踊る阿呆に見る阿呆?

NHK総合の100カメという番組で、カプコンのゲーム制作(スト6とバイオRE4)について特集されていたので見ました。

内容としては前半スト6、後半バイオRE4でした。
スト6では追加キャラAKIのメイキングに迫る内容で、必殺技エフェクトの試行錯誤と、既存のキャラとのバランス調整が主でした。
必殺技エフェクトについては、続投でない新キャラということで、完成形が見えない中での制作という苦労の様子を知ることができました。
後のバイオにも言えるのですが、デジタルな現場のゲームでも、フワッとした指示のようなものは常にあるようで、リーダーの二転三転する注文に下が振り回されているようでした。毒っぽいエフェクトて…どんなよ?と思った僕には無理そうなお仕事だなあと。
バランス調整については、新キャラということもあり既存のキャラとの不公平が生じないようにああでもない、こうでもないとトライアンドエラーを繰り返されているようでした。スト6に限らず対戦メインのゲームでの新キャラというのがまあ厄介で、有料で買い足すような場合は殊更に弱いと課金要素なのになんてザマだとクレームの嵐(人はそれを炎上と言う)、逆に強ければpay to win(金出した者勝ち)と批判され、どうすりゃ良いんだよ…というのはいちプレイヤーの僕でも思うわけです。
てなわけで明らかにプレイフィールに関わる内容の課金要素はやめようってのが世界的な潮流みたいっすね。あくまで売ってるのは外見を変更するスキンというアイテムなもんで、買っても強くなるわけじゃないですよ〜ってこと。とは言え日本人というものはアイテムを全て揃えないと気が済まないようなコレクター精神の強い人が多いので、何もかもがこういうカタチだとそれもそれで荒れるような気はします。。。
どうすりゃ良いんだよ…(本日2回目)

スト6はこの辺にしといて、お待ちかねバイオの話に移ります。
バイオRE4もいよいよ完成形、いよいよマスターアップ(後は流通に乗せるだけの出来上がった状態)というところでバグが連発しその修正に追われる様子でした。
真理やわ。
仕事にしろ創作活動にしろ、完成が近づくにつれてブラッシュアップや微調整というものに手がかかるようになり、嫌になってくるやつなんですよね。100を行くものは90を半ばとす、とは正にこのこと。
90点取るのは楽なんだけど100点ってのが難しいんだよね。
この辺の感覚が理解できない人とは仲良くなれないと思う。なんにせよ当たり障りない方向に持ってくだけの最後の工程がつまんない。
それで、バイオの制作でもやはり曖昧な指示というのはあるようで、今回はエライ人の言う通り暗くしたら今度は暗過ぎると修正に追われている所でした。たぶん、エライ人の中でイメージが出来ていても下で作る人の中ではそこが上手く掴めていない、ということなのかなと勝手に理解しました。
突き詰めていくと客観的な視点はどんどん削がれてしまうので、そこは何の仕事でも気を付けないといけない所だと思います。あまり付き合いのない人に自分の仕事を大まかにでも説明出来るようにないと恥ずかしいと思います。
ゲーム制作ってデジタルな仕事だけどやってることは職人技だもんな。これから先、汎用ツールでかじった程度の人でもそれっぽいゲームを作れる人は増えてくるんだろうけど、結局は丁寧な作業をこなせないと人の心を動かすことは出来ないだろうと思っています。まだまだ手のかかったゲームとそうでないゲームの違いってのは大きいわけで。
※個人的にはキャラクターのモーションにおける体重移動の部分がかなりわかりやすいと思っています。昔ならいざ知らず、目が肥えてくるとクルッと反転するようなキャラはゲンナリします。
曖昧な指示をやめて手取り足取りってなると俺がやった方が早いじゃねーか!ということになりかねない。でも、最近Quoraで比較優位というものを知りまして。
(前に見た記事を辿るのが難しいことで定評のあるQuora↓)

Aさんが全てにおいてBさんの能力を上回っていたとしても、Bさんが雑用をこなすことでAさんはより高度な仕事に専念できる。ということなんだそうだ。
なんとなくはわかるかな。人間助け合いよね。バカとハサミは使いようってか?
もちろん、Aさんの方が出世したり気に入られたりでBさんと格差が生まれて不公平になることはあるかもしれないすけど、別に出来ない人は出来ないなりに、出来る人は出来るなりに苦労するのが自然なことなのである程度はしょうがないと思いますよ。
人生のツケってのは最も苦しい時に回ってくるんだそう。
(漫画:ダイの大冒険、フレイザードの台詞)
何人もどこかで苦労するタイミングというのがあるのかもな。
尤も、それがもう終わっているのか、これから先なのかってのは誰にも分からないんだけどな。

えーと
いつものように脱線に脱線を重ねてお空飛んでるか低空飛行してますけど、結局ゲーム制作というものは大手ともなると大変な苦労をされているようなので、フツーに考えたらその汗と涙の結晶が数千〜数万円くらいで遊べるというのは相当に恵まれているなことのような気がしました。
カプコンにはこれからも頑張ってほしいです。
子供の頃から好きなゲームメーカーなので。
カプコンが好きっていうか国内メーカーでまともにやれてるのがカプコンと任天堂くらいしか残ってないというのが正しいのかもは知れない。。。
コーエー(今はコーエーテクモかな)は、脱無双をしようと頑張ってる気がします。
興味の対象が廃れてきたから渋々好きでもない方に転向したり、合わなくなってやめる人のことを思えば、ずっと好きなシリーズが変わらずあるというのはものすごく幸せなことのように思います。
子供の頃に遊んでいた公園が今もあるような感覚でしょうかね。再開発とかで無くなると寂しいんだろうなと思います。多少なりとも時代に合わせて順応すべき所はあるのでしょうけど、本質的な所はそれほど変わっていないと思います。

最近思うのが、人間もっとも大事なことは事業にしろ生命にしろ後継者にしろ、育てるということなんだろうということです。産むだけで親になれるわけじゃないってよく言うじゃない。
良い意味で自分が抜けてもなんとかなる、位にしたいものですね。俺がいないとこの会社は回らないってのは、自営業やクリエイターや演者とか替の効かない職種でもない限りはだいたい気のせいです。頭おかしなってます。

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