夏の思い出

ペンシルビバップ第2号
『夏の思い出』
発行日:2013年8月18日
2冊目からこのテーマ、流石はペンシルビバップ(?)

【世界で一番熱い夏】 鋼野タケシ
【あの夏】 アオイヤツ
【拠点戦争】 綿貫 亘
表紙イラスト:田中一郎
あの夏イラスト:ノダ
(敬称略)

夏と言えば青い空、青い海、そして青い朝顔です。
2冊目は美しい青色が映える鮮やかな本に仕上がっています。
※画像データを持っていないので実画像はありません。

川和先生が仕事関連で多忙な時期になって、残念ながら休載。
そのためにビバップ史上最初で最後の3編だけの本になっております。
(令和1年現在)
ちなみに総ページ数も少なめなのですが、本の厚みはかなりのものになっております。諸事情により、かなりイイ紙を使用しているからです。
慣れないうちの製本って色々ありますよね、というお話でした。

中身については前回同様、許可を取っていないので細かくは書きません。
ざっくりと感想だけ。

【世界で一番熱い夏】
格闘ゲームを題材にした一夏の青春ストーリー!!
今日が、世界で一番熱い夏だ。
ボーイミーツガールで少年は鬱屈した今を破って前へと進むのである。
いいよな王道! 素晴らしい!

【あの夏】
既にアオイヤツらしい妙な文体で夏のけだるさと思い出の切なさを表現。
田舎の古ぼけた飯屋で冷やし中華を食べたいという真摯な思い。
あえて書かれていない部分の物語もゆっくり読み取ってみてください。
これは我ながら面白い物書いてるじゃないのって自画自賛する作品です!

【拠点戦争】
最近の子供達はちゃんとした喧嘩の方法も知らないです。
故に私は子供達にちゃんとした決着のつけ方を教える事にしました。
この部分だけ抜き出しても面白いのが間違いない。
これは戦争のお話です。心して読むべし。

【夏の思い出】
まず、何があったのかと驚くぐらいに文章のレベルが上がっています。 アオイヤツなんて今の文章とほぼほぼ同じ。コイツ、まるで進歩してないぞ。
思い出というテーマなので全員ストーリーは『子供』が中心になっていますが本当のポイントは『子供だった大人』なのでしょう。その歪みがこの作品全体をとても深みのあるものにしています。
自分の夏の思い出を想像して、その頃の気持ちを少しでも思い出してから読んでください。きっととても楽しめる作品に仕上がっています。


では誰も期待していないアオイヤツの裏話。
これを書いていた頃、ドラッグストアの店員をしていました。仕事中に夏の空を窓から眺めて、Twitterに毎日『こんなに空が青いのに、俺は狭い店の中で何をしているんだ』と書き込んでいたのを覚えています。
なので夏へのあこがれみたいなものが作品に反映されていますネ。

作中に『冷やし中華弁当』が登場します。
これは当時読んでいたマンガ『高杉さんちのお弁当』に登場する素麺弁当(茹でてよく冷やした素麺と麺つゆのお弁当)からヒントを得て、実際に自分で作って食べてみた経験が活かされています。
ぶっちゃけコンビニの冷やし麺と同じなので、当然美味しいですよ。

意外と古株だった(失礼)ノダ氏もこの作品から登場しています。
ノダさんはアオイヤツのリアル友人。このイラストを描いてもらった後になにか食べ物を奢ったはずです。
この頃のノダ氏は離島の住人でした。懐かしい。人に歴史アリ。
最新作『こわいもの』までイラストを描いてくれています。
ノダ氏のイラストも要チェックです! ここには載せないけど!

次のテーマは『継承』
重厚なテーマで、4人の作家たちはどんな物語を紡ぎ出すのか。
本家と違って更新は不定期! 期待せずにお待ちください。

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