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ヒストリックブロール抽象論と緑単ビートダウン《造命の賢者、オビア・パースリー 》

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序文 抽象論~コマンダーでありヒストリックであるということ~

 MTGArenaというゲーム媒体(=ヒストリック)が実現したもの、それは新しいMTGの秩序であると自分は強く実感している。過去にスタンダードを通過して健全なゲームプレイを実現してきたカードであることが保証されている群で構成されたのが現代MTGの象徴たるヒストリックであると。
 ハイランダーとは分散の担保である。同一のカードを4枚採用できる通常の構築とは異なるドローするカードに応じた臨機応変な対応がプレイヤーに求められる。この2つの概念が混在し、あるいは交差し集約されたヒストリックブロールというフォーマットは
・豊富なカードプールからなる多数の戦略が環境上での権利を有する
・プレイヤーのノウハウに合わせた選択の決定によるゲームの多様性を持つといった特徴を持つ唯一のフォーマットである。自分のプレイの爪痕からこのフォーマットに含まれる意志を伝えるために文章を残す。

 一般的にカジュアルフォーマットという認識が強い本フォーマットでは《龍神、ニコル・ボーラス》《ニヴ=ミゼット再誕》といった人気かつ強力と目されるキャラクターを統率者据えた粗削りなゲームが本懐であるという誤謬が広まっているという認識であるが明確に否、と啓蒙していきたい。(無論、上記の統率者は強力な選択肢であることに変わりはない)
 自分が主に取るスタンスとしてはそういった馬鹿げたリソースの束に対抗しうるビートダウンデッキを探すことが多い。本記事では緑単ビートダウンというアプローチからヒストリックブロールのゲームに隠された真実を掘り下げていきたい。

目次

1.環境の要求、カードプールの実現可能性 
2.緑という色、統率者の選択
3.デッキレシピ・プレイガイド
4.所感


1.環境の要求、カードプールの実現可能性 

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 このような文章を読み進めている者には不要な前置きではあると思うがヒストリックブロールのルールを今一度確認したい。

1.ライフは25
2.EDHと同様に統率者を各プレイヤーが有する (統率者領域と呼ばれる特殊な領域から手札にあるかのように唱えらえる)
3.フリーマリガン権利が一回与えられる

 あちらはEDH相当のプールだがMagicOnline存在する1on1Commanderというフォーマットに類似している。ここでプレイフィールに大きく関わるのが3.のフリーマリガンだと強調しておきたい。

 フリーマリガンの制定理由としては、4人対戦であるEDHで採用されている「序盤に下準備(=土地のプレイ)をし損ねたプレイヤーが、長時間のプレイで意義のある行動をする機会損失をする」ことを善しとしない親切設計を踏襲したものであると自分は予想している。
 が、このルール裏を返せば熟練したプレイヤーにとっては「起こるであろうゲーム進行に対しての回答を求める」というある種の悪用がなされ得る。自分は制定意図に反するこの「悪用」こそがその裏に含まれる醍醐味であると強調したい。
 統率者という確実にアクセスできるゲームを変えるプラン+フリーマリガンによるやや不確実なゲームプランの交差こそが「思い通りになる部分とならない部分」が心地よく混在するある種カードゲームにとって理想ともいえる他のフォーマットにはない要素である。それらのゲームメイクの礎となる60枚の部品1枚1枚の精度はプレイヤーの知識、発想によって洗練されこれを振るうプレイヤーの感性に勝敗は左右されるといっても過言ではない。

2.緑という色、統率者の選択

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 《造命の賢者、オビア・パースリー》というカードのポジションが当時のスタンダードにおいても現在のヒストリックというカードプールにおいてもお世辞にも影響力が高かったとは言い難い。それでもなお強豪ひしめく緑というカラーデッキの統率者に選択した理由を残すのがこの記事の本懐といっても過言ではない。
 ヒストリックブロールで勝つことにおいては四人統率者戦同様、環境の強力な選択肢(死者の原野裏切りの工作員など)を大きな制約無しに組み込める3色以上の多色を選択することはごく自然なことである。そういった中で緑という色は比較的単色で組んだ際のリターンは大きい色であると考えている。
 シンボル、デッキ内の森の数、揃えるべきクリーチャーの数など制約が強く、多色グッドスタッフでは扱い難しい以下の3枚が緑単色を扱う理由と自分は定義している。

