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【感想】夜勤病棟リメイク

ブランド : FG REMAKE  
発売日 :2024-02-22
原画 : 上田メタ

⚠️ここからネタバレあり⚠️







◾️ネタバレ感想

可憐な姿に潜む欲望。
暴き堕とし悦に浸る狂気の娯楽。


★はじめに

過去の名作を現代に甦らせるリメイク専門レーベルFG REMAKE第1弾。ミンクより1999年に発売されたオリジナル版は陵辱・調教モノの名作として、後に復刻含めシリーズ化までしたコンテンツです。
今回のリメイクは2006年に発売された『夜勤病棟 復刻版+』をベースにした模様。

可憐で美しいヒロイン達を恐怖と快楽で追い詰める鬼畜仕様はまさにエロゲですね。どうやらオリジナル版の発売当時はかなり話題になったようで、批評空間から当時の熱烈ぶりを垣間見ることが出来ます。

とにかく原画が素晴らしいので作品概要くらいは知っていましたが、実際のプレイは今回が初となります。その為、この感想記事はオリジナルとリメイクの比較ではなく、あくまで作品としての感想を語らせていただきます。
どうぞお付き合いください。



★主人公は”無敵の鬼畜”

天才医師でありながら、女性を辱め弄ぶ事にしか興味を示さない、狂気の人格破綻医師の比良坂竜二が主人公。

先に言っておくとコイツ、かなりヤバいです。

陵辱・調教の主人公として苛烈な鬼畜ぶりですが、皮肉な事にクズ野郎で真正のド変態なキャラ設定は分かりやすくて王道の鬼畜主人公像と言え、これはこれで逆に素晴らしいまであります。

自分が優秀であることを理解しているから面倒くさく、プライドも高いゆえ傲慢な振る舞い。
更に厄介なのはエリート医師の道から外れていることも理解していること。社会での最低限必要な素性術は持ち合わせているようです。

とは言え思考はかなり短絡的で、被害妄想が激しいというか、自意識過剰というか、生きるのが大変そう。表面は取り繕いながらも、心の中で沸る欲望は常人の理解に及ば無いほどドス黒いのが手に負えず。女性を見れば卑猥な欲望を巡らせ脳内発想の中身があまりにマニアックで理解不能でした。

見た目も不潔で髪も伸びっぱなし、挙動不審で人格破綻者。敢えて良いところを言うなら医者という職業が社会的地位を担保してるところくらいでしょうか。

序盤はヒロイン達に粘着して弱みを握っていきますが、むしろ竜二の奇異な行動に粘着して見ている方が面白いと思えてしまうのが喜劇でした。

客観的に見れば嫌悪感しかない主人公なのに、天才のくせして思考がアホすぎて愛着がだんだんと湧いてしまうという‥‥。

コイツ、結構好きかもw

後で知ったんですが、意外と人気主人公らしいですね。こんなヤバい奴だからこそ、貶められるヒロイン達の悲惨さが際立つわけで上手くハマってます。これもある意味で様式美というものなんでしょうね。


★快楽に溺れるヒロインたち

【七瀬 恋】

お尻専門のセンターヒロイン。
『夜勤病棟』と言えばまず恋が思い浮かぶ方が多いでしょう。もはやアイコン的なヒロインとも言えます。
寝取り陵辱で服従させる鬼畜な展開は素晴らしいです。


【藤沢 亜子】

排泄専門ヒロイン。
おっとりしたお嬢様とは思えないエグい性癖の持ち主でした。竜二に開花されてからも戸惑いが見えるのが良いです。
虐げたくなるヒロインNo.1でした。


【児玉 ひかる】

緊縛専門ヒロイン。
えちシーンでは見事なアクロバットを見ることが出来ます。その縄と天井吊り器具はどっから出てきた?ってツッコミは無粋ですかね。
弱ワカラセ展開なのは現代のトレンドに通ずるものを感じました。



