歴代興行収入は消費者には関係なくないですか?

『鬼滅の刃』の興行収入を歴代1位にするべく、誘導する様な情報が多く出ている気がしてしまっている今日この頃なのですが、まぁ、私も公開日初日の仕事終わりに観に行ってきましたが、個人的には面白くもなければ、つまらなくもないし、映画自体にはこれといった感想も出てこない映画でした。
映画自体にはと書いたのは、映画を取り巻く環境に関しては多々感じる事があり、ちょっと書いてみようと思います。

最初に興行収入の事が大大的に扱われているのを見る度に、「どんな映画が歴代1位になろうといいんじゃないの?」と思ってしまいまして、『鬼滅の刃』が『千と千尋の神隠し』を超えるのは嫌だという声もあるらしいんですが、『千と千尋の神隠し』が歴代1位となった時にもその時の歴代1位が塗り替えられたわけですから、塗り替えられる事に嫌悪感(?)を抱くことは意味のない事ではないでしょうか。
特典を付ける事で何度も観に行くのを誘導するのも、卑怯だといいますが、ここ数年はアニメ作品ではよくある事なのに、今回は卑怯というのはおかしな気がしますよ。
それにどういう形であれ、何度も観に行ってくれる事は市場にお金を回してくれる分には不景気の日本では景気の良い事ですからね。
自分がお金を使わずに市場が回るのはある意味では幸せな事ですよ。

とはいえ、映画好きやジブリ好きの方々はそうとは受け取り難く、許せないんでしょうね。
ただ興行収入に関する部分でいうと時代時代で映画に関する制度自体が違ったりもしているので、上映に関する条件が平等じゃないとか言い始めると、そもそも論として「興行収入を出す必要もないんじゃないの?」という事になってきますね。
例えば、『千と千尋の神隠し』の時は今の様に総入れ替え制ではなかった頃の上映作品でしたので、当時、私は朝一に劇場に行って、夕方ぐらいまで4回ほど連続で観続けていましたが、興行収入という視点では今の制度だと4回の鑑賞料が必要がですが、当時の制度だと1回の鑑賞量で観れました。
そういった時代毎に制度の違いも鑑みた形で歴代興行収入は考えられていないですし、今年あったリバイバル上映の『千と千尋の神隠し』の興行収入は追加されていないですし、条件が平等じゃないと言い始めると全ての映画が上映条件は平等ではないので、その辺を言うのは止めておきましょう。

個人的に不思議なのは、興行収入が記録を更新する度に関係者ではなく、消費者側で喜んでいるんですよね。
ここ数年の名探偵コナンの劇場版の時にも同様の事が起こっている様に感じているんですが、ここ最近のアニメ好きの方々は貢ぐの好きなんでしょうか?
ひと昔前のホストに入れ込んでいる女の子達(ホストの方々、ホストが好きな女性の方々に対して悪意はないです。)の様で非常に滑稽に見えてしまいます。
興行収入が更新しても、何も見返りもないのに何度も見て、数か月後に虚しくなったりしないんですかね?
馬鹿にしているとか、そういうのではなくて、まったく理解が出来なくて、そういった部分は凄い不思議に感じております。

とはいえ、興行が潤うのは、一部の界隈だけとはいえ、経済が回っているのでいい事だと思うので、皆で歓迎していきましょう。