絵本「マリールイズいえでする」から感じる「子どもってこうだよ!!」

マリールイズいえでする

N.S.カールソン作 J.アルエゴ.デューイ絵 星川奈津代訳 童話館出版

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とてもカラフルでユーモラスな絵のこの本1977年だから結構前です。
イギリスで出版された本のようでして・・・
話もまた可愛いのです。

ちゃいろのマングースの女の子マリールイーズがある日いたずら三昧。
それを知ったマングースの母さんははらをたてて、おしりをぺんぺんします。

それにはらをたてたマリールイーズはあたらしい母さんをさがして、家出をする宣言をします。

母さんは「そんなに簡単に新しい母さんはみつからないわよ。時間がかかっておなかがすくから、サンドイッチをつくるからもっていったら?」
と提案します。

マリールイーズはあちこちお友達の家の子に迎え入れてはもらえないか?と頼むのですが
どこでもお断り。それに池や砂の中などマングースの暮らせそうな環境ではないのです。

困り果てて魔法使いのヒキガエルのところに相談に行きます。
「魔法の玉をのぞいて、どこにいけばわたしの母さんか?父さんがみつかるかみてもらない?」と尋ねます。
「魔法の玉をみるまでもない。さっき素敵なご婦人がこどもがひとりほしくなったから探してくれと頼んでいったよ。」と
素敵なご婦人が去っていった方向を教えます。

ヒキガエルの魔法使いからお礼はしてもらえるんだろうね~と言われて
おなかがすいているのを我慢してかあさんのサンドイッチを差し出します。

そして素敵なご婦人のあとを追って、いなびかりが三度ねらって光ったかと思う速さで走り出します。

そしてかあさんマングースに再会するのでした。
母さんマングース「かあさんも家出してきたわ。うちにいてもさびしくて。かわいがったり世話を焼いたりする子がいないんだもの。さあこれからふたりでどこへ行く?」
マリールイズ「かあさんがあたしのほんとうにいちばんすきなかあさんよ。おうちにかえろう?そこがいちばんよいところよ」
といって二人で家に帰ります。

母さんマングースの冷静でいて、心の奥に子どもを思う熱い気持ちをもっているところ。
子どもに媚びることなく、自分に正直で、その時にできることを全力でやっていくところ。
ヒキガエルもマリールイズを子ども扱いしないで、お礼をよこせ!という厳しさもなんかドキッとしたりします。

子どもって自分で確かめないと納得しないことってありますよね。
いたずらだって、マリールイズなりの実験、確かめたかったこと。
それを否定されて、「もう母さんなんて!!!わかってくれない!」と腹をたてて家出をするものの、外にでていろいろ見てみるとやっぱり母さんがいちばんだし、自分はマングースでほかの何者でもないことに気が付くのでした。
本当に子どもってこうだよな~って
「子どもってこういうものですよ」という育児書を読むのもいいけれど、絵本からじわーっと広がる子どもと大人の世界って私は本当に大好きです。


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