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ニンジャスレイヤーTRPG第2版シナリオ集『AOSニチョームキャンペイグン』第1話『ネオサイタマ・イン・フレイム』

この記事はニンジャスレイヤーTRPG第2版においてのロングキャンペーンシナリオの第1話となります。各種データ等はDHTLS公式の定めるガイドライン内において、自由に使用・改変していただいて構いません。データには多分にプラグインデータおよびデータ実験場のβ段階のデータが含まれるため、NMおよび参加者はTRPGメンバーシップへの加入を推奨します。

なおキャンペイグンのまとめページはこちら

この記事では以下の素材集の立ち絵を使用させていただいています


◆シナリオサマリー◆

◆ネオサイタマ・イン・フレイム◆

参加人数:4人
備考:ザイバツ所属ニンジャは参加不可

◆あらすじ◆

あなたたちがニチョームのバー『絵馴染』で飲んでいた時、NSTVの緊急速報が入った。突如ネコソギファンドの首魁にしてネオサイタマ経済のキーパーソンであったラオモト・カンの悪事が、暴露されたのである。同時、本拠地であるトコロザワ・ピラー天守閣に、NSPDの特殊部隊がラオモト逮捕のため突入したという情報も入るが……それに呼応するように、ネオサイタマ各所で爆発炎上さわぎが発生する。

……ネオサイタマが炎上している。いったい何が起きているのか。それを把握する暇もないまま、ニチョームもザイバツを名乗るニンジャたちの襲撃を受ける

◆シナリオ本編◆

・NM向け情報

基本的にシナリオは以下の文を適宜読み上げつつ、PCたちのRPに合わせてアレンジやアドリブを入れていけば問題ない。

◆ネオサイタマ・イン・フレイム◆


「安い安い実際安い」

鎖国した日本の中心、ネオサイタマでは今宵も重金属酸性雨が降りしきる。
コケシ・ツェッペリンから降り注ぐ大量消費を煽るコマーシャル・メッセージはいつも通り……というわけでもない。今日はネオサイタマ都知事選の投票日であり、時折投票を促すアナウンスンや、欺瞞的なネコソギ・ファンド社のコマーシャルが重点的に流されていた。

◆ニチョーム・BAR『絵馴染』◆

「まったくどうなっちゃうのかしらねえ……」

ボンズヘアの巨漢が、バーカウンター内でサケ・マティーニを作りながら選挙速報めいたミッドナイトオイランニュースに視線を向ける。ここはニチョーム。性的マイノリティの最後のヘイブンと言われる奥ゆかしい歓楽街であり、ニンジャにとっても大組織間のエアポケット的な中立地帯となっている場所だ。あなたたちは……皆ニンジャであり、このニチョームに何かしら縁があるものである

「アータたちどうおもうワケ? 政治の話はタブーっていうけど、話題がそれしかないんだもん」

ボンズヘアの巨漢……ザクロはあなたたちにそう問いかけた

NM向け情報:ここでNMはRPを促す。多くのPCにとって初登場となるため、長めに時間を取っても良いだろう

「ムッハハハハハ!お世話になっております!ムッハハハハハ……」


さきほどから画面に映っているのは、大柄な白のアルマーニを着た黄金メンポの男……こそがソウカイ・シンジケートを牛耳る『ラオモト・カン』であり……知事選前日に出馬表明し、実際、その話題をミッドナイトオイランニュースは取り扱っている。

現在は、カスミガセキ教区のアークボンズ『タダオ大僧正』がラオモトのブディズム聖人認定の話を切り出し、しきりにほめそやしているところだ……

「ま、このニュースが言ってることが正しければ得票率90%超……ってコトだし……知事になっちゃうのかしらね。ラオモト=サン。ソウカイヤの時代が来ちゃうのかしら……」

ニチョームは現在の微妙な組織間バランスで成り立っている。どこかの組織が覇権を取れば、そのバランスは容易に崩れ去りマイノリティのヘイブンも、ニンジャ休戦地帯もローソク・ビフォア・ザ・ウィンド……吹けば飛ぶものでしかなくなるだろう。実際、ソウカイヤが天下を取れば、ラオモトの気まぐれでこの一帯がまるごとオイランパレスに作り替えられてもおかしくない

