マーケティング支援会社のマーケターが考える『マーケティングの学び方』
こんにちは!株式会社PENGINでマーケティングを担当している鈴木です!
最近、「マーケティングに興味があって…」という方と出会う機会が増えているなぁと感じておりまして。
また、SNS上では「マーケティングスキルは最強です!私はマーケティングスキルを学んで月収〇〇円に…」みたいな香ばしい情報を目にする機会も数年前から増えてきました。
そこで思うわけです。「この人たちの言うマーケティングって何を指しているんだろうか??」と。
なので、重い腰を上げ、筆を執り、眠たい目をこすりながら「マーケティングって何?どうやって学べばいいの?」みたいなことを、ごくごく個人的な視点ではありますが、書いていこうかなと思った次第です。
今後、「マーケティングを学びたくて…」という方に出会ったときに「マーケティング興味あるなら、とりあえずこの記事を読んでやっといてください」ってお渡しできるものにすべく書いていきたいと思います。
「マーケティングって何?」というお話
「まずはマーケティングって何?」というところから紐解いていこうと思います。小難しい退屈な話が続いてしまうかもしれませんが、嫌になったらお好きなタイミングでそっとブラウザバックしてください。
いろんな定義を読んでもよくわからない問題
まずは、学問的な観点からマーケティングの定義を見ていきますね!(絶対によくわからないと思うんだけど、頑張って噛み砕きます)
まずは日本マーケティング協会の定義。
このままだとよくわからないので、間を省きます。
→「マーケティングとは、市場創造のための総合的活動」
「なるほど。マーケティングとは市場を創造する活動なのか!」とはならないですよね??(この説明ですべてを理解した超絶優秀マンいらっしゃいましたら連絡ください)
他の定義も見ていきます。
これも間の文を省きましょう。
→「マーケティングとは、価値のある提供物を創造・配達・交換するための活動・制度・プロセス」
個人的には、日本マーケティング協会の定義よりもしっくりくる感じはします。要は「価値を作って、運んで、交換する活動やプロセスのことなんだね」という感じ。でもまだまだモヤっとしますね。
なので、もっと端的な定義を3つほどご紹介します。
近代マーケティングの父、フィリップ・コトラーの定義
ぐっと端的になりましたね!!ニーズに応えて利益を上げること。でも営業活動もそうではないのかな?
さらに、経営学の父ピーター・ドラッカーがマーケティングに関して発言した内容を引用しましょう。
マーケティングの定義ではなく、マーケティングが目指す理想を示唆する言葉ですが、かなりわかりやすいのではないかと思います。
また、マーケティングの対照的な言葉として販売(セリング)という言葉を使っていることもポイントですね。
さらに、日本のビジネススクールとして有名なグロービスでは、マーケティングを以下のように定義しています。
なんとなくわかってきた感じがしますね。
ここでは、グロービスの定義をお借りして、マーケティングとは、商品やサービスが継続的に売れ続ける仕組みを構築することとしたいと思います。
マーケティング、範囲広すぎ問題
それでは、モノが継続的に売れ続けるためには何をする必要があるのでしょうか?
ユーザーの需要に応える商品をつくること?
ファンを生み出すような魅力的なブランドを作ること?
流通経路や販売する場所を適切に選定して整えること?
ユーザーを理解して、より顧客に寄り添ったサービスにすること?
適切な販売価格をつけること?
ユーザーの行動を分析して、適切な導線を設計すること?
ターゲット層からの認知を獲得するために広告や広報に力を入れること?
私が思う正解は「すべて」です。
思い出してください。「マーケティングとは市場創造のための総合的な活動」であり、「価値を創造・交換・伝達する一連のプロセス」でもあるのです。
「マーケティング ≒ 経営・事業運営」と考えても差し支えないくらい。
マーケティングを考える上で基本となる4Ps(あるいは4P)という概念がありまして。それが、Place、Price、Product、Promotionの4つです。(※決してエッチな言葉ではないよ!)
Place:マクロ的には流通経路や販売チャネル、ミクロ的に見たら店舗の棚ですね。
Price:価格設定(これをミスると不良在庫を抱えたり、品切れ続出になったりします)
Product:製品(製品そのものはもちろん、商品名、コンセプト、パッケージのデザインまで含みます)
Promotion:広告・販促などのプロモーション。認知獲得から「欲しい」と思ってもらうところまで設計します。
市場の分析をもとに、この4Ps、または、マーケティング・ミックスとも言われる要素を策定していくことが必要なんですが、なかなかマーケティング部署主導でそこまでやれている会社ってないですよね…。(そもそも範囲が事業全体に及ぶし、発生する仕事の量がハンパじゃないですもの)
これが「マーケティング」という言葉の定義が人によって異なり、共通した理解を持ちにくい原因の一つになっているような気がします。
また、商材や事業フェーズ、業界内でのポジションによってもマーケティング実務の内容はかなり変わってきます。そのため「マーケティング部署の仕事はこれ!」と一般化しづらいということもありそうです。
マーケティングと名のつく部署、「それプロモーションやで」問題
マーケティングと名の付く部署の実務の大半は、広告運用などのプロモーションではないでしょうか?