・《世界を揺るがす者、ニッサ》
・《孔蹄のビヒモス》
・《原初の飢え、ガルタ》

 特にライフ25のゲームにおいて一回の攻撃でライフを半分削ることが出来るガルタのパワー12は他のカードでは実現できないゲームスピードを担保している。
 もう一方の観点において重要な存在が優秀なマナ加速である。
3種存在する1マナのマナ加速は広いデッキで採用できる一方で各種下環境でも通用するエルフ数を参照系、《エルフの大ドルイド》《養育者、マーウィン》も揃えられる。上述した2枚は構築こそ選ぶピーキーな性能であるものの3~4ターン目からマナ総量で相手に大きく差をつけることが出来る。
 パワー量、マナ数で大きく差をつける2つのアプローチをことが緑単の本懐であり、実現した暁にはアリーナカードプールとは思えない豪快な勝ち筋を手にすることが出来る。

 こういった背景から統率者を選ぼうとする際に選択肢は山ほどありそのどれもが魅力的であることには違いない。特に《原初の飢え、ガルタ》はプール内で替えの利かない唯一無二の存在であることから是非とも推したい1枚である。そういった強豪ひしめく緑単の面々の中で一見ぱっとしないオビアを選ぶこととなった理由を記述する。

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 始まりは《養育者、マーウィン》を統率者としたエルフアプローチからだったが問題が多かった。最速2ターンマーウィンから稼働し始める強烈なマナ加速プランで制することができるゲームプランは多いものの、マーウィンが5マナ出そうが6マナ出そうが手札が尽きて有効なアクションが取れずに後半リソース負けをしてしまうことが多い。(マナ加速が強力な分の代償といえばそれまでだが)
 マーウィンカウントのためのエルフはどれもゲームをマナを伸ばす同一の方向にしかゲームをけん引できず毎度同じようなゲームプレイの印象を感じた。
 この点は本当に自分の好みでしかないのだが折角分散の高いハイランダー構築をしているのであれば再現性が高すぎないゲームを実現できるデッキを選択したい、という悪心も出る。そういった中でマーウィンに出来ないことを模索することとなった。詳細な経緯は省くがそういった中で到達したのが《造命の賢者、オビア・パースリー》であった。

《造命の賢者、オビア・パースリー/Oviya Pashiri, Sage Lifecrafter》の2つの利点

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・強力?な起動型能力

 オビアの起動型能力「場に出ているクリーチャー総数に等しいX/Xのトークン生成」。能力を持たないバニラトークンを出すのに5マナタップ起動という重さはオビアを構築で使う気を起させない理由として最も納得できるであろう。
 一方でこの能力こそが正にマーウィンが求めているものであることに気づいた。元々マナクリーチャーが並ぶぶんオビアのトークン(以下オビアロボとする)のサイズは初回起動ですら大抵4/4~5/5程度となかなか馬鹿にはできず、余ったマナの使い道としてはかなり上々である。
 その上にサイズが大きいことで回避できる全体除去は肉議場やクラリオン、衰滅と意外と多く極めつけとして無色である点からウギンへの耐性がある。(こういった論法の場合秋の騎士で割られる点や煤の儀式、バウンスなどに脆いことは無視できないが)
 連続で起動することで度重なる脅威を送り込んで対処不能追い込むことでそのまま転覆する相手は少なくなく、特に対応札の応酬が少ないクリーチャーでのにらみ合いには極めて強い。

・1マナという軽さ

 前節でのテキストベースでのメリットと同程度に重要なのが1マナのクリーチャーであるというルールベースのメリットである。

・再キャストの容易さ、アクションの担保
 かの有名な《今田家の猟犬、勇丸》をはじめ、ヒストリックブロールプールは5種のCMC=1の統率者が存在する。自分がいくつかの統率者を試した中での考えとして、テキストやシナジーは豪快でゲームを変えるほどの力があるが2度目の使用がとても実用に耐えない統率者は少なくないと考えている。(上述のマーウィンが最たる例である) そういった中で単体除去で対処されたオビアを3マナで再キャストすることはマナを確保できている状態では何ら苦には感じないシーンは多い。そういった面が強く相手にピン除去による対応を躊躇わせることからオビアの除去耐性は事実上非常に高いと言える。

