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作業用BGMに、ウェディングソング

作業用BGMに、ウェディングソングを選ぶことがある。背筋が伸びるような気持ちになって、頑張ろうと思えるからだ。

その理由は、学生の頃に披露宴会場でのサービスの仕事をしていたことにある。結構披露宴では、オープニング、ケーキ入刀、中座、エンディング……とあらゆるタイミングで音楽がかかる。そのタイミングにあわせて、私たちサービススタッフもドアを開けたり、拍手をしたりと何かを”はじめる”ことが多かった。

最初は王道ウェディングソングが流れるたびに、いちいち感動していたりもしたが、しだいに王道ウェディングソングが流れると気持ちが引き締まるようになった。だから、私は今でもシャキッとしたい気持ちになるとウエディングソングを選ぶ。

しかし、ひとつ困ったことがある。ウェディングソングを聴くと当時の出来事も一緒に思い出されることだ。

「おめでとうございます! 盛大な拍手をお願いします!」と言っていた司会者の声、10秒数えて入場のドアを開けた時のこと、招待客のみなさんを席に案内していた時のこと……。

ふと一度思い出してしまうと、地続きでそのときのことがどんどん思い出されるので、気づくとぼんやりしてしてしまうことも多い。しかし、作業中にそれでは困ってしまうのだ。

だから、やっぱり当時のように「はじめる」ための音楽としてウェディングソングを選ぶしかないんだろうなと思っている。

この調子だと、友人の披露宴に呼ばれて王道ウェディングソングが流れたら、友人との思い出に気を馳せるのではなく、バイト時代のことを思い出すかもしれない。それはちょっと虚しいから、なんとかしたい。

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