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モチベーション偏差値46.7だったグッドパッチが71.2を獲得するまで

みなさまはじめまして!株式会社グッドパッチで経営企画室を担当している柳沢と申します。

グッドパッチはしばらく前からリンクアンドモチベーション様のモチベーションクラウドで組織状態の定量化を実施し、組織コンディションのチェックを行っています。

2019年8月に実施したモチベーションサーベイで、グッドパッチはエンゲージメントスコア71.2、全社目標としていたランクAAAを獲得し、達成の喜びに沸きました。

しかしわずか2年前、2017年10月のスコアは46.7、ランクはCCC。スコアは偏差値の形式で算出されますので、50を下回るということは「世の中の平均を下回っている」ことを意味しています。事実、当時の組織の状況はお世辞にもよいと言える状況にありませんでした。

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組織崩壊から現在までの軌跡は代表の土屋がnoteに前編後編に分けてまとめていますが、今回は「崩壊した組織に飛び込んだマネジャーの視点」から組織が具体的に何に取り組んできたのかをご紹介したいと思います。

偏差値46.7の組織にジョイン

少しだけ自己紹介をしますと、私は新卒で大手マーケティングリサーチ企業に入社しました。入社時200人強だった会社は2,000人近くの規模に成長していき、とにかく変化が多く、刺激的で充実した毎日を過ごしていました。

入社して丸10年が経ち、もうちょっと小さくて手作り感を感じられる会社でやってみたいと思い、2017年7月にグッドパッチに転職しました。

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このとき、グッドパッチはスコア46.7を叩き出す3ヶ月前。代表との面接は「今組織がとてもヤバイ状況です」という話に始まり、入社前にも関わらず具体的に何がどうヤバイのかを洗いざらい聞かせてもらったわけですが、当時の私は「ぐっちゃりしているほうがおもしろいじゃん」と気楽に構えており、一緒にやりたいと思ってもらえるならぜひ、ということで入社を決めました。

実際に入ってみてどう思ったかというと、なかなかにヤバかったです。

大きな会社に比べていろいろ整っていないのは当然のことですが、まず気になったのは「みんなが会社のことより自分のことを考えている」ということ。土屋とマネジメント層の信頼関係も希薄で、会社のトップである土屋に安心して心の内を語れる相手がほとんどいなかったという印象があります。

そんな中、組織に突き付けられた過去最低のスコア。グッドパッチの組織変革は目を背けたくなるような現実に向き合うところから始まります。

フェーズ1: 46.7→54.8(2017.10~2018.2)

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当初は組織も整っておらず、CTOが人事や広報まで管轄するなど明らかにマネジャーが不足していました。経営企画室をつくって新規事業、広報、人事の機能をそこに集めていき、ようやくそれぞれの機能に責任者がアサインされます。

この時期マネジメントチームには役員候補が来てくれましたが、すぐに退職してしまいます。私自身は入社3ヶ月目くらいでいろいろ模索中でしたが10年務めた前職で1度も起きなかったような問題が頻発しており、マイナスをゼロにもっていくことに時間を使っている感覚が強かったように記憶しています。前に進んでいる感に乏しいのでスキルが高い人が会社を見限ってしまう気持ちもわからなくもないのですが、まだ未熟な組織に課題が多いのは当たり前のこと。嘆いても状況は変わらないので、会社を去ることを決めた人をどうこう言うよりも残って戦おうとしている人を大事にした方がいいと思います。

■ミドルマネジメントチームの離職と立て直し

属性ごとに数値を見ていくとマネジャーのスコアが最も低いことがわかりました。その値、何と27.0!組織が崩壊しマネジャー陣が自信も気力も失っている様子がスコアにも現れていました。

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この時期マネジャーの退職が相次ぎ、組織は大きなダメージを受けます。つられて会社を去るメンバーもいて、離職率を下げたい経営企画担当としては憂慮すべき状況ですが、危機をきっかけに経営が目線合わせからやり直し、組織の中核であるミドルマネジメントチームをもう一度作り上げる機会が得られるという点で私はチャンスだと感じていました。

今さら私が語るまでもなく、プレイヤーとして優秀であることとマネジャーとして優秀であることは全く別の話。従業員が50人を超え、必要に迫られて中間管理職を設置したときにうまくマネジメント体制を作れず、結局当初のマネジャーがほぼ総入れ替えになるまで約3年間、グッドパッチは組織問題に苦しむことになります。

