三雲修の適正ポジションは監督である

といきなりぶち上げたわけですが、先日シャワーを浴びているときに突如降ってきたこの説を自分なりに根拠立てて語っていきたい。あ、ワールドトリガーの話です。連載再開したし新刊も出てるので買って読んでね!(露骨な宣伝)

■ランク戦の仕組み

本題ではないので、よそから引用させてもらうと、こんな感じ。「チーム戦」「相手を倒すとポイント」「最後まで生き残るとポイント」というところから、いわゆるサバイバルゲームに近いと言える。さらに言えば、スポーツの一種とも言えると思う。

1. 試合は、三つ巴、もしくは四つ巴のチーム戦 
(1チームは、一人のオペレーターと1~4人の隊員で構成) 
2. 敵チームの隊員を一人倒すと1点 
(トリオン流出によって倒された場合は、その隊員にもっとも大きなダメージを与えた者の得点になる) 
3. 最後まで生き残ったチームには生存点ボーナス2点 
(時間切れで決着がつかなかった場合、生存点ボーナスはない) 
4. 試合の制限時間は45分~60分 
(ステージの広さによって変動する。広いほど長い) 
5. その試合で一番順位の低いチームにステージ選択権がある 
(ステージそのものだけでなく時間や天候も設定できる。また、選択権を放棄することも可能) 
6. チームランク戦でも個人(ソロ)ランク戦と同じく個人(ソロ)ポイントの増減がある 
7-1. 自分の周囲60m以内に敵部隊の隊員がいない場合にのみ自発的に緊急脱出(ベイルアウト)できる 
(敵に点を与えず退場できる) 
7-2. ステージの戦闘区域を離脱した場合も自発的に緊急脱出したのと同じ扱いになる)

チームスポーツと言ってもいろいろあるが、この仕組みはメジャーなもので言えば野球よりもサッカーにより近い。野球は攻守がイニングによって明確に分かれているのに対して、サッカーはそれがなく、状況は常に変化していて、攻守の切り替えが頻繁に起こる。要するに、ランク戦とサッカーには「リアルタイムの集団戦」という点で、いくつかの共通点があるのではないかということだ。(ラグビーもそうだと思うが、私があまり詳しくないので許して唐沢さん)

■「リアルタイムの集団戦」における優位性

リアルタイムの集団戦では勝利を得るために「誰が」「いつ」「どこに」いるかが非常に重要だということは、ワールドトリガー読者であれば、またサッカー観戦者ならば直感的にわかるのではないかと思う。サッカーにおいては、以下の記事で主に3種類の優位性として説明されている。

①量的優位性
「数的有利を作り出せるポジション」と説明されている。たとえば2vs1の局面を作れれば、2人いるほうが圧倒的に有利だ。

②質的優位性
「マッチアップする相手に対して能力的に上回ることを意味する」とある。1vs1でも、格下と当たれば倒せる可能性はかなり高い。

③位置的優位性
相手の「死角」や「迷いを生むポジション」にいること。同じ2vs1でも、挟み撃ちのほうがより有効だろう。

これらの優位性は、ランク戦で頻繁に登場している。
例えば、以下のシーン。1vs1ならおそらくこの中の誰が相手でも余裕で勝てる那須隊長に対して、チームは違えど3人で挟んで均衡を保っている。質に対して量と位置で対抗する形といえる。

もしこういう形であれば、位置的優位性がなくなるので、那須隊長有利になっていただろう。(ということも吹き出しで述べられている)

また、別のシーンでは、3vs1の量的優位性を強いてくる相手に対して狙撃手の位置的優位性で実質3vs2に軽減。サッカーではありえないけど、遠距離攻撃もあるランク戦ならでは。

■優位性を生み出すための時間

「誰が」「いつ」「どこに」いるかが非常に重要だということは上で述べたが、そのためには何が必要だろうか。それは「情報」と「時間」であると私は考える。情報を集め、それをもとに逐次状況判断を行う。それが相手より早ければ早いほど、優位性が得られる。

情報に関しては、ランク戦の仕組みにある通り、フィールドで戦う隊員以外に外でフィールドを俯瞰し、味方に伝えられるオペレータが存在する。そして、だいたいどのチームにおいても、隊員同士の情報にオペレータからの情報を合わせ、リーダーが意思決定するという感じになっている。この情報処理の時間を主人公チームはもっと短縮できるのではないか、というのが表題に繋がる話だ。

主人公チームは、多数の他チームと異なる点がいくつかある。特に、「戦闘要員が4人いる」「リーダー(三雲修)の戦闘能力が低い」の2点は大きい。
「戦闘要員が4人いる」は、多い方が強いに決まってると思うかもしれないが、三つ巴や四つ巴のランク戦では狙われやすかったりオペレータの負担も大きくなるので、一概にそうとも言えない。
「リーダー(三雲修)の戦闘能力が低い」は、フィールド転送直後(ランダム位置からの開始)での脱落が起きやすく、戦略を立てる上での不確定要素になる。一応脱落してもオペレータルームから指示は出せるが、駒が一枚減るのは大きい。

それならば、この際最初から三雲修をフィールドに出さず、状況判断に専念させる、つまりサッカーにおける監督ポジションのほうがチームとして強いのではないか、というのがタイトルの「三雲修監督説」である。多数のチームは3人構成なので不利にはならないし、元々戦闘能力が低いので(ごめんよオッサム)そこまで戦力ダウンにもならない。そして、他チームのリーダーが戦闘と状況判断を同時に行うのに対し、三雲修は状況判断に専念できる。超人でもない限り、自身の戦闘中に全体を俯瞰することはできないが、監督にはそれがない。つまり、確実に状況判断は精度が上がるし、今までより早くなる。この時間によりによって得られるものは何か。そう、優位性だ。三雲修が監督になることにより、玉狛第二はより強くなるだろう。

■最後に

今後作中でこうなるのかはわからないし、ランク戦のルールとして監督ポジションが許されるのかはわからない。(おそらく今のところは言及がない)でもこういう妄想楽しいよね。

ワールドトリガーからサッカーへ。サッカーからワールドトリガーへ。少しでも興味を持った方は、ぜひ一歩踏み出してみてほしい。新しい世界が待っている、かもしれない。

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