「…………」


大柄なザクロの後ろでちょこちょことお惣菜を作っていたヤモトは、ニュース画面を見て厳しい表情。彼女はソウカイヤに無理やりスカウトされかけたため、よく思っていないのだ

「ハー、アタシからハナシ振ってなんだけど、やめやめ。暗い話にしかならないわねこれ……」

ザクロが憂鬱な顔で、リモコンでチャンネルを変えようとする……TVでは最後に人権があったらラオモト=サンに投票したい、ということでネコネコカワイイが登場する……らしいが。

TV画面にはネコネコカワイイ登場せず。かわりにコマンドプロンプトめいたエラー画面出現

「エッ!?」

そして、ヤモトが叫んだ

「マグロはコストが高い?ならば有毒成分含有のバイオマンボウをつかえ」

「粉末にすれば愚民どもに見分けなどつくまい!ムッハハハハハ!!!!」

おお……見よ……TV画面に映し出されたのは、ラオモトがドンブリ・ポン社長と密約をかわす光景!

「ヨイデワナイカ!ヨイデワナイカ!」

さらにヨロシサン、オムラなどとの接待……ワイロ……女体盛りパーティー、トロ粉末取引……オビマワシなどいうにも憚る汚職行為映像!!!!!

「止めて!ハッキング――」
オイランキャスターが慌てて番組終了を指示するが、強制終了すらできないのか映像が垂れ流される!

「いったい何が……」

ヤモトも驚きの表情で、TV画面を見つめるが……その時であった……!

――ガラン!

「あら、イラッシャ……」

「ハァーッ! ハァーッ!」

絵馴染のドアが乱暴に開け放たれ、何者かが入ってくる!

「チクショウ! 安全を……安全確保……畜生、どうなってやがる……!」

その者は、あからさまにニンジャであった。しかしひどく負傷し、血を流している! 見るものが見れば、彼の装束に入ったクロスカタナ・エンブレムで彼がソウカイ・シンジケートの無慈悲なニンジャであることがわかるはずだ

「ちょっと、大丈夫!? なにが……エット、ヤモト=サン! 救急箱!」

一瞬驚いた様子のザクロであったが、ヤモトに救急箱で負傷を救護するよう指示し、自分は抜かりなく、ニンジャが突如暴れても良いようにモータル客を逃がし始める

「ド、ドーモ……ソーンヴァインです。ハァーッ、ハァーッ、安全を確保しないと。安全だ。安全……」

ソーンヴァインなるニンジャは、アイサツをしたが完全に無意識であるようで安全確保だとかをひたすらつぶやいている

「イヤーッ!!!」

「アババーッ!!!?」

しかし、ヤモトがソーンヴァインを治療しようとした時のこと! 突如、ソーンヴァイン全身炎上!

「アイエエエ!!! アバーッ! アバーッ!!!」

火だるまで転がるソーンヴァイン!

「サヨナラ!」

爆 発 四 散 !

そして、ソウカイニンジャの爆発四散風をかき分けるように店内に入ってきたのは……

「ドーモ、サーベラスです」

特徴的な機械化メンポのニンジャ

◆サーベラス (種別:ニンジャ)
カラテ    4  体力   4
ニューロン  4  精神力  4
ワザマエ   6  脚力   3/N
ジツ     2 

攻撃/射撃/機先/電脳  4/6/4/4
回避/精密/側転/発動  6/6/6/6

◇装備や特記事項
パーソナルメンポ バクチク・グレネード
☆カトン・ジツLV2 ☆◉カトン触媒 

「グフフ……ドーモ、ボーンクラッシャーです」

浅黒い肌をした巨漢のニンジャ

◆ボーンクラッシャー (種別:ニンジャ)
カラテ    6  体力   12
ニューロン  2  精神力  2
ワザマエ   2  脚力   4/H
ジツ     2 