・1マナであるが故のキーカード
 もう一方で1マナという利点がいくつかのゲームに強く影響するキーカードを保証している。その最たるものが《モックス・アンバー》である。フリーマリガンが許容されているこのルールにおいて7→7→6枚閲覧した際にモックスアンバーがある確率は約30%であり、この確率で1度ランドセットの制約を壊すことが出来る影響は何物にも代えがたく相性をも覆しうる。
 同様にゲームを転覆させるカードが《イトリモクの成長儀式》である。イトリモクから1~2マナ程度のクリーチャーを拾うことを前提で初手に1マナのオビア含めあと2枚のクリーチャーを確保し、除去を凌ぐことが出来ればクレイドルの完成。この"2枚"はデッキプラン上たいていの場合マナ・エルフで占めることを考えるとその条件は意外にも緩い。
 イトリモクの大きなデメリットであるターン終了時という変身タイミングもオビアの能力のインスタント起動が帳消しにしてくれる正にこの統率者のためのカードと言っても過言ではない。
 そしてあと1枚、オビアと直接関わるものではないがマリガンで探したいカードが《豊穣の力線》である。キーパーツを揃えるべきマリガンを多用するデッキと相性が良く、その中でもマナクリーチャーの力を倍増させるこのカードがArenaプールに存在することはこのデッキにとって幸運である。

・他の統率者の代替性の高さ

 これらのメリットは他のいかなる選択肢を跳ね除けてでもオビアを採用できる理由たると考えている。それを推進する最後の理由を付け加えるとガルタ、ニッサ、マーウィンなどの強力なゲームプランをすべて自然にメインデッキに搭載できる。たとえ統率者に指定しなくともそのうちの1~2枚程度にアクセスできれば十分にゲームを終わらせることが出来る。
 無論確実にアクセスし、ゲームプランの安定を取るために上記の統率者を指定してもよいが緑という色はパワー、マナを普遍的に扱うことに長けていてそれぞれが互いに代用可能なものであると考えている。そういった中で上記2つのメリットはゲームの安定力、爆発力に関わるオンリーワンの要素であると考えている。

 いかがだろうか?こういった独自性を持つオビアを統率者にすることで実現可能なゲームは多く、初手から取れるルートの幅も存外多い。この1/2~1/8のヒストリックイベントの半数のゲームをオビア・パースリーに費やしたがどれも満足のいく、勝っても負けても自分を納得させられるゲームだった。このちっぽけな城主たるオビア・パースリーに少しでも興味を持っていただけたなら是非ここから先の個別カード解説/プレイガイドにも目を通してほしい。

デッキレシピ・プレイガイド

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キープ/マリガン基準

《豊穣の力線》
《モックス・アンバー》
《イトリモクの成長儀式》
《養育者、マーウィン》
《エルフの大ドルイド》

の5種を探しに行く。キナン、オムナス、竜神ボーラスなど苦手だと感じる相手にこそマリガンで探しに行く。上記にマナ・エルフを1~2枚含め5マナまでマナ生産が見込めるものが望ましい。

ゲーム序盤(1~4ターン目)
 マナクリを出しながら5マナ生産を目指す。PWを最速で叩き込んでライフを詰めるかオビアをキャストしておいて4/4くらいでオビアロボを設置する。イトリモクの成長儀式が4ターン目に裏返りながらそのまま5マナでオビア起動ができるケースが決まると多少無茶苦茶なゲームプランでも強引に有利を維持することが出来る。
ゲーム中盤(5~ターン目)
  序盤で行うべき条件を満たしていればオビアロボを連打していける。(手札のカードとのマナ効率を相談しながら)
 体感では合計6マナ程度でロボを連打すると中盤相手に追いつかれるケースも多いので、追加でマナクリを出せる場合出しながら進めていく。
 生産したロボは積極的にアタックさせていくべし。キルターンを1でも縮めることが重要になる。
 ミッドレンジ系のデッキ相手に対しては相手にブロックさせて勝ち筋を潰し続けるのが重要となる。アロサウルス乗りやビヒモスなどからこのタイミングでライフを0にすることもできる。
 ここで《神の怒り》などの全体除去が飛んでくる可能性がある相手には適宜PWやグレートヘンジにリソースを逃がすことを忘れずに行いたい。

ゲーム終盤
 大抵の場合中盤のプランが進んでゲームが決まっていることが多いが相手が《帰還した王、ケンリス》など消耗戦に強いタイプだったり(特に《死者の原野》が回り始めているなど)する場合ゲームが続いてしまうことがある。ボードに生物を残さないボーラス、アショクなどにここまで長引いていると投了でよいが膠着したボードで最後まで戦い抜くには一工夫必要になる。
《豊穣の力線》《カーンの拠点》《オラーズカの拱門》など追加の蛇口にアクセスできているとまだ戦える感がある。《発見の道》などで繋ぎながら《孔蹄のビヒモス》などのエンドカードを掘り当てたい。

