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【企業分析】無料タクシーって大丈夫なの!?

はじめまして。ぺぺです。

軽く自己紹介をします。都内の大学に通う大学4年生です。

公認会計士試験の勉強を3年ほどしていました。しかし、監査(会計士のメインのお仕事)が自分のやりたいことではないと気づき、やめました。(^^;

少しでも学んだ会計知識や経営学を活かして発信していけたらいいなと思っています。

今回は無料タクシーを運営する、nommoc(ノモック)という会社について企業分析をします。

無料タクシー、聞いたことはあるけど現実的に可能なの?と多くの人が思っているのではないでしょうか。

ビジネスモデルについて

まず、無料タクシー会社のビジネスモデルについて説明します。

収益は企業や地方自治体などの組織団体からの広告費広告制作費です。

費用はタクシー運転手への給料(時間単位の給料だそうです)や(全車、高級車のアルファードだそうです!)、ガソリン代アプリの設計、維持管理費でしょうか。

さらに将来的には自動運転の技術を取り入れ、低コスト化を目指しています。


無料でタクシーに乗れる仕組みは以下の通りです。

①ユーザー(タクシーの利用者)は個人情報を登録してタクシーを呼ぶ

②広告を見る代わりに無料で移動できる


nommocビジネスモデル

上記画像はFUNDINNOウェブページより引用https://fundinno.com/projects/32#toc-6


タクシー広告について

一般的に、タクシーは電車やバスなど、他の移動手段と比較して、富裕層や会社経営者の利用が多いため、富裕層向け、会社経営者向けのBtoBの商品の広告などに向いています。

タクシー広告の種類には、ドアステッカー、アドケース、デジタルサイネージなどがありますが、最近はデジタルサイネージが人気です。

nommocはデジタルサイネージ広告を収益源にしています。

会社や動画の頻度や長さにもよりますが、デジタルサイネージ広告は一週間当たり200万円から600万円の収益になります。

アルファードの新車は350万円~750万円ほどなので、仮に10社の広告を請け負ったとすると、一週間あれば10台くらい買えるのでしょうか…


先程、「BtoBの商品の広告などに向いています。」と書きましたが、nommocの場合は無料タクシーということで、富裕層や会社経営者よりも、一般の消費者が多く利用することになるのではと思います。

よって、一般的なタクシー広告会社と違って、BtoCの商品の広告に向くため、住み分けができるのでは?と思いました。

競合について

①業界競合

・タクシー配車アプリ  ex.Uber、JapanTaxi、MOV、DiDi、S.RIDE、フルクル、タクシーチャンピオン、MOV(今はサービス終了だが無料タクシーの前例、どん兵衛タクシーの実績あり)

・タクシー会社 (東京ハイヤー・タクシー協会に加盟している会社のみで383社...!)

・鉄道会社 ex.JR、東急、京王、小田急、東京メトロ

・バス会社(全国で2823社ほど)

②価値競合

nommocの価値を移動手段ではなく、終電を逃した時にお世話になるものとすると...?

・カラオケ(ex.ラウンドワン、カラオケ館、ビッグエコー、まねきねこ)

・ビジネスホテル(ex.東横イン、アパホテル、ホテルマイステイズ)

・24時間営業の居酒屋や朝まで営業している居酒屋(ex.鳥良商店、磯丸水産、鳥貴族)

移動手段のマッピング

移動手段マッピング

上図は、株式会社 三井住友銀行 コーポレート・アドバイザリー本部 第二部企業調査部企業調査部の資料より引用

この図を見ると、既存のタクシーは緑色の枠で示された通り、「利便性重視/短距離」と考えられますが、nommocの場合、図の左下に当たる「コスト重視/短距離」の位置にマッピングされると考えられます。

従って、先程業界競合で挙げたタクシー配車アプリやタクシー会社は競合になりにくく、対自転車・バイクや公共交通機関の戦略をとるべきだと考えます。さらに言うと、自転車・バイクや公共交通機関は無料ではないため、ブルーオーシャンの領域ともいえます。

海外の配車仲介サービスの動向

海外配車サービス業界地図

上図は、株式会社 三井住友銀行 コーポレート・アドバイザリー本部 第二部企業調査部企業調査部の資料より引用

図の上部、赤枠を見てください。近年、自動車メーカーとの連携が活発になっています。一方、nommocの資金調達実績はFUNDINNOの1回のみです。従ってnommocの株主は、FUNDINNOの個人株主と吉田 拓巳氏(CEO)であり、どの自動車メーカーからも出資を受けていません。

自分がCMOなら...

①自動車メーカーからの出資を受け、規模を拡大する

2019年の福岡市のβ版では8台使われていますが、広告効果を考えると8台では圧倒的に少ないと考えます。クライアントを増やすためには規模の拡大(台数の増加、エリアの拡大)がマストだと思います。そのためにはさらなる出資を受ける必要があります。

近年の自動車メーカーとの連携が活発な動向や、ライドシェアの急速な発展(2018年6月時点の国土交通省の報告によると、世界で2013年の150億ドルから2025年に3,350億ドルになると予測される)による将来性を考えると出資を受けることもできるのではないかと考えました。

②車自体の提供を求める

車は一部はJTから提供されているものであるそうです。その代わり、車内ではJTの広告が流れていたり、プルームテック(JTの電子タバコ)が無料で試せます。なので他社にも、広告を流したり試供品を提供する代わりに、「車の提供を求める」営業に力を入れたらいいのでは?と考えました。

企業のライフサイクルを考えると創業期にあたるため、売り上げを伸ばすよりもサービスの認知度を上げることに注力した方がいいのではと考えました。

また、自動車メーカーから現物出資を受けるのもいいと思います。

③人件費削減

タクシー会社の費用の約7割が人件費です。

新型コロナの影響でタクシー運転手の大量解雇が問題となりましたが、nommocはその受け皿になりうるのでは?と思いました。タクシーの運転手は高齢な方が多く、他の業種への転職はハードルが高いです。そのため、従来よりも人件費を低く設定することで利益をあげられると考えます。

④中古車の利用

①同様、規模の拡大、特に台数の確保をするためには、中古車を利用して安く車を調達したらいいのでは?と考えました。

古いモデルのものだと40万から400万円ほどなので、単純に考えると一台当たり300万円の節約になります。

最後に

初めての企業分析レポート、初めてのベンチャー企業の分析で、つたないところばかりだったと思いますが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
「何を簡単に言ってんだ」「現実的じゃない」など含め、Twitter等で感想やご指摘とともにシェアしていただけたら嬉しいです。笑
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