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ドラマ『アイドル誕生 輝け昭和歌謡』 宇野君が巧すぎて阿久悠に見えた(ネタバレ感想文 )

昭和アイドルを描いた話だと思いきや、そこが焦点ではなく、
阿久悠 vs ソニー酒井政利のライバル物語でした。
切り取り方としては面白い。
私は、この時代の女性アイドルの歴史について、レコード発売日順に並べるプレイリストを作成しながら再探求したので、新たな発見は特になくてですね、ドラマ自体はある種の「知ってる知ってる」確認作業でした。

だから、アイドル誕生秘話、あるいは阿久悠物語だけだったら、このドラマを観ようとは思わなかったんです。

観た理由は、主演が宇野祥平だったから。
我が家では「宇野くん」と呼んでるんですがね。
うちの夫婦は宇野くんファンなんですよ。
ちなみに「宇野くん」と呼んでいる理由は、横浜聡子の映画『俳優 亀岡拓次』(2016年)の中で「宇野くん」と呼ばれる役だったから。

宇野くん、巧いんですよ。
私は、映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』(23年)で宇野くんを「天本英世になれる逸材」と評しているんですけどね。

まさか、阿久悠が似合うとは思わなかった。
抜群に巧くて、まるで宇野くんじゃないみたい。

結果、宇野くんを楽しんだドラマでした。

余談

このドラマで語られたことを、上述のプレイリストで既に語っていました。自慢みたいだけど(笑)。
まず一つは、アイドルの始まりは南沙織『17才』であること。
だから、安藤玉恵演じる有馬三恵子はアイドル史上重要人物なんです(ドラマでは1シーンしかないけど)。なにせ、南沙織の名付け親だからね。
もう一つは、「ピンクレディーは山本リンダの進化系」ということを、私は指摘しているんです。

ドラマとは関係なく余計なことを書くと、いわゆる「昭和アイドル」「70-80年代アイドル」の定義は、南沙織「17才」から始まり、そのカヴァーの森高千里「17才」までだと、私は思っています。
森高千里はアイドルのビジュアルで作詞や楽器演奏も出来て、アーティストとの境界を壊してしまったんですよ。
その南沙織「17才」(1971(昭和46)年6月1日発売)から森高千里「17才」(1989(平成元)年5月25日発売)までの間が、17年11ヶ月25日。
つまり、年齢にしたら18才に至るまでの「17才」。
そして、ちょうど年号も平成になる。
これが、昭和アイドルの「濃い」時代だったのです。
ええ、ええ、ドラマとは関係ない話ですけどね。

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