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長袖を着ろ

2024.04.20
ペギンの日記#20
「長袖を着ろ」


こんな寒くなると思ってなかった。油断してた。

ここ数日、気温が最高20度近くになる温かい日が続き、夜も半袖短パンで寝ていた。さすがにお布団はまだ冬用のものを使わないと寒い。けれど長袖のパジャマを着るとやや暑すぎるくらいの気温だったので、半袖短パンに掛け布団を3枚重ねるというやり方で寝ていた。

敷布団にベロアの布団カバーをかけて、うつ伏せになって敷布団に顔をうずめる。そのまま手足を敷布団の上ですべらせる。産卵のために砂の上を這って進むウミガメみたいなスタイルで。そうすると肌にベロア生地のフワフワ感が直接に伝わってきて、なんとも言えない幸福感に包まれる。その幸せを一通り味わってから、掛け布団も敷き直して潜り込む。布団に潜り込んだ後も、何度か布団をこねくり回して、布団と肌が触れ合う感覚を味わう。

私は布団の感触が好きだ。

別に気温が上がったって、冬用のパジャマのままで布団の枚数を減らすっていう方法で調節すればよかった。
けど私はどうしても半袖で寝たかった。だって長袖だと布団が肌に触れないから。
長袖だろうが布団だろうが、触れているときの布の感覚はほぼ同じだろうに、なぜか長袖はあまり好きじゃない。寒いときはしょうがないけど、それでも長袖で寝るとなんとも言えないストレスがかかってる気がする。なんか戦闘態勢のまま眠らなきゃならないみたいな。まぁ、寝たらもう関係ないのだけれど。

というかむしろ寝付いた後で言えば長袖パジャマの方が優秀なのかもしれない。布団がはがれても、ある程度の保温性を保ってくれる。
そう、長袖なら。

昨日、今まで高かった気温が一気に下がった。でも私は馬鹿だったから、ここ数日間に味わった布団の幸福感を忘れられず、半袖短パンで寝ることにした。いつも通り敷布団の上で手足を滑らせる儀式を終えて、掛け布団3枚をかぶる。しあわせ〜…。空中を漂うような感覚になり、スッと入眠する。

…。

…お腹が痛い。

身体の異常に脳が気づき、フゥっと目覚める。なんかとんでもない時間に起きてしまった感じがする。身体が強張っている。寒い。布団を手繰り寄せようと手を動かしてみる。…無い。私の身体に布団がかかっていない。寝ぼけたまま、手探りで毛布を一枚見つけ、無理やり引っ張ってかぶる。寒い。お腹痛い。寒い寒い。布団を必死に身体に巻き付けてギュッと縮こまる。縮こまって、なんとか身体を温めようと…。ここまで来てやっと、あぁダメだと気づく。お腹は痛いし、このまま布団をまともに被らないままいても寝られない。諦めて枕元のスマホに手を伸ばす。電源をつける。時刻は3:30。うわぁサイアク。リモコンをとって部屋の電気をつける。そこでやっと正気に戻って、自分が半袖であることに気づく。そりゃ寒いよ…。足を引きずってタンスまで行く。部屋の中がいつもの数倍広く感じる。タンスからスウェットを引き出し、上に着る。スウェットの安心感がすごい。着た瞬間に、母親の胎内にいるような感覚になる。お腹はまだチリチリと痛むが、とりあえず温めておけば大丈夫だろうということで、布団を敷き直して寝直す。あったかーい…。もうこの際、布団の感触がどうだの言っていられない。寒さで凍えた身体を、長袖スウェットと布団は優しく温めてくれる。だんだん身体がちゃんと暖まって、お腹の痛みも引いてきて、いつの間にか二度目の睡眠に入っていた。

そのまま今日の朝、目が覚める。目の下には大きなくま。明らかに昨夜の睡眠の質が悪かったことが伺える。

やっぱ寒いときにこんな寝方するもんじゃないね。寝冷えしてしまう。

よし、今日は気温が昨日とあんまり変わらないから対策をしよう。
タンスから腹巻きを引っ張り出す。小さい頃にお下がりでもらった、ドラえもんのポケットがついているドラえもん腹巻き。今も愛用している、可愛い腹巻き。
今日はそれをお腹に巻いて寝ることにする。寝冷え防止に。

半袖短パンにドラえもんの腹巻き。今日はよく寝られそうだ( ^ᵕ^)



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