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データの変数と尺度の種類

心理学は文理融合の学問だと思う。
それは、人の心という曖昧なものをデータ化し、そのデータを解析して意味づけするから。


変数

心理学ではデータ解析を行う。
データ解析で扱う変数は以下のように分類される。

質的変数:対象の特徴や性質を表す,つまり内容的な分類を示す変数
量的変数:数量的に計測できる,つまり数値として表される変数
離散値:整数でしか表せない数値(ex.人数,回数)
連続値:少数点以下も測定できる数値(ex.温度,長さ)

変数は、研究目的によって独立変数や従属変数になる。

独立変数(説明変数):何かの変数の値を予測するために用いられる変数(x )
従属変数(目的変数):予測される側の変数(y )
例:心理学の知識(独立変数)によって、人の心を読めるようになるか(従属変数)を予測する


【尺度の水準】

尺度は、変数を測定するものさしである。

尺度の水準を見分ける基準

①変数間の違いを表している→名義尺度
②変数間の上下関係を表している→順序尺度
③目盛が等間隔である→間隔尺度
④ゼロは本当に何もない状態を表している→比率尺度

名義尺度:違いを表している(①)が上下関係はない。
   例:性別,出身地,学類→質的変数

順序尺度:違いと上下関係を表している(①②)が目盛は等間隔ではない。
   例:相撲の番付,英検の級,FIFAランキング→質的変数

間隔尺度:違いと上下関係を表していて目盛が等間隔である(①②③)が、
     0が何もない状態と同じではない。
     間隔尺度は,加減の計算のみ可能。
   例:テストの点,摂氏の温度→量的変数

比率尺度:違いと上下関係を表していて目盛が等間隔であり、
     0は本当に何もない状態を表す(①②③④)。
     比率尺度は,加減乗除の計算が可能。
   例:重さ,長さ,人口→量的変数

尺度は、名義<順序<間隔<比率の順に備えている性質が増える。
備えている性質が多い(尺度水準が高い)ほど多様な統計手法に用いることができる。


【測定誤差】

定規で長さを測ったり、秤で重さを測ったりすると、ちょっとしたズレが生じることがあります。
心理学の測定でも同じことが起こります。これが「誤差」です。
誤差には大別して次の2種類があります。

・恒常誤差/系統誤差(constant error)
 測定器や測定者の癖、習慣、性質による誤差
 規則的な傾向やある一定方向へのズレを示す
 原因によっては修正可能

・偶然誤差/確率誤差(random error)
 偶然による誤差
 修正することは難しい
 気候や体調などによって生じる微妙なズレ

偶然誤差を少しでも減らすために、何度もデータをとって、データの平均値を分析に用いる。



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