攻撃/射撃/機先/電脳  6/2/2/2
回避/精密/側転/発動  4/2/2/4

◇装備や特記事項
☆巨体化の秘儀 ◉滅多打ち、◉突撃

「ジプシードッグです。もうすこしソウカイヤの弱敵をいたぶり狩り殺すつもりだったが……まったくサーベラス=サンも人が悪い」

イヤミな口調の魔術的フルメンポのニンジャ

◆ジプシードッグ (種別:ニンジャ)
カラテ    3  体力   3
ニューロン  3  精神力  4
ワザマエ   3  脚力   3/N
ジツ     1 

攻撃/射撃/機先/電脳  3/3/4/4
回避/精密/側転/発動  3/3/3/0

◇装備や特記事項
☆ハッカー系ソウルLV1 ☆◉超自然IRC接続 ☆◉索敵モード

「初めてのお客さんね。ニチョームは初めて? ここではこういう諍いはゴハットなんだけど」

ザクロは剣呑アトモスフィアを隠さず問いかける。

「ここはニンジャ中立地帯……どの組織からもそういうお墨付きをいただいてるんだけど……」

しかし、現れた3忍はニンジャ中立地帯という言葉を聞くと、顔を見合わせせせら笑った。

「我らはキョートのザイバツ・シャドーギルド……下賤なネオサイタマのしきたりなど、我々風雅なキョート人が従う道理なし」

「ここさァ。さっきのソウカイヤのなんとかいうニンジャが逃げ込んだでしょ? ニンジャ何とか地帯? ソウカイヤと関係あんの? なくてもいいんだけどなァ? そもそも客じゃないしな。ネオサイタマ燃やしに来たのよ。俺ら」

「もうここでいいんじゃないですか? カラテしたいですよ。うずうずしています!」

「もう我慢できない!カラテだ!モータルを殺したい!」

「アイエッ!?」

ジプシードッグなる魔術的フルメンポニンジャは、突如逃げ遅れソーンヴァイン爆発四散の騒ぎで倒れたテーブルを盾に隠れていた、モータルに襲い掛かった!

NMはPLに以下のように指示する。

カラテorワザマエorニューロン+ジツHARDで蛮行を止めよ。この判定はPC全員が行える。

NM向け情報:PCたちの判定後、NMは判定成功したPCの数だけ、ジプシードッグの体力を減らす。推奨されるレベル帯のニンジャはほぼ判定成功するため、ジプシードッグはたいていの場合爆発四散するだろう。PCが手加減を行ったり、失敗した場合は適宜アドリブを入れ進行する事。(ザイバツ勢は激昂しておそいかかるだろう)

「アババーッ! サヨナラ!」

ジプシードッグは爆発四散!

「バカナーッ!? ジプシードッグ=サン!?」

「何……? あのサンシタめが、カラテもないのに逸りおって……!」

サーベラス、ボーンクラッシャーはカラテを構え襲い掛かってくる!

NM向け情報:以下のMAPを開示する。(コピーして使用してください)自作する場合、特に指示はないので好きにあなたのイメジする絵馴染をつくり、ギミックなどを入れるといいだろう。多様性!

◆戦闘開始◆

NM向け情報:以下の文を読み上げ、ターン1を開始する。戦闘中にほかに特にイベント・ギミックなどはない。

「……何が何だかわからないけど……アタシたちはモータルのみんなを逃がすわ!すぐに戻ってくるから、その間こいつらを引き留めて置いてちょうだい!」

ザクロとヤモトは、店内や周辺のモータル避難誘導に向かう!

NM向け戦闘指針・ロールプレイ情報

サーベラスは原作に登場したカトン使いではあるが、典型的なサンシタという振舞いなのであなたがイメージするサンシタを演じればいいだろう。ボーンクラッシャーは適当なニンジャがいなかった(サイクロプス=サンなどを考えていたが、すでに別NMによりセッションが行われ爆発四散していた)ので登場させたオリジナルニンジャであるため、好きなようにRPして構わない。ジプシードッグも同様であるためあなたのマスタリングにお任せする。

特段、戦闘での行動指針などもなくあくまで前座であるためPCたちに気持ちよく倒させることを重点でいいと思われる。

◆戦闘終了

こうしてあなたたちはキョートのニンジャを名乗るならず者たちを倒した……ニンジャ戦闘により、店内は無残な光景となっているが……その時であった。戦闘被害を免れたTVに速報が入る

「臨時ニュースをお伝えしますドスエ! NSPDはネコソギ・ファンド社のラオモト・カン氏に対して、汚職等の容疑で逮捕状を取り、トコロザワ・ピラーにケンドー機動隊が突入しましたドスエ! 同社の株価はこれによりストップ安――」

KABOOOOM!

