報恩感謝を忘れない

「報恩感謝(ほうおんかんしゃ)」は、子供の学校の校訓である。
「恩に報いて感謝する」という仏教の教えからの言葉で、
私が卒業した高校(仏教系)でも「四恩の恩」と一部共通する部分はある。

私が高校の時に教えられた「四恩の恩」とは

・国の恩
・世間の恩
・国の恩
・仏の恩

これら4つの恩の上で、私達はこの世で生活できるのだと教えられた。
様々な恩に支えれて自分達は生きているということを忘れてはいけないということだ。

なぜこういう話を出したかというと、今日(11月28日)娘の学校で
「報恩講」という行事があった。
娘の学校は浄土真宗大谷派の学校で、東と西のそれぞれ本願寺でも
今日を境目に親鸞聖人の命日であるこの日を特別な日として、
「報恩講」を行う。

ここでも「報恩」と出てきたが、「恩に報いる」ことを親鸞聖人が
重要としているからだ。
「恩に報いる」とはなんであろう?

今日の「報恩講」で法話として兵庫のお寺さんが「報恩」について
お話をしてくださった。

人というのは、いろんな人の恩の上で生きている。それはどういう形で
恩を受けるかはわからない。すでに名前を知っている人と仲良くなって
恩を受けていたり、見知らぬ人に恩を受けていることだってある。

その恩に対して感謝して、恩を仇にせずよりよい力に変えて、
「良い報い」として世間に返すというのが「報恩」である。
恩を受ける時に「ありがとう」と感謝をするべきだし、自然と
感謝の気持ちは出てきて伝えたくなるし、伝えるべきだ。

しかし、最近はせっかく受けた恩を仇にして返してくる人が
増えてきている。
自分の立場がどのようにしてできたのかを忘れ、自分の力だけで
できたのだと思っているのだろうね。

それは、とんでもない大間違えで私だって今までこうして生きてこれたのは、
親に育ててもらって、友達や先輩や後輩、そして結婚してから主人や
子供に支えられてのことである。
子供からもいろんなことを教えてもらって、気づかされて、
「ありがとうね」と感謝する。

私が物書きとして自信をなくして、やめたことはある。
ところが、たまたま知り合った先輩ライターさんがいろいろと悩みを
聞いてくれたおかげで、この40代の人でも物書き業として
戻ることができて、自分はどうしていくべきかを探ることにした。

ようやく見つかって、軌道に乗った時にこの先輩ライターは、
ガンが見つかって亡くなったけれど、残してくれた言葉は
今でも役に立っていて、「教えてくれてありがとうございます」と
記事が無事に通過すると心の中で感謝する。

自分が書いた記事で褒めてもらえることは確かに嬉しい。
しかし、褒めてもらえたことに対して謙虚であることも大切で、
「引き続きよろしくお願いします」と言われれば、
「ありがとうございます」と引き続き書かせてくれることに対して、
感謝はしないといけない。

それと、教えてくれた人に対して感謝することは大切だけれど、
その恩を逆手にとって、とんでもないことをすることも
許されないというか、やってもいいけれどそのことは
何らかの形で戻ってくる。そのことを覚悟しておかなければならない。

私の好きな漫画家さんで「鋼の錬金術師」の荒川弘先生は、
実家が酪農家で、ご近所での共同作業が多かったという経験から、
全ての作品に「ありがとう」と感謝の言葉は絶対に織り込むように
しているとインタビューで読んだことがある。

自分の周りのことに感謝し、恩を与えてくれた人へ良い答えとして
報いでお返しするということ。
絶対に忘れてはいけない。

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