以下、(ほぼ)60枚解説。
初手要員

A
《豊穣の力線》
《モックス・アンバー》
《イトリモクの成長儀式》
B
《養育者、マーウィン》
《エルフの大ドルイド》

既に前章で要素解説をしているため省略。
非生物パーマネント

《世界を揺るがす者、ニッサ》
《アーク弓のレインジャー、ビビアン》
《怪物の代言者、ビビアン》
《グレートヘンジ》
《発見の道》
《先祖の刃》

マナエルフオールインプランの欠点である「全体除去で投了」を解消するサブプラン。スタンダードの緑単のようにクリーチャーのみに依存しない多様な攻め札を担保したり持久戦を補助するものである。オビア特有の概念のみかいつまんで解説。
《グレートヘンジ》
スタンで高騰するほどの活躍をしている1枚。設置後はデッキの中で最強のアド獲得手段である一方で裏切りの工作員が怖い。(ウギンで流れないメリットもある)そうはいっても置くことで取れるロングゲームのことを考えると入れないわけにはいかない一枚。
《発見の道》
実質的な2枚目の《グレートヘンジ》。であり比較すると控えめ。
とはいえt3に設置できることが非常に大きく、最速で設置できた場合コントロール相手に強く出ることが出来るのでキープ基準に出来ることが大きい。
トークンで誘発する点は《守護者計画》よりもこのデッキ向き。
《先祖の刃》
オビアロボでの戦闘を補佐するため試していた装備品のうちの最後の生き残り。作動開始まで6マナが厳しいものの、一度付いたが最後、オビアロボ→オビアロボで受け継がれる意思。マーウィンに付けてマナファクトとして運用できる小技も奥ゆかしい。ライフリンクが付く《影槍》で代用しても強そう。

エルフ

A マナを発生させるエルフ
《ラノワールのエルフ》
《楽園のドルイド》
《森林の神秘家》
《僧帽地帯のドルイド》
《導路の召使い》
《培養ドルイド》
《エルフの再生者》
《ピーマの改革派、リシュカー》
《ラノワールの幻想家》
《養育者、マーウィン》
《エルフの大ドルイド》
《野生の心、セルヴァラ》
A_a マナを発生させるが、エルフではない(名誉エルフ)
《金のガチョウ》
《絡みつく花面晶体》
B エルフだがマナを発生させない
《スカイウェイの狙撃者》
《アロサウルス飼い》
《ドゥイネンの精鋭》
《僻境生まれの保護者》
《再利用の賢者》

 合計17枚。2マナのマナクリーチャーはほぼすべて採用ラインでArena限定カード 2/1/1の森林の神秘家レベルまで入れたい。
 1~3ターンは《発見の道》《アーク弓のレインジャー、ビビアン》を設置する場合を除いてマナクリ2枚オビアキャストでアクションを占めるパターンが大多数。3ターン目にニッサを設置できれば上々。例によって特徴的なところだけ個別解説。

《培養ドルイド》
 2マナマナクリの中では特にかみ合う1枚。自分タップ順応で5→7タップイン(爆発的植生相当)。自分除き順応で 5→8(金粉の睡蓮相当)。オビアの起動と同数のマナで構えられるのも好相性。
《アロサウルス飼い》
 6マナ起動からエルフAll5/5。若干混ぜ物が残るが早期決着プランに絡む。
どちらかというと打ち消し耐性を青系バラルテフェリーに刺していくために初手に混ぜるのが本懐か。前章までの説に多少反するがマーウィンなどに入れられるマナの捌け口かつ勝ち手段として強力である。
《ピーマの改革派、リシュカー》
 個人的に3マナエルフ組の中でもかなり壊れていると感じている1枚。
マナが出なくなったガチョウや用済みの草食獣を召喚酔い無しでマナクリに変換。1-2tに生物をばら撒けないデッキには入らないがそうでない場合は知っておくべきカード。《肉議場の叫び》《轟音のクラリオン》など点数系全体除去の回避ができる場合は意識してカウンターの置く先を考えたい。

《スカイウェイの狙撃者》
 リシュカー、マーウィン、大ドルイドの発生マナ+1、オビアロボのパワー+1と書いてあるカード。回した体感気持ち1枚だけ全くマナが出ない1マナエルフを許容できるかな、という判断で1枚だけ採用。ZNRの1/1/1接死もあり。

妨害

《夏の帳》
《原初の力》
《再利用の賢者》
《巨大猿、コグラ》
《英雄的介入》

 格闘は3枚(4ビビアン含めて)。相手のジェネラル対処の枚数をあまり取れないのは明確な緑単の弱点。先手キナン、オムナスなどに一切触れずに終わるゲームも残念ながら存在する。コグラについては4ターン目着地で統率者を咎めたい願いも込めて。
《夏の帳》
 このデッキで唯一相手によってトップして0点を取りうるカード。
とはいえカウンターを掻い潜る重要性は高い。とはいえ統率者を通しやすいこのデッキでは必須という程でもなく意識したい相手によってはスロットを変更してもよいかもしれない。
《英雄的介入》
 全体除去耐性を付与できる唯一の1枚。1枚は竜神ボーラスやニヴ再誕相手にあまりに心細いが仕方なし。いつか類型が増えたら絶対に積む。オビアロボと相手の生物のぶつかり稽古が多い関係上コンバットトリックとして運用するタイミングも多く、意外と腐らない。

