鈴木みのるという男

鈴木みのるはプロレスラーだ。
自身が率いる鈴木軍のボスである。

そしてレスラーとしては、結構な年、49歳だ。にも、関わらず鈴木の魅力は見事に衰えない。どんな勢いのあるトップスター選手と並んでも迫力と説得力が劣らない。そして立派なヒールだ。

そもそも鈴木みのるは、今のプロレスラーになる前は格闘家だった。パンクラスという総合格闘技団体の創設メンバーであり所属選手だった。
パンクラスはこれまで日本に根付いていた格闘=アントニオ猪木の闘魂プロレスという概念から離れ、演出なく真の格闘で強さを表現していた。パンクラスでは、トップ選手でも見せ場なく負ける、真剣勝負の一瞬を表現する「秒殺」のブームを作った。旗揚げメンバーの鈴木は当時有名なキックボクサー モーリススミスに2度負けて5年越し、3度目で勝利するというドラマを作りパンクラスのトップ選手の1人であったが、首のヘルニアで一線を退く。その後細々と活動を続けるも、プロレスラーとして復帰し現在に至った。

鈴木は「世界一性格の悪い男」と言われ、ラフファイトが得意。総合格闘技のバックボーンを活かした締め技のキレが良い。エルボーと平手の張り合いは、強さの説得力がある。飛んだり跳ねたりの派手な技はなく、クラシックな技しか使わないのに見ていて引き込まれるのは何故なのか。

鈴木が技を出すときに緩急の付け方が素晴らしく上手いのだ。プロレスの王様だと象徴するような殴り合い、一瞬のスピードで相手のバックを取るスリーパーホールド、ねちっこく相手を傷めつけてから会場を見回してのゴッチ式パイルドライバー、勝っても負けても試合後の悪態。ある意味お決まりの事だけど、そこで作られる因縁は新しいストーリ—を作って次への試合への期待感を演出する。鈴木に負けるレスラーはボロクソにやられるけど、新しいストーリーに組み込まれ、ボロボロに傷めつけられた姿は会場の感情をも引き出していく。傷めつけられても光るのだ。

鈴木の技は、どのレスラーでも使うものだ。なのに、あんなにドラマチックで、気迫があって、意地悪くヒール。肉体の若さに依存しない戦いをすることで、年齢を超えた説得力を産む。技を魅せる実力に誰よりも長けているから出来ることだ。

鈴木みのるは素晴らしいプロレスラーだ。ただただスゴイ。こんなレスラー達が作るプロレス、新日本プロレスというドラマがスゲー好きなのだ。

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