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アルルの女「ありふれた話」


ビゼーの組曲で有名ですが 同じ原作を使って チレアも同名のオペラを作曲しています。
チレアのオペラでは なんといってもテノールの有名なアリア「ありふれた話」でしょう。

「アルルの女」というからには、アルルの女が出てくるオペラだと思っていましたが、実は「アルルの女」はお話だけで、実際には 出てこないんです。アルル地方からやってきたという女性に一目ぼれをしてしまった羊飼いの息子のフェデリーコの片想いのお話。彼には知恵遅れの弟がいて、眠ってしまった弟の傍らで 自分がかってに恋をしてしまった「アルルの女」の姿を忘れられずに苦しんでいるという心情を歌いあげます。このフェデリーコは最後は身投げをして命を絶ちます

まずは聞いてみてください。サルヴァトーレ・リチートラ の歌 日本語の字幕が付いているのでありがたいです。


フェデリーコ「ありふれた話」の歌詞
それはありふれた羊飼いの話だ...
気の毒な少年はそれを語ろうとするが 眠ってしまう
眠りの中に忘却がある。
なんと羨ましいことか!
俺もあんな風に眠りたい
せめて眠りの中で忘れ去りたい!
俺はただ平穏が欲しいんだ
全てを忘れ去ってしまいたい
でも全ては無駄な努力だ...目の前には
いつも彼女の美しい顔が浮かぶ
俺の平穏は奪い去られてしまった...
なんで俺はこんなに苦しまなければならないんだ?
彼女!いつも彼女が心に語りかけてくる!
魅惑の幻よ 俺に付きまとうな!
とてつもなく苦しいんだ!
ああ!


ちょっと見かけただけで、たぶんそんなに話をしたわけではなく そんなに深く心の中に入り込んでしまう「アルルの女」ってどんな人なんだろうと思います。でも、普通の女性なんだろうな?田舎者がちょっと都会風の女性にあこがれてしまうというパターン。隣の芝生的に フェデーリコの心の中で大きくなってしまったのではと思います。どこかの国の大統領も自分の頭の中にできた妄想に突き動かされているように思えてしまいます。早く目が覚めて平穏な心に戻ってほしいです。平和が一番。

ちょっと暗いイメージになってしまったので、同じビゼーの同名の組曲「アルルの女」から 平和を願って メヌエット 洗足学園オーケストラの皆さんの演奏です。

最後は にぎやかに「輪になって踊ろう」ということでファランドールです。こんなテンポの曲で、みんなで楽しく踊れるようになるといいですね。
にぎやかにというとロリン・マゼールさんです。バイエルン響との演奏会のアンコールです。

By こばつね

『ぺテルで劇場へ行こう!』、ペコのサイトにぜひ遊びにきてくださいね。

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