある時点での0~16歳における有病率は5.1%~11.5%だったと報告されています。


Olsen JR, et al. Epidemiology of molluscum contagiosum in children: a systematic review. Family practice 2013; 31:130-6.


少なくないですよね。
ですので、日常診療では水いぼに関して尋ねられることが少なくありません。
しかし、水いぼに関する情報は、「・・が多いです」「・・と言われています」といった記事ばかりで、総論も思った以上に出典が少ないものが多いのです。

そこで、できる限り出典を引用しながら水いぼの記事を書いてみました。


===更新履歴===

2019.7.13 第1版 第1章~第8章+まとめ公開
2019.7.21 第2版 第9章、第10章追加 一応の完成、少し値上げして確定

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第1章 その軟属腫はいつ頃軽快するでしょうか? 

水いぼは、自然に良くなってくることがわかっています。

では、自然に良くなるとして、それはいつになるでしょうか?

2週間後でしょうか?
それとも1ヶ月後でしょうか?
夏のプールに間に合うのでしょうか?


やや古い報告ですが日本からの報告では、小児205例の水いぼの自然軽快までの平均期間は6.5か月という結果が示されています。


Takemura T, et al. The natural history of molluscum contagiosum. 1983; 5: 667–70 (in Japanese)


さらに海外から、4~15歳の小児306人の水いぼが、いつごろ軽快したかを前向きに評価された最近の報告があります。この原稿を書いている時点では、前向き研究で最大の参加人数の報告です。

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noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