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展示会デザイナーの素養とは?

先週金曜日は新しいプロジェクトのため、愛知県瀬戸市へ。
組合の方々に、瀬戸焼について教えていただきました。博物館を案内され、瀬戸焼のこれまでの歴史を解説をしていただきながら回りました。

これまで、焼物に関しては、有田や九谷の方々とのお付き合いの中である程度は知っていたのですが、ここでのお話しも全てが新鮮。
以前名古屋に住んでいたのですが、それはまだ学生の頃。
なんとなく「焼物の産地」程度にしか知らなかったのですが、改めてお聞きすると興味深い知識ばかり。
焼物の産地としての瀬戸は「品野」「赤津」「水野」「瀬戸」の4地域に分かれるのだとか。瀬戸に「磁器」が入ってきたのは有田に磁器が生まれてから200年後、九州から「民吉さん」が学んで帰られたことから始まる、とか。瀬戸の招き猫は3頭身。常滑の招き猫は2頭身、などなど。
・・・勉強になります。
帰りには、「やきものハンドブック」等の資料までいただきました。これを機会に日本の焼物に関して1から勉強いたします。

展示会という仕事は、「勉強好き」ということが一つの重要な素養だと感じています。次から次へと新しい出展社さんの商品・サービスを知ることになるのですが、出展社さんの商品を知ることが出展成功のためにはとにかく大切です。単に仕事としてブースの依頼が来たからなんとなくブースをデザインして卒なく終える、では当然信頼も結果も出ませんし、デザイナーとしてただ単にカッコよい、デザイン性の高い作品ばかりを作っていても、これもまた信頼は得られません。
相手の商品やサービスを極力理解するように努め、自身が出展社と同じ立ち位置に立つまでに自分の意識を持っていって初めて「成功する展示ブース」がデザインできるのだと感じています。
そのためにも、様々な商品・サービスを自発的に知ろうとする「好奇心」と「勉強力」は、展示会ブースのデザイナーには重要な素養なのだと思うのです。特に、展示会ブースデザインという仕事は単に「伝統工芸」だけでなく、業種が様々です。時に、機械の部品だったり、ITのサービスであったり、人事関係のソフトだったりするわけです。単に伝統工芸が好き、と言うだけでもいけない。お客さんの商品・サービスがどんなものであっても、楽しんで学ぼうとする姿勢と意識。そして、それらを進んで行おうとする「前向きさ」。これが、我々展示会ブースに携わるものに欠かせないものなのだと日々思うのです。
日頃多くの方に、「竹村さん、展示会ブースの集客ノウハウ、そんなに言ってしまっていいんですか?」と言われるのですが、全てを話してしまっても何も不安を感じないのは、これまでのデザイン業務で得たブース構築のノウハウと経験だけでなく、このような根源的な「姿勢」に関する自信、そして自身のデザイン能力、経営者としての経験値、それらが合わさるからこそ、日頃の出展社の皆さんへのアドバイスが言えるのであり、その中でブースの設計手法を全開示したところで、何も揺らがない、というのが根底にあるからなのだと思います。

さて。今回は焼物、という日本の伝統産業。
これまで様々な方に教えていただいたことを思い返しながら、この機会に日本の各産地について、焼物の基本について、プロの方には敵わないまでも、勉強してみようと思います。
そんなわけで「やきものハンドブック」。
読んで知識を増やします。

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