Blu-rayはなぜ普及しなかったか(再)

※この記事は2021年6月7日に投稿したmixi日記のコピペです。手抜きです。使い回しです。

DVDはVHSを置き換えるまでに普及したが、同じことがBlu-rayとDVDの間には起こっていないし、これからも起きる様子がない。
Blu-rayプレイヤーとしての機能を搭載したPS3の発売から15年以上経ったと言うのに。
逆にスマートフォンや光回線・Wi-Fiの普及に伴うネットフリックスを始めとした動画配信サービス(いわゆるサブスク)の台頭により、物理メディアの必要性は低下しただけでなく、様々なサブスク陣営が独占配信という方式を採り、物理メディアで発売されない作品も増えているくらいだ。

今回はBlu-rayがイマイチ普及しなかった要因について思いつく限り挙げていきたい。

1.DVDより割高
ソフトにしろプレイヤーにしろ、DVDに比べてBlu-ray環境は金がかかる。その上Blu-rayプレイヤーは基本的にDVD再生機能も有するので、いつまでもDVDプレイヤーより安くならない状況が続いている。
更に4kに対応したUltraHD Blu-rayともなると対応するテレビとプレイヤーを用意しなければならない。この状況ではリリースされる映像作品も少なくなり、ソフトの単価も高くなる一方だろう。 実際、従来のBlu-rayに比べUltraHD Blu-rayのソフトはかなり割高で、マニア向けと言うしかない。
ていうかBlu-ray+UltraHD Blu-rayセットってなんだよ?DVDとUltraHD Blu-rayの組み合わせならわかる。何?布教用?友達いねえよ。


2.DVDと比較した際のデメリット
DVDと比較すると、Blu-rayは画質や音質の向上や扱える容量が大きくなったことに加え、ポップアップメニューによる操作性の改善といった面では定評がある一方で、本編が始まるまでの読み込み時間が長い・再生を中断した後に再開した時のレジューム機能がソフト側で対応していないと使えない・DVD以上に傷や指紋等の汚れに弱い等のデメリットがあった。


3.日本正規品のボッタクリ価格
DVDに比べリージョン=再生規格が統一された国の数が多かったこともあり、海外市場向けと同一の仕様で国内盤が販売されていることもよくあるのだが、問題はその価格だ。市場規模が小さいことを考慮しても、倍かそれ以上の値段で売られている国内盤の流通価格の高さは目に余るものがあるだろう。
極端な例では、クール制のアニメ作品におけるディスク1枚あたりの収録話数が海外版の方が多いのに、値段は国内版の方が高いということもある。
結果、動画投稿サイトでの違法視聴も盛んになったものの、サブスクの隆盛によりある程度沈静化したが、それらのユーザーが相変わらず高い値段の正規品ソフトを買うことはこれから先も無いだろう。


4.再生環境のハードルの高さ
1.に挙げた項目と重なるが、前世代規格のDVDに比べると再生環境が限られてしまい、特にPCやカーナビで再生する為のハードルが高くなっている。
カーナビは対応する機種が極端に少なく、最近では光学メディア再生機能を省略したカーナビも出てきたくらいなのでこれから巻き返すとも考えにくい。
個人的にはカーナビの外部入力にスマホを繋いでサブスクを見ており、長距離ドライブでも子供が大人しくしてくれている。
PCについても専用の光学ドライブを用意するだけでなく、著作権のある映像を再生するには有償の再生ソフトの購入が必要だ。DVDの違法コピー(リッピング)が簡単にできてしまったので、その対策をした結果だろうが、再生ソフトを用意しても定期的に更新されるセキュリティキーの更新が必要となる為、テレビ放送を録画したディスクや、新しく発売された映像作品のディスクの場合はいつになるかわからないアップデートを待つ状況が続いている。
結局のところPCでバックアップするにしてもDVDとは桁違いに容量が大きいのだから大量のバックアップを取るのもあまり現実的ではないし、そこまで厳しくしなくても良かったのではないかと考えるのだが、今更緩和しようとはならないだろう。
ハードディスクが恐竜的進化を遂げて大容量低価格化が進むことを見越していたのかも知れないが、結局のところクラウドストレージのサービスが一般化したので、TB以上の大容量HDDはコアユーザーや法人などのプロユーザー以外には無用の長物となってしまったし、持て余すような容量よりはと、読み込み速度の早いSSDが選ばれるようになった。 ソフトウェアもダウンロード販売やサブスクが主流となった。現在では光学ドライブ付きのPCの方が少ないくらいだ。
利益を優先した結果ユーザーの利便性は低下し、PCにおけるBlu-ray再生環境は普及しなかった。

