見出し画像

夏休みだった

湿気と熱気が体を包んで、もう寝転がらないとやってられない。もう洗濯も掃除も料理もやってられない。私夏休みが欲しい。と思っていた時に、Prime videoさんがぽいっと手渡してくれたこの映画で、私はちょっとだけ息を吹き返した。

「インスタント沼」

2009年公開、三木聡さん監督・脚本、麻生久美子さん主演。

もうとにかくノンストップ。炭酸みたいに突拍子もなく、麻生久美子のつやつやな肌が光る。突然仕事をやめたり、突然沼を掘り出したり、突然超綺麗な着物美人が出て来たり、突然ラブストーリーが始まりそうになってコンマ1秒で終わらされたり。麻生久美子が駆け抜けていく。その周りを変な人たちが徒競走のように走り抜けていく。

変な人がいっぱい出て来て、変な展開がたくさんで、変。とにかく変。

変に触れていると、なんかまぁいいかなという気持ちになってくる。

私が過ごしてる変じゃない日常とか、そういうのもうどうでもいいかな、と思えてくる。

こういうの特に向いてなさそう、と思う友達に勧めてみたらすぐにみてくれて、「あーこういうのね、と思った」という感想をくれた。夏休みみたいじゃない?と聞いてみると、確かに、と熱のない言葉が返って来た。大満足だ。

ちなみに恋人にも勧めてみた。「思ったよりものすごくカロリーの高い映画だったから、ちょびちょびみている」と言っていた。なんて素敵な表現の仕方だ。とにかくカロリーが高い、その通りなのだ。夏バテを吹っ飛ばすニンニクみたいなものだ。

鬱々した気持ちが遷延している人は、きっとみてほしい。「あー、こういうの」と思うのか「カロリー高っ」と思うかはわからないけれど。


話は変わるけれど、最近「虫眼鏡の放送部」というyoutubeのチャンネルがお気に入りだ。東海オンエアというyoutuberグループのメンバーの一人、虫眼鏡さんの個人チャンネルで、youtubeだけど動画ではなく、音声のみのラジオ。「虫眼鏡の虫も殺さないラジオ」というタイトル?副題?が付いている。

ラジオが好きな友人がいて、このパーソナリティーさんが好き〜とか、radikoでいつも聞いてる、と言っていたけれど、私はすぐにラジオを聴くのを忘れてしまうし、radikoもなんだか合わなくて、普通のラジオは好きになれなかったのだけれど、このむしころラジオはとても好きだ。

まず第一に東海オンエアの虫さんがやっているという点が大きい。というかそれだけしかないかもしれない。東海オンエアの動画を見たことがある人はわかると思うけれど、東海オンエアの中の虫さんは、冷静、ツッコミ役、まとめ役、落ち着いている、賢い、面白いとこんな感じ。ものすごく知的な感じに見えるけれど、ボケもできる。バランスの整ったお兄さんだな、という感じ。

むしころラジオでの虫さんもそのイメージを崩すことなく、一定のリズムとテンションでお便りを紹介し、質問に答え、意見を言ったりしている。少しだけ理屈っぽいところが、やり過ぎなくてとてもよい。

最近、目から見る情報に疲れて来た節があったので、そして人間にも疲れてきたところがあったので、淡々と、名前も顔も知らない誰かの書いた文章を読んで、それについて話して、ということをしている虫さんの声を聞いていると落ち着いてくる。

夏休み全然関係ないけれど、もしよければ。

そしてさらに話は変わって、最近「ホホホ座」という本屋さんに行ってきた。

本や雑貨を扱っているお店で、京都の少し奥まったところにある。本が好きな人に連れて行ってもらった。

普通の本屋さんがユニクロだとすると、ホホホ座みたいな本屋さんはセレクトショップみたいなもので、店主さんの趣味やセンスが前面に出てくるんだけれど、そういう本屋さんにいくのは概して楽しい。

自分だけで、amazon等で探していたら絶対に出会うことがなかった本に出会えるというだけで、本当に楽しい。

こういう本屋さんにいくと、こんなお店を開くという将来もあったのかもしれない、とふと思って鳥肌がぞわぞわ立つ。

とりあえず安泰な方へ、安全な方へ、と進んでいくタイプの自分には絶対無理じゃん、と瞬時に思って、すでに見えてきている将来に向かってぞわぞわする。

人生がどんな風になっていくかは誰にもわからないしな、と負け惜しみのように、諦めのようにも思ってさらにぞわぞわする。

本当に人生よくわからない方向に進むのかな?思ってたより悪い方向へ行くことはあるかもしれないけれど、予想もしなかったいい方向に進むことはあるのかな、不安。

まぁそんなことを思うのも夏休みらしいということで、私の早めの夏休みのお話でした。ホホホ座で買った本を全て読めたら、またnoteに書きたいなと思います。


スキ・コメント・フォロー・サポート、どんな形でも、あなたの気持ちを頂けるなら、これほどうれしいことはありません。ぜひお気軽に🍅