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運転禅

マインドフルネスの手法に歩行禅がある。
正式なやり方を学んだ訳ではないが、体の感覚、足の裏が地面について離れての感覚を意識しながら、ありがとうとかの感謝を思いながらやるものらしい。

確かに、散歩するとストレス解消にもなる。

歩きながら会話していると、何か、思いがけない言葉が出てきたりもする。
普段歩く事が少なくなっているが。

私の癖で、携帯電話で話すときは、自然とウロウロと歩き回りながら話してしまう。事務所だと、話しながら外に行き、駐車場をグルグル歩き回って話している。あれ、なにやってんだろう、という感じだ。歩きながら、考えを整理しているように思う。
考え事をしている場合、ずっと、部屋の中を歩き回っていたりもする。あれ、今日、足がだるいなとおもうくらい、相当な歩数を歩き回ったりもしている。

車から降りて歩く僅かな時間は、足の裏を意識する様になっている。

さて、「歩行禅」があるなら、車の「運転禅」というのもありうるのでは、と、思った。ググってみると、少しだけヒットした。耐久レースや長距離運転のときに、運転禅のような状態になると、運転が終わった時点で、最も体と心の状態が良くなるらしい。疲れないらしい。むしろ元気になるという。

日常の街乗りで、禅的な運転はありうるか。

運転に不慣れな時期は、運転中は必死であった。
慣れてくると、スムーズになるのだが、雑な運転になっている。

大学時代、中古車を入手した友人とドライブに行った。マニュアル車だが、途中でブレーキが壊れた時があった。エンジンブレーキだけでなんとか無事に帰り着こうとした。スピードの感覚が掴めるとクラッチを踏まなくてもギアチェンジは出来る。信号が来るたびに、エンジンブレーキでギアを落として生き、最後はサイドブレーキでピタリと止まる。その時ほど運転が充実していた体験はない。

マツダ車にはドライブの判定システムが搭載されている。インテリジェントドライブマスター。エコ運転ではなく、運転のキレとかを重視したもの。しなやかな走り、という概念。良いときはブルーランプが点滅する。減点の時は白い警告ランプが付く。走り終わると採点され、5点満点中、4点代だと、まずまずである。ステージ1からステージ3まであり、裏メニューでその上があると言う風説もある。運転が上手いね、というか、車と一体に気持ちよく走ったね、という評価軸。
マツダ車は、デミオ、アテンザ、CXー3と乗り継いで来た。未だにステージ2どまりではある。

このシステムは、運転禅、とも言えるような気がしてきた。

考え事している時は、どの道をどう通ってきたか思い出せない時もある。何を考えていたのか。ちゃんとついているのだから、発進、停止、信号、車線変更、右折、左折。いろんな事を自然とやっているのだが、それと同時に何か考えている。雑念が湧きまくっている。雑念を取り払い、運転という行為に全集中する。
それがコツだろうか。
しかし、雑念を沸かせたり、考えをグルグル巡らして、何か答えが湧いてくる事もある。音楽を聴いて、ふとした歌詞にやたらと感動して感極まる事もある。
ちょっとしたプチロードムービーのように感じる時もある。

マインドフルネスの専門家に運転禅を体系化してほしいなと思う。


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