ボランティア活動

シフト勤務の長所を活かして、2年程ボランティア活動をしていたことがあります。

うつ病から回復し、身体が動くようになった私は、今まで溜め込んでいたエネルギーを吐き出すかのように、精力的にいろいろ行動を起こしました。その一つが、うつ病やニート、精神疾患患者の方達が、社会復帰のために通う訓練施設で、ボランティアスタッフとして働くことでした。

ありがたいことに、未だに繋がりのある元同僚(?)がいます。一人は、自身もアスペルガー症候群ですが、広汎性発達障害の息子さんを持つ、同い年の女性です。確かに、落ち着きのない動作や、急な予定変更が苦手など、特徴がある彼女ですが、一緒に働くうちに、そのガッツと、喜怒哀楽のある人間らしさに、とても惹かれるようになりました。

いろいろな精神疾患を抱えたトレーニング生が入校しますが、中には障害もあって人間関係を築くのが苦手で、攻撃的な人もいます。警戒心が強く、一見攻撃的に見えた、ある男性が入所した時、他のスタッフは対応に戸惑いましたが、彼女は違いました。躊躇わず、ぐいぐい近づいていったのです。

母の強さ、愛情の深さが伝わったのか、その彼は徐々に落ち着き、他のトレーニング生との輪にも、入っていけるようになりました。腰が引けていた他のスタッフも、緊張せず彼に接することができるようになり、私が辞める頃には、彼は笑顔が出るなど、見違えるほど快活な性格になっていました。

もう一人の同僚は、以前高次脳機能障害を患った男性で、私が参加した当初は、その施設に通うトレーニング生でした。彼の回復は目覚ましく、元々スキルが高く、仕事ができる人だったので、抜擢され社員になったのでした。

以前会社経営をしていた経験もある彼は、その後リーダーシップを取り、トレーニング生の教育に励みました。皆を大きく巻き込むそのパワーには、圧倒されるものがあり、トレーニング生からいつも愛されるキャラクターでした。

この間久しぶりに会った時、精神障害を抱えるトレーニング生のエピソードを、それは愛おしそうに語るのを見て、ああこの人は、本当にこの仕事が好きなんだな、と、感慨深く思いました。

1年に1~2回、この二人と一緒に飲みにいくことがあるのですが、掛け合いが面白く、飽きることがありません。いつも元気をもらって帰ります。

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