見出し画像

俺たちの受信料で市川猿之助をおぶる高橋一生が!ドラマ版岸辺露伴は動かない感想

皆さん、僕はアニメや漫画が大好きなキモオタクヤですが、それと同じくらい実写が好きです。

更に言うと、漫画やアニメの実写化が好きです。
漫画やアニメだからこそ成り立っていた表現をどう実写に落とし込むのか?という制作側の工夫や、
更には二次元という存在のキャラを現実に映し出す俳優の熱演などは、アニメ漫画の実写化作品ならではの良さでしょう。

なので、SNSとかでアニメの実写化を観てもいないのにイメージだけで叩いてる人を見るとめちゃくちゃムカつきます。

ぶっ殺すぞ



さて、そんな漫画実写化作品界に彗星が如く現れた名作。
ドラマ版岸辺露伴は動かない。
もうご覧になられましたか??

原作は、かの有名な名作少年漫画、ジョジョの奇妙な冒険の人気キャラクター、岸辺露伴を主人公としたスピンオフ作品。
掲載誌を変えながら、何年かおきに発表されてきたオムニバス形式の短編漫画です。

このドラマは、もともとは昨年の2020年の年末、全3話の短編ドラマとして制作されたのが始まりでした。
脚本を手掛けるのはアニメ版と同じ小林靖子さん。
漫画の奇抜なキャラクターを違和感なく現実に落とし込んだ衣装や演技、そして原作を再解釈し『ジョジョ』を知らない人でも短編怪奇ドラマとして楽しめる新しい作品としてまとめ上げた手腕などがとても話題になりました。
更に、何十年も続くジョジョという作品が徹底して描くテーマである『血統』『受け継がれる意志』をドラマ版オリジナル要素として最終話のテーマに持って来たのは、舌を巻くほど。


そんな話題作が、今年の年末に帰ってきた!!
今回も全3話の短編ドラマとしてNHKで放送。
なんと今作では、全く関連のない短編作品とジョジョ本編のワンエピソードを一つの緩い縦軸で繋がった話に再構成するという、あまりにも剛腕かつ緻密な再構成!

実写作品では映像として要求されるリアリティーラインが上がってしまうため、漫画ならではの表現は実写向けにリファイン。
それでいて、賃貸マンションの部屋の中をボルダリングの足場で埋め尽くす背中を見られると死ぬので背中を床につけながら移動する血がドバドバ出てる死体を隠しながら来客に応対。
といった原作のパワーのある画は全くその勢いを殺す事なく映像化、
それどころか高橋一生演じる露伴の背中に市川猿之助演じる妖怪が取り憑くシーンなどは、市川猿之助の怪演も相まり原作以上の『異常な光景』となっており、僕は年末の夜中に爆笑しました。


さて、この実写版岸辺露伴はなぜこんなに面白いのか?
原作愛があるから?
もちろん。
俳優のレベルが高いから?
それももちろん。


しかし1番の理由は、『別の作品として完成されている』からではないかと僕は思います。

よく実写化は原作と全然違うからダメだという人がいますが、原作に忠実に映画化した結果歴史に残るクソ映画になった実写版デビルマンという例もあります。

ドラマ版露伴では、原作の分かりにくい要素や実写向けではない要素はバンバン改変します。
それでいて、原作の重要なここだけはハズせないという部分はキッチリ再現してくる。
このバランスがとても良い。
そしてその結果、『動かない』の実写化でありながら、原作を知らない人がいきなり観てもオムニバス短編ドラマとして楽しめる、一つの新しい作品として完成されています。
NHKさんもこんな面白いドラマ作ってくれるなら、去年アパート退去してNHK解約したかったのにコロナでセンターの電話全く繋がらなくて、半年くらい無駄に受信料払ってた元は取れたかなって感じがします。

かつてラヴクラフトの『インスマスの影』が佐野史郎主演でドラマ化した事がありましたが、物語のプロットなどはそのまま舞台を日本の漁村に設定した事で身近な舞台で起こる怪異という生々しさが生まれた、これも原作を換骨奪胎した傑作でした。
むしろ原作と違う事が出来るのは、ある意味実写化の大きな強みなのかもしれません。

確かにアニメの実写化には変な作品も多いけど、面白い作品も沢山あるんだぜ!
食わず嫌いしないで観よう!アニメ実写化!
とりあえず実写版岸辺露伴の脚本を手がけた小林靖子さんの作品である映画刀剣乱舞を……

この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

21,075件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?