その時であった、臨時ニュースの背景にも映し出されていた、ネオサイタマの夜景の一角で爆発!

「アイエッ!? 爆発、爆発が起きました……スゴイタカイビルです。爆発しています――」

そのタイミングで、トコロザワ・ピラー上空を飛んでいたNSTVヘリに中継が切り替わる。本来はピラーに突入するマッポの様子を上空から伝える予定だったようだが……

――KABOOOM!
トコシマ区爆発!

――KABOOOM!
ノビドメ・シェード・ディストリクト爆発!

――KABOOOM!
リョウゴク爆発

――KABOOOM! ――KABOOOM! ――KABOOOM!
マグロツェッペリン連鎖爆発!これは!

「アイエエエエエ!?ツェッペリンが!堕ちてくる!アイーエ――zzzzzzz」

NSTVヘリはツェッペリン墜落に巻き込まれ、ノイズとともに中継が途絶えた

KABOOOOOOM!!!!!!!!!

そして、ついに近く……ニチョーム内? いや、隣接するネオカブキチョのほうか。爆発を感じる!

「チョット、アータ達なにがあったの!?」

「みんな、大丈夫!?」

周辺のモータルの避難にあたっていたザクロとヤモトが、絵馴染に入ってくる! 絵馴染店内無残! ザクロ驚愕!

「と、とにかく。今は店は後回しよ! ネオサイタマ全域で『キョート』のニンジャが暴れてるみたい! なんでもあちこちでテロ? も起こってるみたいだし……とにかく、今はできることをしましょう」

ザクロは顔が広く、彼の情報網は確かである。とするなら……キョートからの侵攻!?

「ニチョーム自警団のテガタ=サンやタギザワ=サンが今この辺りも守りを固めてるけど、あきらかにニンジャの起こした事件よ。これは……えらいことになったかもしれないわね」

テガタ、タギザワ……ニチョームに居る元ヤクザバウンサーらで構成された自警団の中心人物だったか

「ちょうど、隣のネオカブキチョでやり合ってる連中がいるわ。さっきの爆発、きいたでしょう。アータたちはそちらに手助けしに行ってあげて。ここはアタシとヤモト=サン、残りのニンジャちゃんたちでなんとかするから」

ネオカブキチョはニチョームと隣接しており、関係が深い地区だ。決して無関係ではない。ザクロの指示に従い、ネオカブキチョの救援に向かおう

NM向け指示:NMは適当なところでRPを切り上げ、シーンチェンジする

◆ネオカブキチョ◆

ネオカブキチョはネオサイタマの中でも最大級の歓楽街である……が……そこかしこで火の手が上がり、モータルの悲鳴が響いている

「アイエエエエ……」「アカチャン、オッキクネ……」「今なら包帯・傷薬売りますよ!値段3倍点!」「グワーッ!」「おいおい、ヤクザ抗争かなんかかよ……勘弁してくれ」

しかしながら、ニンジャの気配はない。もはや戦闘は終結したか、戦いながら別の場所へと行ったのだろう

「おい、こっちだ!手伝ってくれ!」

と、横合いから血まみれのホストスーツを纏った男が、炎上する劇場から出てきた

「まだ中に何人か取り残されてる!見殺しにできるかよ!」

NMは以下の指示を読み上げ、PCに適宜ダイスロールとRPを行わせる。知識スキルなどによるボーナスは1~4程度までNMの裁量で自由に与えて構わない。

全員カラテ・ワザマエ判定・ニューロン+ジツHARDを行い取り残された客を救出せよ。設定上、使用できると思われる技能・知識・能力などがあればそれを申告すればボーナスが入る