この間「100人未満の会社がそんなに払ったんですか!?」というレベルの費用を投じて研修を実施したこともあったようですが、結果として誰も会社に残りませんでした。マネジメントの力は後天的に身に付けられると言われており、私もそう思いますが、単に研修を実施するだけではうまくいきません。何よりもまず、向き合う覚悟がある人を選ぶ必要があると思います。

「マネジャーのスコア27」という結果を突き付けられることで経営陣に危機感が植え付けられたことは大きなプラスでした。マネジャーのスコア分析の結果、課題として浮き彫りになったのは「経営に対する信頼」。マネジャー自身が経営の言葉に納得していないために、経営とメンバーの橋渡しなど期待できる状況になかったということです。

ここではまず、経営陣が自らの努力不足を反省しました。手始めに自分たちの担当する部門の存在意義や中期ビジョンを明文化し、チームに示すようになりました。「全社イベントには必ず参加」という合意もなされました。些細なことかもしれませんが、全社イベントに経営陣が参加していないという状況も当時はよくあったのです。

どれも小さなことで、それだけで何かが変わるものではありません。でも変わろうする姿勢から何かを感じるメンバーも出てきてくれて、それ以来マネジャーと経営の会話も増えていったように思います。

一方で、マネジャーの任命基準については目線を上げました。外部からの採用にしろ内部昇格にしろ「軽々しく渡せるポジションではない」という意識が芽生え、時間をかけて見極めを行っています。その分、マネジャーの育成に対しては積極的に投資をしていくようになりました。

マネジャーに求められる資質はいくつかあると思いますが、グッドパッチにとって最も大切なのは「逃げないこと」だと思います。

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つらい時期を経験しても残ったマネジャーたちが「会社からチームを預かることを決意した以上、何が起きても全て自分の責任。必ず何とかする。」という意思を持ってくれたこと、そして新しく就任したマネジャーたちも同じ意思を持っていたことが現在の組織の安定に大きく寄与しています。

結局、ミドルマネジメント組織が安定するまでに1年くらいかかりました。

■フォーカス領域の決定

スコアが低いとたくさんの項目がマークされ「あれも問題、これも問題」となるわけですが、その全てに着手し網羅的に対応しようとすることにはあまり意味がないような気がしていました。

なので、まず「個々の問題について担当者を設定し、3ヶ月に1回進捗を確認する」という儀式的なアプローチをやめました。芯を食っている感覚がないまま取り組んでも進まないからです。

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複数ある問題を担当者に割り振って個別対応するよりも、結果が出せそうな領域をひとつ定め、全社で一丸となって問題に取り組んで成果を出すほうがよい。小さくてもいいからみんなで協力して実現する「有言実行の成功体験」が流れを変えるために必要だと思われました。

この時、私たちが「これだけは今期やろう」と定めたのが「ナレッジ共有のしくみづくり」です。

■ナレッジ共有のしくみづくり(2017.10-)

ナレッジ共有についてはモチベーションサーベイにも弱みとして現れていました。

当時社内にはesaという情報共有ツールが導入されていましたが、ナレッジについての会社のポリシーは不明瞭だったかもしれません。

しかし、「一度やった失敗が別の案件でも繰り返される」「成功体験が共有されず『車輪の再発明』が発生する」という問題が常態的に発生しており、土屋もずっと何とかしたいと思っていたのです。

まず実施したのはメンバーへのヒアリング。ナレッジを積極的に生み出してくれる人、活用する人、興味ない人、いろいろな属性のメンバーに話を聞きました。

・どこに何があるのかわからない、検索性が悪い
・活用する機会がない
・そもそもナレッジツールにアクセスする習慣がない

…などの課題が見えてきましたが「これさえやればうまくいく」ものが得られず、やるべきこともぼんやりしていました。一方で、クライアントワークを通じて様々なお客様と仕事をする中で得られる知見に価値がないワケがないという自信もありました。

「キレイに残してないから使いづらいんだ」という仮説を立て、まずは共通のフォーマットで情報を蓄積していくことにしました。プロジェクトメンバーは泥臭く社内を駆け回り、現場のメンバーが時間を取れない時は口頭で話を聞かせてもらって執筆を代行することもやりました。ちょっと煙たがられつつも新たなプロジェクトが走るたびに「ナレッジを書いてください!」とお願いして回ることもしてくれました。

