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コロナウィルスで川崎病になるか?

 ヨーロッパではコロナの小児罹患患児の中で原因不明の炎症性疾患が流行っているようです。
このニュースを聞くと、小児科医なら「KDじゃね?」と思ってしまう。
KD=kawasaki disease
コロナの重症化因子として サイトカインストームが示唆されている。

サイトカイン=免疫系細胞から分泌されるタンパク質で、標的細胞表面に存在する特異的受容体を介して極めて微量で生理作用を示し、細胞間の情報伝達を担うもの。
ストーム=嵐

KDでもサイトカインストームが起こることが言われており、それに伴い臓器障害が起こるため、KD性脳症やKD性心筋炎の報告がある。

治療はアスピリン、免疫グロブリン、免疫抑制剤、冠動脈瘤がなければ場合によりステロイド併用となる。

コロナの重症化の要因と川崎病の機序はサイトカインストームという共通項で一致しているように見えるが、そもそも感染性疾患が重症化した場合でも癌の進行でもサイトカインストームは起こるため、特異性はない。
今のところ日本では、小児はコロナ軽症例ばかりではあるが、数が増えれば、一定の割合で重症例が発生しその中に現れうるKDを見逃さないようにしないといけない。

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