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n角形の異なる一対の対角線

$${P}$$は正$${n}$$角形$${(n \geqq 6)}$$とする。$${P}$$の異なる$${2}$$本の対角線の組で、次のようなものは何通りあるか。
(1)$${P}$$の頂点を共有するもの
(2)$${P}$$の頂点以外の点を共有するもの
(3)共有点を持たないもの
                                (首都大東京)

【解答】
(1)
$${P}$$の$${n}$$個の頂点を順に$${P_0,P_1,P_2,…,P_{n-1}}$$とする。すなわち$${P}$$を正$${n}$$角形$${P_0P_1P_2…P_{n-3}P_{n-2}P_{n-1}}$$とする。このとき、「対角線」とは隣の頂点を結んだ線分である「辺」を含まないので、頂点$${P_0}$$から引ける対角線は、$${\{P_0P_2,P_0P_3,P_0P_4,…,P_0P_{n-3},P_0P_{n-2}\}}$$の$${n-3}$$本である。これらから、重複を許さず、$${2}$$本選べば、頂点$${P_0}$$を共有する対角線の組が選べるので、

$$
_{n-3}C_2
$$

である。そして各頂点$${(P_0,P_1,P_2,…)}$$についてこれらを数え上げればよい。

$$
_{n-3}C_2×n\\=\frac{(n-3)(n-4)n}{2×1}\\=\underline{\frac{1}{2}n(n-3)(n-4)通り}・・・[答]
$$

(2)
$${P}$$の任意の頂点を$${4}$$つ選びそれらを頂点とする四角形$${P_iP_jP_kP_l(0 \leqq i \lt j \lt k \lt l \leqq n-1)}$$を考える。「頂点以外を共有する」対角線の組は$${\{P_iP_k,P_jP_l\}}$$に他ならず、選んだ$${4}$$つの頂点に対して、この組はたかだか$${1}$$組($${1}$$対$${1}$$対応)である。よって、

$$
_{n}C_4=\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)}{4×3×2×1}\\=\underline{\frac{1}{24}n(n-1)(n-2)(n-3)通り}・・・[答]
$$

(3)
$${P}$$の対角線の総数は、任意の頂点を選んで結んだ線分から辺の数を引けばよいので、

$$
_nC_2-n\\=\frac{n(n-1)}{2×1}-n\\=\frac{1}{2}(n^2-n-2n)\\=\frac{1}{2}n(n-3)
$$

ここから$${2}$$本選ぶ組み合わせは、

$$
_{\frac{1}{2}n(n-3)}C_2\\=\frac{\frac{1}{2}n(n-3)\{\frac{1}{2}n(n-3)-1\}}{2×1}\\=\frac{1}{8}n(n-3)\{n(n-3)-2\}\\=\frac{1}{8}n(n-3)(n^2-3n-2)
$$

「共有点をもたないもの」は、ここから(1)と(2)を差し引いたものである。

$$
\frac{1}{8}n(n-3)(n^2-3n-2)-\frac{1}{2}n(n-3)(n-4)-\frac{1}{24}n(n-1)(n-2)(n-3)\\=\frac{1}{24}n(n-3)\{3(n^2-3n-2)-12(n-4)-(n-1)(n-2)\}\\=\frac{1}{24}n(n-3)(3n^2-9n-6-12n+48-n^2+3n-2)\\=\frac{1}{24}n(n-3)(2n^2-18n+40)\\=\frac{1}{12}n(n-3)(n^2-9n+20)\\=\underline{\frac{1}{12}n(n-3)(n-4)(n-5)通り}・・・[答]
$$

【コメント】
よくあるタイプの問題です。$${n=6}$$などと具体化して、図を描いて考えましょう。最後の検算も同様に必ず行いましょう。$${n=6}$$のとき(3)の答は、$${3}$$組となります。よさそうですね。

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