地道な努力の積み重ねによって、社内で実施したほぼ全ての案件について共通のフォーマットで情報が整理されるという状況が実現します。「今週のオススメナレッジ」などのキュレーション企画も走らせることでナレッジがメンバーの目に触れる機会も増え、レスポンスがつくことで書いた人もモチベーションを高めるという正のスパイラルも生まれました。

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(社内ナレッジはこんな雰囲気でまとめられています)

何より「ナレッジを会社の強みにしたい」「現場に貢献したい」という思いで地道な活動を続けるメンバーの姿に心打たれ、共感してくれたメンバーが多かったのではないかと思います。いつしかタメになるナレッジを残したメンバーを称賛するカルチャーが育ち、ナレッジ共有はグッドパッチの強みに昇華していきました。

フェーズ2: 54.8→57.7(2018.2~2018.8)

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スコアが46.7から54.8となり、けっこう改善したようにも見えますが、実はこれはグッドパッチヨーロッパのメンバーが母数に加わって全体が押し上げられただけ。東京オフィスのスコアは49.9と依然低いままでした。

この時期は離職ラッシュが続いて「人事辞令=退職共有」のような状況で、みんな「次は誰が…」と辞令を恐れているような感覚でした。離職によって売上計画の達成に必要な人員を確保できず、目標も未達が続きます。共に戦ったメンバーが去っていく不安は大きく「経営陣はこの状況をどう思っているのか!?」と苛立ちをぶつけられることもよくありました。

離職防止のためにいろいろな施策にトライしたものの、どれも大きな効果なし。どうすれば状況が改善できるのかの糸口がなかなか掴めず、組織には閉塞感が漂っていました。

■全社総会リニューアル(2018.3)

グッドパッチは1年に2回、全社総会を実施しています。それまでは社内のホールに全員で集まってワークショップをすることが多かったのですが、せっかくの機会なので単なる業務にするよりは、ちょっとした特別感の中で会社の今と未来に思いを巡らせる時間にしたいと思っていました。

相談の結果、オシャレな雰囲気の会場でセレモニー感を打ち出したイベントを実施することにしました。業務感が出ないように課題や準備は不要とし、運営担当以外は手ぶらで参加できるようにしました。

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ここでこだわったのはMVPの表彰です。私はMVPは会社において権威ある賞であるべきだと考えています。会社が認めるスタープレイヤーの証であると同時に、半年間努力すれば誰もが手にする可能性がある「身近な憧れ」であることがモチベーションを刺激してくれると思っています。

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実際に総会のMVPではスタープレイヤーにふさわしい舞台と演出が用意され、全社がその活躍を称え「次は自分が!」という空気が生まれました。

うれしいことに前述したナレッジプロジェクトの担当メンバーは全社への貢献を認められ、総会でMVPを獲得します。みんなのために力を尽くした仲間を称え、互いに労い合う空気が生まれたという観点では、この総会は会社の転機になったのかもしれないと思っています。

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ちなみに、総会に関しては克明かつリアルに様子をまとめたブログ記事もありますので合わせてご覧ください!

■Value再構築(2018.2-2018.8)

このできごとを抜きにして今のグッドパッチは語れません。組織変革に対してそれほど大きなインパクトのあった一手でした。Value再構築プロセスの詳細についてはそれだけで大ボリュームになるので次の機会に譲ろうと思いますが、意識したことは以下の3点です。

1. メンバーにWhyを語る

VisionとMissionは既に会社に浸透し、会社に強い不満を持つメンバーでさえそれを悪く言うことはありませんでした。なので「VisionとMissionを実現するために個人はどうあるべきかをみんなで定める」ことをValue再構築のゴールに置きました。

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組織の状態が悪いとマネジメントは不満を持ったメンバーを反逆者のような目で見がちですが、VisionとMissionに共感できている以上、方法論の認識に差があるだけで目指すゴールは同じ。むしろマネジメントに課題があって彼らの協力を引き出せていないことも案外多いと思います。