または、マーケティングという名前はついているものの、業務範囲は営業の補佐のような部署もあったりなかったり…
と、いうのが日本の現状だと認識しております。
また、実務からマーケティングに入って、体系的に学んでいない方は、マーケターという肩書であってもマーケティングの全体像を説明することに苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか??
(どうなんでしょうね?)
と、言うわけでマーケティングについて体系的に学ぶ方法と、実務に即活かせる情報源をご紹介します。極めて個人的な意見ではあるものの、そんなに的外れではないはずです。
「マーケティングってどうやって学ぶの?」というお話
まずは本がおすすめですよ!
体系的に知識を学びたい場合は、書籍に勝るものはありません。
特に「これからマーケティングを学びたい」と思っている方にオススメの本を3冊に厳選して紹介します。
有斐閣アルマ『わかりやすいマーケティング戦略』
有斐閣といえば、大学の教科書として使われる書籍をたくさん出している出版社として有名です。その中でも、初心者向けに書かれたこのシリーズは内容もわかりやすくて入門書にぴったり。
大学生のときに3回くらい読みました。
放送大学『マーケティング』
こちらも大学の教科書として使用されているテキストです。前述した有斐閣アルマの書籍よりも少し専門的ですが、大学1年生の教養の授業で使われるレベルなので、そんなに難しくありません。
森岡毅『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』
ちょっと教科書的な本が続いたので、もう少しビジネス書的な内容のものを。
元P&GのマーケターでUSJの経営状態を改善し、今は株式会社刀を創業した敏腕マーケターである森岡さんの書籍です。
自分の娘に「マーケティングとは何か?」を教えるとしたら何をどう教えるかということを考えて書かれた本で、より実務的な内容が易しくまとめられています。
ただし、BtoC領域の話が多いので、BtoB事業にはそのまま当てはまらないというところは認識したうえでお読みいただければと思います。
実務的な知識を得られる最強メディア2選
様々なマーケティング施策を実施していく中で、ベンチマークとなるような情報や改善の手がかりになる情報をリサーチすることはよくあります。
ここでは、マーケティングの実務的な情報のクオリティにおいて、特に突出していると思うメディアを2つ紹介します。
WACUL のレポート
本当は教えたくないんですけど紹介します。
デジタルマーケティング会社のWACULが定期的に出してくれる調査レポートです。
誤解を恐れずに言えば「正解がわかります」
今携わっている施策に適応できるような調査結果がここにあったらラッキーです。それをやれば伸びます。
才流のメソッド
BtoBマーケティングのコンサルティング会社「才流」のコンテンツです。いろんなチェックシートやテンプレートを配布してくれてるんですけど、すべて無料、かつ、フォーム入力も求められないんです。
まずは、才流のチェックシートやテンプレートに当てはめてスタートしてデータを取りながら改善って感じでやっていけば大外れはしません。ほぼマニュアルです。
その他おすすめの方法
その他オススメな方法は、マーケティングに強い会社のe-bookとウェビナーです。以下に私がお世話になっている情報源を置いておきますね!
ferret
困ったときに何かと頼れる存在です。さすがはマーケターのよりどころです。デジタルマーケティングに関わることなら幅広くなんでも扱ってます。
配配メールのお役立ち資料
メルマガのノウハウは配配メールのお役立ち資料とウェビナーで学びました。メルマガの「正解の型」みたいなもはすぐにわかります。とりあえず正攻法をおさえておいて、あとはやりながら改善していくみたいなイメージで取り組むといいですね。
結局一番大事なことは試行錯誤して身につけることだよね
ここまでお付き合いいただいてありがとうございました。
マーケティングをお仕事にするに当たって、体系的な知識を身につけることは、個人的には有用だと思いつつも、実務に役立つかというと必ずしもそうではないかもしれません。
では、マーケティングをお仕事にするに当たって、何が大事かというと、「自社の課題を特定し、先行事例を調査し、自分の頭で一生懸命考えて、改善のための施策を実行して、具体的な数字を上げる」こと。そのために試行錯誤すること。それが欠かせません。
体系的な知識をインプットするのはとてもよいことなのですが、我々は学者ではなく実務家なので実践は欠かせませんね。
ここまでつらつらといろんなことを書きましたが、私自身、勉強の日々なので一緒に成長していければと思います!
PENGINでもマーケティングをご支援する中で得た知見・ノウハウを発信していますので、ぜひ参考にしてください!
▼PENGIN Knowledge
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!それでは!
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