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PK指名制と立候補制、どちらがいい?

日本代表が帰国し、クロアチア戦にどうやったら勝てたかという話題で盛り上がっている。その中で、森保監督がPKを蹴りたい人を募った、つまり立候補制でキッカーを決めたとの情報が入っている。それに対して、反対意見がネット上でかなり見られている。

自分はどちらにも良い点があると思う。PK立候補について考えていたら、ふと思い出したことがあった。

プロジェクトXというNHKの番組で、1982年に起きたホテルニュージャパンの際、決死の覚悟で現場に飛び込んだ消防士が取り上げられた回があった。その回はあまりにも感動したのでVHSのビデオに録っておいたのを思い出した。今は実家のどこかにあるだろうか、おそらくもうゴミになっているか。

その時の隊長は高野さん、という方で、本当にザファイアーマンという雰囲気だった。彼がその時の放送でだったか、関連する本であったか、(出典を探したが見つからない点はご容赦を)本当に危険な現場に飛び込んでいくときには部下全員の目を見る、と言われていたと思う。目をそらしたり、弱気な目線の部下ではなく、キッと自分を見返す、集中力のある目のある部下を指名して危険なところに入らせる、と言われていた。

PKの話に戻る。もし試合前に誰が蹴るか決めていたとしたら、その選手が交代したりした際、また考え直す必要がある。そして、気合に満ちた人を選ぶという点ではやはりPK戦の寸前に選んだほうがいい。監督の指名制にするなら、目を見て選んだらいい。

あるいは立候補制、なら、自分で選択した、という強気の姿勢を引き出すコーチングは必要だろう。

まず立候補制と一口に言ってもいろんな方法がある。1番目蹴りたい人、と立候補してもらったのか?それとも蹴りたい人、といって5人以上集めて、5人を選んで、それからさらに順番を立候補してもらうのか。一口で立候補と言ってもいろいろな方法があるので、その方法は試合前に吟味しておく必要はあるだろう。

そして、短い時間だけども指揮官はキッカーにどんな言葉をかけるのか?この言葉かけ一つでもキッカーをリラックスさせることができたら、悔いが残らないキックになるだろうか。

例えば「もうこの試合は引き分けになった。PKで決着をつけるしかない、引き分けの試合だ。そんな引き分けの試合を、勝ちにできるかもしれない大きな機会に勇気をもって立ち向かってくれてありがとう。君のキックが成功であれ失敗であれ、勇気をもってキッカーに立候補したということは永遠にサッカーの歴史に残る。だから、入るか外れるか、どっちでもいいから、今の君の最高のシュートを思いきり打ってきてくれ」

こんな言葉をかけて、シュートに臨む人ががちがちの緊張感で臨むのではなく、ある意味晴れがましい気持ちで臨めるようにしてあげたら、監督の仕事は満点だろう。

あと、素人考えで恐縮だが、日本代表の合宿の中で息抜きに卓球をしている姿は見るが、そこにダーツとかビリヤード、あるいはアーチェリーを加えるのはどうだろう。結局PKは一瞬の勝負である。他競技で勝負慣れしておくのは悪くない。気分転換だけど真剣勝負で、勝ちにこだわっておくとPKのようなコースを決めにいく競技にもいい影響があるかもしれない。あるいはトレーニングの一環でハンドボール部と合宿して、狭いゴールに投げ込むトレーニングをしておくと、サッカーのゴールネットは大きく見えるかもしれない。

(キックを鍛えなくてどうするの?との声もあるかもしれないが、人間手でやることと足でやることと、同一人物がやることは似通うと思う。例えば、口で絵を描いたり字を書いたりする星野富弘さんという詩人・画家は、事故の後口で字を書くようになったら、以前自分が手で書いていた字と書き癖が似てて、やっぱり同じ人がやることは似てくるもんだ、と書いてあった。手でできることは、サッカー選手なら足でできるだろう。)

まあ、次の4年後はPKにならずに上にベスト8に上がってもらうのが一番ですけど。


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