事実、多くのメンバーが積極的に参加してくれ、全社で実施したワークショップでは900近い意見が寄せられ、大盛況となりました。

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2. 全員につくり手になってもらう

Vision, Mission, Valueは経営者によって発信される場合も多いのではないかと思いますが、今回はボトムアップにこだわりました。あらゆる施策は立案だけでなく、浸透・維持までやり切って初めて成功と言えます。それぞれが「自分も意見を出し、Valueづくりに参加した」という気持ちを持てるように進めていくことが後の浸透に重要だと思ったのです。

一度完成稿を作り上げた後もチーム会を巡り、何度もメンバーの意見を聞いて、てにをはレベルまで修正を繰り返しました。会社のことを真剣に考え、意見をぶつけてくれたメンバーたちの表情が今でも思い出されます。

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効果を定量的に語るのは難しいのですが、こうしたプロセスがあったからこそ「みんなで一緒につくった」という感覚を持つことができ、Valueを大事にしようという気持ちを高めてくれたような気がしています。

3. 誰よりも経営が覚悟を決める

Valueを定める際には土屋と「これが完成したら合わないと思った人は辞めます。それでもブレずに貫きましょう。」という会話を繰り返していました。実際に行動指針を規定されることを嫌ったり、内容が自分に合わないと感じて会社を去るメンバーもいました。「宗教じみている」と言われたこともあります。

しかし、結果として同じ意思を共有できるメンバーの純度が高まり、組織の一体感はそれまでの様子からは想像もつかないくらい強くなりました。人が辞めることを恐れ、甘やかすことで引き留めようとしていたそれまでの空気が一変しました。「宗教で上等。信念を共有できるメンバーだけが残ればそれでいい。」という覚悟を経営陣が持てるようになったこともValue再構築の大きな成果のひとつだったと思います。

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(こちらが完成したValueです)

Value再構築についてはいくつか取材もしていただいており、たくさんの反響をいただきました。こちらの記事もおススメです!

フェーズ3: 57.7→61.8(2018.8~2019.2)

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Valueの再構築をきっかけに、社内の空気は変わり始めます。この頃には優れたマネジャーたちがミドルマネジメント層を支え、組織が階層を超えて信念を共有している感覚が生まれていました。

離職率は引き続き高く、重苦しい雰囲気も残っていましたが、経営やマネジメントに対する不満を理由に会社を去るメンバーは少なくなり、離職の理由には変化が生じていました。

経営は離職者が出るたびに「この離職の原因は何か」「本人の語った不満に対してどんな対応をすべきだったか」の会話を繰り返し、「止められた」と考えられる離職に関しては原因を議論して可能な限り施策に落としました。

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一方、カルチャーに合わないという懸念があったケースではValueに照らし合わせて「もう一度この人が面接を受けに来たら採用するか」「どこにギャップがあるのか」と話をしながら目線をすり合わせていきました。どんなに優秀で魅力的に見えても、Valueを共有できない人材は追うべきではないという認識が改めて共有されました。

スコアはようやく61.8まで上がり、このときの目標の58を少し上回る結果が得られました。当時、経営メンバーは社外のカンファレスに出席しており、受信したスコアを見てカンファレンスそっちのけで喜び合ったことが思い出されます。

■マネジャーが共通言語を持つ(2018.8-)

グッドパッチのマネジャーは就任前後のタイミングで必ず「7つの習慣」研修を受講することになっています。

優れた研修コンテンツはたくさんあるので他のものでもよいと思いますが、大切なのは「マネジャーが互いに共有できる言葉をつくること」です。問題の共有や解決に向けた意識のすり合わせも速くなりますし、メンバーの目線ではどんなマネジャーと話をしても根底に流れる共通の思想を感じられることで全社のマネジメントの一貫性が高まります。

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■PX機能の設立(2018.9-)

PXとはPeople Experienceを意味しています。このチームのミッションはグッドパッチに関わってくれる人全てに素晴らしい体験を提供することです。一般的にはEmployee Experienceという表現も用いられ、意図も近いのですが、従業員に限らず全ての人を対象にしたいという思いを込めてPXとしました。

ざっくり言うと「社内広報」と言われる領域を全般的に担当しており、全社総会などの社内イベントの実施、新入社員のオンボーディング、Valueの浸透施策などを担当しています。

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オンボーディング施策のひとつとして、新しく入社したメンバーに名刺、Tシャツ、社章、メッセージカードや同僚とのランチチケットなどをまとめたWelcomeボックスが贈呈されます。

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(歓迎のメッセージにメンバーもニッコリ!)