【新城 礼美】

快楽専門ヒロイン。
生真面目で潔癖症という性格は堕としがいがありますね。
快楽に抗えず求めてしまう姿はかなり扇状的。
堕ちた後のギャップが良いです。


【苅野 真】

悪臭専門ヒロイン。
典型的な高飛車が追い詰められ屈服し、快楽に堕ちる王道な展開。でもその中身は悪臭フェチというニッチさ。
少女を服従させるのはあまりに背徳でした。


【神宮寺 成美】

目的のためには悪魔に魂を売るほど狡猾さ。
全ヒロインの中で一番色気ムンムンで端的に言ってめちゃくちゃエロい。
願わくば成美を徹底的に追い詰める展開を見たかったです。



★ビジュアルは文句のつけようがないレベル

上田メタヲさんの原画がとにかく最高すぎました。
情欲を掻き立てつつ、愛らしく美麗。

プレイのきっかけもビジュアル目当てだったので大満足です。オリジナル版の原画も素晴らしいですが、やっぱり推しの原画家さんが手掛けたリメイク原画の満足度は特別なものがありました。

別作品で『魔法少女消耗戦戦』の時にも強く感じた事で身体の描き方がとても扇情的なのが素晴らしく、特に肉感の表現は最高峰だと断言します。

こんなにいやらしいのに、最高に可愛らしい。

本来ならば目を背けたくなる凌辱・調教シーンですら見惚れてしまうほどでした。願わくば純愛作品のような、愛のあるえっちシーンの原画も見てみたいものです。



★物語の進行について

物語のストーリーというよりも、ヒロイン達の深掘りがメイン。あくまで女体実験と称した陵辱行為を進行させる為の舞台装置程度といった印象でした。

かつての犠牲者である神宮寺成美からの要請で、聖ユリアンナ病院の非常勤医師として働くことになるのが物語の導入です。
成美からの提案は見目麗しい5人のヒロイン達を竜二の手で性奴隷に仕立て上げ、一流の娼婦とし最高の奉仕による特別病棟の設立に手を貸して欲しいというもの。

コレナンテエロゲ‥‥?ってエロゲか。

なんともまぁ突飛で現実感が一切ない展開はエロゲだからこそ成立するもので、ここに娯楽要素が生まれます。
主人公は先にも触れた通りの人物像で”無敵の人”とも言い換えられ、個人的には”無敵の鬼畜”と表現した方がしっくりきます。

この先の大まかな流れは、病院を舞台に可憐な看護婦たちの弱みを握ることで脅しをかけ、女体実験と称して鬼畜の所業を尽くす。

ただこれがなかなか癖になるから危ない。
陵辱・調教モノらしく、綺麗なものをズタズタに切り裂いていく背徳感は麻薬の如く。ヒロイン達を羞恥と快楽で追い詰めていき、だんだんと理想的な肉奴隷と仕上げていく過程は攻略しがいがあると言いますか、とにかく色々ヤバい。

あかん。脳がバグるw

女体実験の内容は結構ハードでエグめ。
病院が舞台なだけに特殊器具も豊富でかなりプレイ内容もかなりマニアックに偏っています。性癖を暴いて弱点を徹底的に蹂躙していく様は潔いと言うか、ある意味軸がしっかりしていると言うか。精神が疲弊して反抗してくるヒロインも良いですね。

もちろん純愛要素は一切無く、特殊性癖に偏った肉欲と快楽に溺れ堕ちていくヒロイン達という地獄絵図のような惨状で、作品の芯がブレないところも魅力でしょう。フィクションだから成立する強引な展開は、現実味が微塵も無いからこそ危ない娯楽として成立している気がします。

唯一の救いは堕ち切ったヒロインが意味不明に主人公を愛し、謎のハッピーエンドを遂げる事でしょうか。正直言ってこれは賛否両論かもしれませんね。

物語の帰結について個人的な見解を述べるならば、竜二はあくまでヒロインを従属させる主であり、ヒロインは肉奴隷として服従する歪な愛で偽りの幸せを手にしたと解釈しています。
これは各個別エンド、ベストエンドに関しても同様の感想を持ちました。