となるとBlu-ray再生環境として最も一般的なのはプレイヤーを接続したテレビになるのだが、Blu-rayの高解像度を描画できるフルHDテレビが、32インチ以下のモデルではあまり一般的で無いという問題もある。 なんだよデジタルハイビジョンって…
今日びスマホの方が解像度高かったりするぞ。エー。


5.規格乱立による煩わしさ
通常のBlu-rayプレイヤーで読み込めるディスク容量の上限は50GBだが、上位規格のBDXLでは更に100GB、128GBまで扱える為、ドラマ1クールを1枚に収める事もできるが、レコーダー以外の再生機では十分に普及しているとは言い難い。
更に3Dコンテンツを収録した専用のBlu-rayディスクもあるが、専用テレビにメガネが必要という煩わしさや映像が暗く見える等のデメリットがあり普及せず、オワコンとなった。
また、4k解像度に対応したUltraHD Blu-rayという規格も登場したが、これも専用のモニター・ケーブル・プレイヤーを用意する必要があり、低価格帯のテレビでは再生できないので相変わらずマニア向けと言える。

結局映像面で要件を満たしても、音響を整える敷居が高いし、割高な4kディスクを買い続けるのも大変だし、それをやってのけたとしてもコンテンツ不足という問題がある。

テレビ放送に目を移しても4k録画に対応したレコーダーで録画した4kの番組をBlu-rayにダビングしても、同一メーカーのレコーダーでしか再生できないという問題点がある為、これも普及するように思えないし、4k制作の番組も未だに少ない。
4k放送で通販をする意味…


6. Blu-rayレコーダー購入者の減少
若者のテレビ離れと言われて久しい昨今、わざわざBlu-ray対応のレコーダーを所有している家庭はそれほど多くないと思われる。
(2021年6月現在時に)ググった普及率を見ても47%前後であり、光回線の普及率が7割であることを考慮するとやはりBlu-rayがネット動画に比べると分が悪いことが伺える。
今買っている人も新しくBlu-ray環境を導入する人よりは4kへ移行する人や故障による買い替え・買い足しの人が殆どだろうし、これからどこの家庭にも普及すると言うことは考えにくい。
また、昨今のテレビは外付けハードディスクでの録画に対応する機種が殆どである中、わざわざ金のかかるレコーダーを用意する必要性も薄れてしまった。 また、見逃し配信も行われるようになったので録画をしなくても困らなくなっている面がある。結局見ない物は見ないんだよなあれ。

7.レンタルが一般化しなかった
レンタルビデオ店で貸し出しているBlu-rayの点数が少なく、未だにDVDの方が多いという状況が続いており、近年の映画を除いたジャンル(ドラマ、アニメ、アダルト)ではほぼ皆無。
これも不正利用防止の観点からだろうか、或いはディスクの単価が高くなったことで利益が出にくいのか、その辺の事情については定かでは無いものの、未だにBlu-rayをレンタルしようとすると
「こちらBlu-rayディスクですが宜しいでしょうか?」
と言われてしまう辺り、やはりそれほど普及していないと見るべきだろう。
アダルトビデオは予算をかけられない環境下で作られていることもあり、単価の高いDVDからBlu-rayの移行が難しい面もあったのではないか?DVDで薄利多売だったので金のかかるBlu-rayに移行出来なかったのではないか?消費サイクルの早いジャンルであり、永久保存に向かないのでは?そもそも高解像度にしてもモザイクがかかる、等々デメリットだらけではあるのだが。何はともあれ高画質のアダルトビデオはネット配信で見る他はないような感じだ。

〜あとがき〜
大衆は映像や音楽などのコンテンツを所有する機会を失いつつある。クラウドが更に一般化されれば、私的コピーと言えど著作権を有するコンテンツを保持することは出来なくなってくるのではないか。ある日突然にCD等のバックアップデータが取り上げられる時代が来る、というのは考え過ぎだろうか。
インターネットで供給されるコンテンツは、いつ配信終了になるとも限らない。その作品がメディアで販売されていなかったとしたら、我々はどのようにしてそれらの作品に触れることが出来るのだろうか。あとAmazonが(この作品は現在利用できません)ページを残す意味もよくわかりません。
もちろん、メディアも結局は言え形ある物なので、永遠に見られるというわけではないのだが。
よく、インターネットには証拠が半永久的に残るとも言われるが、私はそうは思わない。オリジナルが削除され、その情報がどこにも転載されていなければ、見つけることは難しくなる。勿論、全てのデータを永久に残す意味も無いのだけど。インターネットが普及し、年数を経ることにより、過去の出来事を辿るのは難しくなっている。憶測でありもしないことが上書きされ、本来の姿を失う。まあ、人間なんて伝言ゲームが成立する程いい加減な生き物なわけで。

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