全力で手前味噌になりますがPXチームとそれを支える経営企画室のメンバーは素晴らしく、会社を良くしたいという情熱、きめ細かい配慮を盛り込んだ各種施策の企画、そして泥臭い仕事を厭わずにやり切る実行力には感謝の気持ちしかありません。会社の状況が良くない状況でもいつかうまくいくと信じてやって来られたのは彼らの存在があったからです。

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もし、社内にこういった機能をつくることを検討される場合は

・会社と従業員に対する愛が強い
いろいろ言われてもめげずに続けるガッツがある

という2つの要素を持った人材を指名されることをオススメします。

多くの施策は地道なもので、やり始めは周囲の理解も少なく孤独な状態が続きます。それでも結果が出るまでやり切ること、その後も慢心せず変化に備えて改善の努力を続けられることが重要だと思います。

■社内イベントPizzapatch強化(2018.7-)

Pizzapatchは毎月1回、従業員の交流を目的に行われている社内イベントです。当日は17-19時には全社員がオフィスのホールに集まり、食事と飲み物(お酒も出ます)を手に交流します。これは業務として認められます。

一時は参加者が少なく、存続の意義が問われたこともありましたが、前述のPXチームが毎回クオリティの高いイベントに仕上げてくれるようになり、とても盛り上がるようになりました。経営陣やマネジャーがしっかり参加することでメンバーにも参加を促せる状態になったのも大きいです。

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イベントを成功させるためのカギは良質なコンテンツの提供にあります。単に食べ物と飲み物だけ用意して「あとはご自由に。」では効果は薄いでしょう。100人近い参加者が勤務時間を2時間使うことに対する責任感が企画側に必要だと思います。

グッドパッチで盛り上がったコンテンツはたくさんありますが「らしさ」の観点ではクリエイティブの披露だと思います。

社内のデザイナーが、5つのValueを表現したポスター、Tシャツ、ステッカーなどのデザインを行い、Pizzapatchでお披露目をして実際にメンバーにグッズが配布される企画は毎回めちゃくちゃ盛り上がります。

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(こちらは社内でデザインされた5つのValueのTシャツです!)

それ以外には以下のようなコンテンツを実施しました。

・たこ焼き大会
・豪華ゲスト×CEOのトークセッション
・株主に聞く、グッドパッチに出資した理由
・流しそうめん大会
・縁日
・ダイバーシティ推進トークセッション

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Pizzapatchは毎回必ず参加率と満足度を測定し、参加者からのコメントをガッツリ読み込んで次回の改善につなげてています。最近では、入社前や選考中の候補者の方に雰囲気を知るために遊びに来ていただくことも増えており、会社の魅力をお伝えするという機能も持ち始めました。

組織図上、私はPizzapatchを監督する立場にあるのですが、ひとりの参加客として毎回とても楽しみにしています。季節に合わせた色とりどりのフードが並び、写真映えも抜群。運営の「みんなを楽しませたい」という気持ちが伝わってきます。最近では、運営担当だけでなく現場のメンバーもつくり手として参加をしてくれるので、毎回胸が熱くなる思いです。

みなさんもぜひ一度遊びにいらしてください。そして気になる流しそうめんについてはこちらをどうぞ!

■1・3・6インタビュー(2018.9-)

1・3・6インタビューとは、新入社員と入社後1ヶ月目、3ヶ月目、6か月目に実施する1on1インタビューのことです。現時点ではグッドパッチに正社員・契約社員として入社した全メンバーにお願いして私が話を聞かせてもらっています。

元々このインタビューは離職防止を目的に導入しました。退職者に会社を辞める理由を聞くと「それは解決できたじゃん!」と感じることも多かったのですが、既に退職の手続きを進めている中では努力の余地がありません。「だったらもっと早くキャッチして何とかしよう」ということで実施を決めました。

入社直後にインタビューするもうひとつの理由として、お互いの期待値のズレは割と初期に生まれやすいということがあります。会社として提供できること、お願いしたいことのすり合わせは入社後比較的早いタイミングで実施するべきです。

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インタビューの内容は1・3・6それぞれで微妙に変えています。