「ハァ、ハァ……」

ホストスーツの男と協力し、なんとか人を運び出す。ニンジャの身体能力で多くの人を救い出せたはずだ。

「これで全員っぽいな……助かったぜ。オ!?」

ホストの携帯IRC端末に着信

「……ああ、すぐ行くぜ……『ザイバツ』の野郎がそっちにまだいんだな……」

ホストスーツ男はIRC確認、するとすぐさま負傷を押して別の場所へと駆けていく。が……その前にあなたたちに向き直ると

「あんたら、ニチョームのニンジャだろ。助かったぜ」

・NM向け情報

このホストスーツの男はソウカイニンジャ、インパルスである。PCにソウカイニンジャなどがいる場合、最初の時点で素性を分かったことにしてもかまわない。このシナリオでは既にソニックブームは死亡しておりインパルスはスカウト部門の筆頭となっているため、データを開示する場合、以下のデータ重箱のスカウト部門筆頭データを使用するとよい。

「ウチの事務所にあったスシ、持ってきたよ。一息ついたら食べてくれや」

そういうと、パック・スシの入ったビニール袋を置き色付きの風となって去っていった

・NM向け指示

NMは以下の文を読み上げアイテムを配布する。救助シークエンスで際立って活躍したボーナス、あるいは極端に体力の低いPCがいるなどの場合、バランス調整としてオーガニックスシなど上位版を配布しても良い。

PCたちは【パック・スシ 種別スシ、体力2回復、このセッションが終わると失われる】を得る。

ほっとしたのもつかの間。すぐさま問題が訪れる

「ハァ、ハァ、チクショ……おい、おまえら!」

腕を抑えながら現れたのはニチョーム自警団の元ヤクザバウンサー『テガタ』である負傷し、ショットガンを杖としてかろうじてやってきたという風だ

「ニチョームがヤベエ。ヤベエんだ、ニチョームが……てめえらがネオカブキチョに救援に出かけたとたん、狙いすましたようにキョートだかのニンジャが押し寄せてきやがった……!」

「ザクロ=サンとヤモト=サン、それにタギザワやら……自警団が頑張ってるがあのままじゃヤバイ」

「皆殺しにされちまうぞ……ゲホ、だから、少しでも戦力がいる……!」

「俺も少し休んだら、戻る。奴らの顔面にショットガンをぶち込んでやる……」

そういうと、テガタは瓦礫にもたれ、気を失った。彼を残すのも心配だが、既にこの辺りは救急隊が到着し救援に当たっているし、マイコやオイラン、ボーイなどの住人がけが人の手当てに当たっている。今はニチョーム救援を優先するべきだろう

・NM向け情報

NMはRPがキリよく落ち着いた段階でシーンチェンジを行う

◆ニチョーム・入り口付近◆

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」

あなたたちがニチョームまで戻ると、ヤモトが吹き飛び『オスモウサウナ』の看板の建物に叩きつけられたところだった

「ハァーッ!ハァーッ!ドグサレッガー!数だけはわらわらわいてきやがってなァ!!!」

一方のザクロ……ネザークイーンは相対していた敵ニンジャにつかみかかり、その頭をひねりつぶす!

「サヨナラ!」

ザイバツニンジャ爆発四散!

「ドーモ、プライムナンバーです」「ガンジャーです」「エナジースキナーです」「セプテンバーです」

「クソがッ!!!」

一体を倒しても次々にネザークイーンに殺到する敵ニンジャ。これではさしものネザークイーンもジリー・プア―か!あなたたちと合流できぬ!