陵辱ものでハッピーエンドがそのままストレートに幸せなのは蛇足というか、どうしても抗いたくなります。そんなぬるい展開認めるわけにはいかない。

全員が肉奴隷となるベストエンドも決して悪くはないですが、せっかくなら徹底的に悲惨な結末を望んでしまいます。

そういう意味ではバッドエンドのオチの方が分かりやすいですね。
これは主人公の自業自得の帰結でしたが、そのまま受け取るのは面白くはありません。
死にかけの竜二を見放す事で絶望から解放されるヒロインが、いずれ良心の呵責により精神を病んでいくと妄想するとよりしっくりきます。

やっぱりヒロインが救われる展開は面白くないんですよ。だって竜二は人格破綻者なんですから。理想としては、ヒロインが抗えない肉欲と快楽へ堕ちた事で自分自身に絶望し、快楽の余韻と葛藤しながら失意の果てに自決してしまうというもの。

そうです。鬼畜エンドですよ。

ここまでやってくれたら物語に関しては文句無しなんですけど、あくまで個人的な好みの話し。
作品自体は非常に楽しめたので満足していますよ!



★攻略について

攻略ヒロインは看護婦4人と患者1人の計5人。
【出会い】→【素行調査】→【弱みを握る】→【強迫からの陵辱】→【性癖の深掘り】→【調教・実験】の全てこの流れ。

性力と性技のパラメーターを管理してマニアックな女体実験を実施し”好漢度”を上げ、服従させた状態でエンディングを迎えるという流れは非常に分かりやすくて良かったです。

アドベンチャー形式なので最初は勝手が分からず戸惑いましたがすぐ慣れました。
ゲームシステムがシンプルなので攻略難易度は優しめに感じます。各ヒロインの個別エンドを見るだけならば後半パートは余るくらい余裕です。
ベストエンドもフラグ管理さえ間違わなければ、苦労することなくエンディングを見ることが出来ました。

ベストエンド攻略の際、第2週の水曜までに看護婦4人の脅迫えっちシーンを終え、第4週の水曜には3回目の調教をコンプリートしました。

隠しヒロインの存在を最初は全く知らなかったのですが、Xのタイムラインに流れてきた攻略情報で運良く知ることが出来たので、シーン回想をスムーズに回収できました。
もちろんCG・シーン回想は100%達成でございます。


★えちシーンについて

正直言って全然好みの内容じゃないです。
スカ要素とか、悪臭性癖とかまったくもって理解に苦しみます。
そのために実用性は皆無(個人の感想です)
逆にそれが好きな方には至高のシーン回想とも言えます。
じゃあ何でプレイしたの?ってなりますが、理由は簡単。

上田メタヲさんの原画でアニメーションありだからですよ!

感動しましたよ。まじで。
あとは興味本位としか言いようがないですね。
自分が既プレイの作品と比較するならCLOCK UPの『フラテルニテ』よりは表現が優しいのは救いでした。




■最後にまとめ


久々にアドベンチャー形式ノベルをプレイしましたが、なかなか楽しめました。たまにはゲーム性がある作品も良いですね。あまりにも有名作のため、歴史的な古典をクリアしたような気分です。

1999年というスマホも無い時代感はなかなか新鮮でしたし、ヒロインに連絡を取る方法も自宅に電話をかけるという今では考えられないムーブに懐かしさを感じました。

振り返れば今も昔も”凌辱・調教”というジャンルにしっかりニーズがあり、その結果今回のようなリメイクが実現したので、やっぱりいつの時代も非日常を求めてるんだなぁと感慨にふけります。

FG REMAKEは第2弾で超名作『同級生2』の発売を6月に控えて、これからも話題になることは間違いないでしょう。
過去の名作をハイクオリティにリメイクしてくれるのは感謝の気持ちでいっぱいです。

『夜勤病棟』を生んでくれた今はなきミンクの皆様、復活させてくれたFG REMAKEの皆様と作品に関わられたすべての方に感謝を。
そして、この感想にお付き合いくださったあなたにも最大限の感謝を。
ありがとうございました。

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