1ヶ月目はオンボーディングの感想。新しい環境に飛び込んだメンバーがうまく会社に馴染み、素早く仕事モードに入れたか、またそのために会社から十分なサポートができていたかがメインのテーマです。

3ヶ月目は多くの人がグッドパッチで初めて、もしくは2つ目のプロジェクトに参加しているくらいの時期です。ここでは仕事に対するお互いの期待値にズレがないか、グッドパッチの仕事のやり方にうまく馴染めているかどうかが主なテーマとなります。

6か月目を迎えるころにはある程度会社に対する適応が終わり、個々が「素」の状態に近づいています。ここでは会社やチームが改善すべき点、本人のキャリア、仕事と家庭のバランスなどそれぞれの状況や悩みに応じて話題が変化してきます。

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このインタビューは、直属の上長でない人が実施することがポイントだと思います。「気になっているけどわざわざ上司に言うほどのことでもないモヤモヤ」が積み重なって大きなズレに発展する可能性もあり、これを早めに察知して行動できれば取り除くチャンスは十分にあります。「上司との1on1では何を話していますか?」「言いたいことを言えていますか?」など、直属の上長との関係性について直接的な質問ができることでまだ顕在化していないモヤモヤが拾いやすくなります。

もちろん事前の確認ありきですが、小さなモヤモヤを打ち明けてくれたメンバーは多くの場合、私が改善のために行動することに合意してくれます。改まった場を設けることは「普段わざわざ言わないこと」を吐き出すきっかけとして有効です。個人的には100人未満の組織であればこのインタビューは経営クラスが実施してもよいと思っています。

フェーズ4: 61.8→71.2(2019.2~2019.8)

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組織課題に苦しみ続けた私たちにとって、AAAのスコアは悲願とも呼べるものでした。61.8を獲得してからの半年間はまるで違う会社になったかのように組織状況がよくなり、心理的安全性も高まって闊達な議論が行われるようになります。

結果として起きることは、マイナスをゼロに戻すことに取られる時間が減り、未来のために時間を使えるようになるということだと思います。

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社内の誰もが共感し、大切にしている「デザインの力を証明する」というミッションに向かって存分に力を振るえる状況にワクワクしているのが今のグッドパッチです。

まとめ

組織風土の変革は特別な施策がもたらしてくれるものではなく、とにかく地道な活動の積み重ねでしかないと思います。

カルチャーを直接変えたり、つくったりすることはできません。

組織の中で習慣化したものがカルチャーとして表出するだけで、そのためには日々の行動を積み上げていくしかありません。故に私たちはVisionとMissionの実現のために個人があるべき姿としてValueを定め、目指すカルチャーの形成につながるスタンスや行動を定義したのです。

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しかし、最も重要なのは経営が組織に向き合い続けることです。

崩壊状態にある組織では全員がつらい思いをするのですが、経営者はわかりやすく批判の的となります。

今でこそ「よく辞めませんでしたねー!」なんて笑えるようになりましたが、崩壊時の組織で代表の土屋は「何を言っても刺さらず、とりあえず非難の対象になる」という毎日を過ごしていました。そんな状況下でも組織とカルチャーの重要性を訴え続け、必要なピースが揃うまで耐えながらずっと逃げずに向き合ってきたことで今があります。

ここで自分以外に担当者を立てて施策ベースで「あとはヨロシク」ではうまくいきません。全員の顔が見える規模の組織においては経営者の心は簡単に見透かされてしまいます。組織全体が理念を共有するために、先頭に立って叫び続けるべき人物は経営者を置いて他にありません。

…と、いろいろ書いてきましたが、

とにかく奇策や裏技はないので、やると決めたことを続けることが大切です。

「50人の壁」「100人の壁」などと言われますが、私たちの経験したことはどんな組織にも起き得る問題です。裏返せばそれを克服することもまた可能なのです。

高い志を持ちながら足元の状況に苦しんでいる組織と、それでも改善を諦めていない方々にきっかけを提供することになればと思いnoteを書いてみました。

あと、あとですね…こんなにいい組織になったグッドパッチで一緒に働いてくれる仲間を募集しています!まずはお気軽にカジュアル面談から始めてみませんか?デザインの力が組織にどんなにいい影響を与えてくれるかを実感できるとてもやりがいのあるお仕事です!


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