土地
21+変わり樹の共生+花面正体=23枚。
統率者リキャスト分、ゲームレンジの長さぶん26は欲しいと言われるなかでは破格の少なさ。一度エルフかイトリモクを立ててしまえばさしてマナ総量に問題はない。効果持ちの土地はマナを注ぎ込めるものに限定した。

《カーンの拠点》
《オラーズカの拱門》
《這い回るやせ地》

オビアにターンごとに5マナ注いでも何故か大量にマナが余ってしまうシーンに向けて役に立つ3種。

その他

《むかしむかし》
説明不要枠。入れよう。
《原初の飢え、ガルタ》
皆おなじみ枠。いつも通り比較的安定して5tあたりでは着地する。
《孔蹄のビヒモス》
EDHプレイヤーにはおなじみの最終兵器。これのために《破滅の終焉/Finale of Devastation(WAR)》や《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(UMA)》を積んでアクセスを良くしてもいいかな、という価値はある。ただオビアが中盤から探したい他のカードは大抵PWやグレートヘンジなのでクリーチャーサーチには個人的にはあまり気が進んでいない。

不採用

試したけど抜けた、あるいは入れていないもの
《アクローマの記念碑》
 All飛行付与からなる絶対の信頼を置けるエンドカード足りうるかと思っていたが《裏切りの工作員》に奪われたくなさすぎるため断念。ウギンに流れない利点もあるのでこの辺りは感覚か。裏切りの工作員についてはガルタ程度までなら奪われも許容できる。ニッサヘンジは取られたくないかなあたりの認識
《鉄葉のチャンピオン》

 組み込んでキルターンが早くなる確信があるなら考慮してもいいが個人的にクリーチャーのフィニッシャーをこれ以上投入することには反対。
《鋭い目、ナイレア》
顕現しても5/6に特に魅力を感じない。ツールボックスがもう少しクリーチャーに寄っている場合は採用しても良いかもしれない(が、クリーチャーを入れる必要性を感じない)
《永遠神ロナス》
ジェネリックビヒモスとしては強そう。デッキトップ3枚目に戻ることを耐性と呼ぶかどうかのような気もする。
《獣に囁く者》
他の緑系では頻繁に見かける1枚。発見の道に枠を譲った(理由は省略)
似たところで《造命師の動物記》は採用できるかもしれないがドロー置物は十分確保できているようにも思える。
《精霊龍、ウギン》
オビアロボに戦線を委譲し終わった後におけるかな、と考えてもいる。
PWコントロールがPWを着地し終わった後にアクセスできるとひっくり返せるが流石に理想論か。

おわりに

所感
 正直に書き残すと実際にこのデッキを回しての勝率は15/24と勝ち越してはいるものの玉石混合のカジュアルフォーマットであまり高いほうだったとは言い難い。特に《龍神、ニコル・ボーラス》《創造の座、オムナス》への勝率は3度やって1度程度と対抗手段を敷いているとはいえ厳しいものではあった。
 それでも追加カード、数枚の入れ替えの範囲で再チャレンジしてもよいかと思える程度には手ごたえを感じたのは事実だった。必勝法というほどではないが並大抵の速度のゲームを制すことはできる魅力的な選択肢の1つ、程度にはオビアを価値づけできていれば何よりである。
 1/2~1/8のイベントは終了してしまったが改めてヒストリックブロールをやる機会は必ず訪れる。そういった際にこのデッキに触れる、あるいは真剣にヒストリックブロールに思いを込めてくれる人が現れることを期待している。

インポート用テキストファイル

日本語

英語

参考動画

記事内で紹介したオビア・パースリーの特徴的なゲームパターンを動画資料として残したい。オビアに対してのイメージの補強に役立てば幸いである。
・vs《策略の龍、アルカデス》
https://youtu.be/RgQu017LfwM
クリーチャー同士の有利な対面。4ターン目イトリモクの黄金パターン。
・vs《ドミナリアの英雄、テフェリー》
https://youtu.be/cugtoKUNgcI
消耗戦勝利パターン。コントロールに有利なカードを初手に確保できた成功例。



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