「まったく、ニチョームとやらの薄汚い通りの何処にこれほどニンジャが潜んでいたのだ?」

と、あなたたちに剣呑アトモスフィアを含む声が投げかけられた。

手首に奇妙な小型ボウガンを装着したニンジャが、悠然と通りを歩んできて、あなたたちからタタミ数枚の位置で足を止め、アイサツをした

「ドーモ、デスナイトです」

◆デスナイト (種別:ニンジャ)
カラテ    10  体力   10
ニューロン  7  精神力  7
ワザマエ   12  脚力   6/N
ジツ     0 

攻撃/射撃/機先/電脳  10/13/8/9 
回避/精密/側転/発動  10/12/12/-

◇装備や特記事項 生体LAN端子LV1 スリケンボウガン

 ◉レッサー・タツジン 近接・射撃攻撃の出目6で痛打+1

 ◉バイオイーグル連携 このニンジャは手番開始フェイズもしくは手番終了フェイズに
バイオイーグル突撃を行わせることができる。これは自動成功の射撃攻撃として扱い、
ダメージ1(回避NORMAL)である。

『●不如帰』:このニンジャは不退転の決意を固めており、多対一の戦闘の中でも、
獅子奮迅の戦いぶりを見せる。 単独で2体以上のPCを相手に戦っている限り、このボスNPCは
1ターン中に2回の手番を得る。『一騎討ち』ルールと同様に、本来のイニシアチブ値で
1回目の手番が、イニシアチブ値の1/2で2回目の手番が回ってくるが、例外として、
直前の手番と同じ行動種別は選べず、同じターゲットも選べない。なお、ここでいう行動種別とは
「近接攻撃」「射撃」「ジツの使用」「その他の行動」である。 
「同じジツ、同じスタイル、同じ轢殺攻撃は連続使用できない。
このとき、スタイル宣言なし、もスタイルの一種とみなす
(つまりスタイル宣言なしの近接攻撃を2回連続では行えない)

・NM向け情報

スリケンボウガンについては以下の追加のスキルとアイテム集の内蔵型スリケンボウガンのデータを使うこと。

また、不如帰については公式ディスコード上でのDHTLS=サンの提示したデータを使っており、この記事が執筆された段階ではルールブック等に記述がない。明確化された●不如帰などが後にデータ化されれば、それを読み変えて使っていただきたい。その他、β段階プラグインデータも同様である

「この私はザイバツ・シャドーギルド。マスター位階を務めている。つまり、貴様らとはカラテの格が違うということだ」

ザイバツ……あなたたちの大半はそれがキョートの組織ということしかわからぬかもしれぬ。しかしながら、威圧的なマスター位階の響きと、アイサツから伝わるカラテ段位は尋常ではない

「ニチョームも貴様らも燃えて消えるのだ。それが我々ザイバツの来るべき千年王国とやらの樹立につながる。もっとも、そんなことはどうでもいいが」

「ニチョームとかいう下品な場所が消えたところで誰も悲しまぬしどうでもよい。この世の中はドライだし、貴様らにナサケをかけるものはおらぬ。少なくとも俺はな」

「下らぬ言い合いもむなしいこと。そろそろ始めるとしよう。カラテあるのみ」

男は虚無的な物言いをしながらジュージツを構える。一層のカラテ段位が張り詰めた

・NM向け情報

上で提示したMAPの2シート目を開示し、戦闘を開始する。MAPを自作する場合、ニチョームの大通りというイメージで自由に自作してもらいたい。

NM向け戦闘指針・ロールプレイ情報

デスナイトはマスター位階のニンジャであり、バランス的に省略しているがジュー・ジツやダブル・ポン・パンチなども使う強力なニンジャである。

ただし、決してザイバツ上層部の覚えは良くなく、マスター位階であるにもかかわらず危険なキョート・ネオサイタマ間のポータルを通ってネオサイタマ襲撃に参加している。これは死んだ恋人のニューロンを移植したバイオイーグルを偏愛していることが原因であると考えられ、たとえば戦闘が優勢の際にはPCたちにイヤミな態度をとりつつ、腕にバイオイーグルを止まらせて撫でるだとか、PCがバイオイーグルを攻撃するそぶりがあれば激昂するなどするといいだろう。詳しい描写等は以下の登場エピソードを参照のこと

戦闘においては、適当にターゲットを決めた後はカラテ(ダイス5づつで2回攻撃)→バイオイーグル連携でさらに追撃を一手番目に行ったのち、●不如帰によるイニシアチブ値半分での2回目行動の際には、カラテがルール上できないので、別の敵にスリケンボウガンによるスリケン射撃(ダイス13個を分割して2連射)→バイオイーグル連携が基本となる。不如帰を使ったことのないNMはこれ以降のボス戦で多く使うため、挙動や仕様になれておくこと

デスナイトを撃破した後は、バイオイーグルもデスナイトをかばおうとしてもろとも死なせたり、あるいは後を追って地面にぶつかり死ぬなどしてシナリオから退場させるのがNM的には楽だが、PCが保護したいと申し出た場合は適切なRPなどあればなんらかのレリックとしてそのPCに与えてもいいだろう

◆戦闘終了◆

あなた達は恐るべき財閥マスター位階、デスナイトを爆発四散させた。

「イヤーッ!」「サヨナラ!」

どうやら、ザクロのほうも群がってきたサンシタどもを片付けたようだ

「ハァーッ、ハァーッ、何とか終わったわね……たぶん。なんとなくだけど、町中の爆発音なんかも小さくなってる気がするわ」

ネザークイーンはその場に座り込む。

「みんな……!」

と、ヤモトが駆け寄ってくる。彼女はオスモウサウナ看板に叩きつけられ、意識を失ったがそのオスモウサウナに避難していたオブツダンとセンコウや、ゲイマイコに介抱され、戦線復帰したところであった

「ハァ……ハァ……」「クソ、いてえ……何だってんだ……」「まったく、ニンジャの相手なんざブルっちまうぜ」

ニチョーム自警団の面々も、何とか集まってくる。なんでも彼らはザイバツ勢の補助戦力であったクローンヤクザや混乱に乗じてマイコ・センターを襲おうとしたヒョットコ・ギャングと戦っていたようだ

「……いったい、何が起こっているんだろう」

ヤモトが不安げに問う。と、一人のニチョーム住人がIRCラジオを持ってきた

「……繰り返します。トコロザワ・ピラーに正体不明のテロリストが押し入り、都知事に立候補しながらも、汚職容疑で逮捕状が出されたラオモト・カン容疑者を殺害した様子ドスエ」

「それに呼応して、ネオサイタマ各地で爆発テロが発生……NSPDおよびハイデッカーは現職のサキハシ知事の指示のもと、市民に外出の自粛を呼びかけ――」

トコロザワ・ピラーに何者かが侵入し都知事候補である『ラオモト・カン』を暗殺。それに乗じてネオサイタマ中でテロ組織が武装ほう起した……ニュースで流れていたのはそういった内容だ

「ソウカイヤのボスが、死んだ……」

ヤモトがそうつぶやく。もはやソウカイヤの時代が来るかと思われた前夜に事態は一変した

ネオサイタマが、炎上している

◆ネオサイタマ・イン・フレイム◆

おわり

◆余暇・セッション終了処理◆

NMはPC全員にセッション報酬を手渡す。万札・余暇等は
キャンペーンのレギュレーションに沿って各自設定してほしい。

なお、実際にこのキャンペイグンが行われた際の報酬は、
万札15、名声+1、余暇2日、知識・交渉スキルを1つ無償で獲得であった。

◆シナリオ後の状況

ネオサイタマ都知事選の日。突如現れたザイバツニンジャがネオサイタマ各所(主にソウカイヤ関連施設)を襲撃。ネオサイタマが火の海になる。ニチョームもこれに巻き込まれるが、ニチョーム勢の奮戦によりザイバツ・マスター位階のデスナイトを撃破する。結局、ザイバツ勢は治安維持部隊であるNSPD・湾岸警備隊・ハイデッカー(アマクダリ)らによる共同戦線の前に敗北し、以前と同じく小規模な駐屯部隊をひそかに置くにとどまった。

ラオモト・カンはニンジャスレイヤーの手によって討たれ、ダークニンジャは行方不明となる。これにより、息子であるラオモト・チバがソウカイヤを引き継いだものの、大きく勢力を減じた。

●死亡した原作登場ニンジャ
デスナイト、サーベラス、ラオモト・カン、ソーンヴァインはじめソウカイヤ・ザイバツのサンシタたち

●消息不明
ダークニンジャ

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