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【ハムスターの育て方】ゆっくりと時間をかけて信頼関係を築こう

小さくずんぐりとした体や、どこかコミカルなしぐさが愛らしいハムスター。小動物の中でも育てやすく親しまれています。

今回は、ハムスターの特徴やお迎えする際に必要なアイテム、上手に育てるためのポイントや気をつけたい病気などを詳しく解説します。ハムスターをお迎えしたいと考えている方は、ぜひ参考にご覧ください。


ハムスターの行動

ハムスターは明るい時間帯に寝ていることが多い夜行性で、夜間はもちろん明け方・夕方の薄暗い時間帯に活動します。そのせいか視力は弱いものの、聴覚・嗅覚・触覚が優れていることが特徴です。

◆聴覚
ハムスターは聴覚が優れていて、人間には聞こえない超音波を聞き取れます。

◆嗅覚
ハムスターの嗅細胞は人間の40倍以上あるといわれ、食料探しの他、縄張りや足跡などを嗅ぎ分けます。

◆触覚
ハムスターのヒゲは“感覚毛”と呼ばれ、普段から壁や床などにヒゲをこすらせながら距離を測り歩きます。

◆鳴き声
天敵が多い野生の環境で生きてきたハムスターはあまり鳴きません。鳴き声は比較的小さく、人慣れすると「キュッキュッ」と甘えたような声を出します。

◆におい
ハムスター自体はあまりにおいがしません。においが気になる場合は床材やトイレ砂の汚れが考えられるので、適宜交換しましょう。

ハムスターの種類

ゴールデンハムスター

頬袋をよく使うしぐさがかわいらしいゴールデンハムスター。ハムスターといえばゴールデンハムスターを思い出される方はきっと多いのではないでしょうか。

体長:約16cm~20cm
体重:約85g~150g(ハムスターの中では大柄です)
毛色:茶色がメインで、ブラック・グレー・ホワイトなどさまざま。短毛種と長毛種がいる。(自分で毛づくろいするためブラッシングは不要。長毛種はやわらかい歯ブラシなどでブラッシングするとよい)
性格:温和で人になつきやすい。比較的賢くしつけやすい

【キンクマハムスターとは?】

クリーム色でふんわりした毛、丸い耳、黒い目…と、まるで金色の熊のような特徴をもつゴールデンハムスターは“キンクマ”と呼ばれることもあります。キンクマは縄張り意識が強いので、1つのケージにひとりで育てるようにしましょう。

ジャンガリアンハムスター

クリっとした目がとてもキュートです。ゴールデンハムスターと比べて小柄で、原産国にちなんで別名「シベリアンハムスター」とも呼ばれています。

体長:約6~12cm
体重:約30~45g
毛色:グレーをはじめサファイヤブルーなど、バリエーションが豊富
性格:おっとりしていて人慣れしやすい

キャンベルハムスター

ジャンガリアンハムスターに似ていて小柄。一方で、気が強くなつきにくい一面も。じっくりとコミュニケーションをとることで信頼関係を築けます。

体長:約7~12cm
体重:約30~40g
毛色:バリエーション豊富で、茶色をはじめブラック・ホワイト・グレーなどさまざま
性格:気が強め

チャイニーズハムスター

スリムな体で、ハムスターのわりには長いしっぽ(3cmほど)が特徴的。大きな目がかわいらしい種類です。チャイニーズハムスターは俊敏なため、ケージの外に出ないように気をつけましょう。

体長:約9~12cm
体重:約25~40g
毛色:ブラウン、シルバーなど。お腹の色はいずれも白いことが特徴的
性格:穏やかでなつきやすい

ロボロフスキーハムスター

ジャンガリアンハムスターと同様に、体が小さいハムスターです。お迎えした当初はなるべくストレスがかからないように見守ってあげるとよいでしょう。

体長:約5~8cm
体重:約15~40g
毛色:背中の色はブラウンをはじめホワイトなどさまざまな色や模様をもつ。お腹の色はこちらも白いことが特徴的
性格:臆病でなつくまでは時間がかかる


ハムスターの平均寿命

ハムスターの平均寿命は約2~3年です。個体・環境・育て方によっては5年以上生きた例もあります。長く幸せに暮らしていけるよう、大切に育てましょう。


ハムスターの飼育セットを揃えよう

ハムスターをお迎えする前に欠かせない代表的なグッズをご紹介します。

ケージ

ハムスターは運動が大好きなので、種類にあわせた幅広いケージがおすすめです。ケージにはさまざまなタイプがあります。わからないことがありましたら、お気軽に店頭でご相談ください。

<サイズの目安>
ゴールデンハムスター:幅60×奥行45×高さ30cmほど
ジャンガリアン:幅45×奥行30×高さ25cmほど

床材

ハムスターは本来、地中に巣穴を掘って生活する習性があります。そのため、ケージ内にはハムスターの体が埋まるくらいの厚さとなるように床材を用意しましょう。

小動物用のウッドチップやペーパーチップなど吸湿性・保湿性に優れたものがおすすめです。

▼無漂白バージンパルプを使用。消臭成分配合で強力消臭も。エコで安心安全な床材


トイレ

トイレケースは、ハムスターが動き回れる程度の余裕があるサイズを用意しましょう。特に取り外し可能な屋根つきのトイレは砂が飛び散りにくく、掃除がしやすいのでおすすめです。

ハムスターは、決まった場所でおしっこをする習性があります。まずは食事入れや寝床から離れたケージの隅に、トイレ砂を敷いたトイレを置いて様子をみましょう。

個体や種類によって、トイレを覚えることが得意な子と苦手な子がいます。なかなかトイレを覚えられない子には、おしっこがついた床材をトイレに入れて誘導してみてください。

▼ゆったりサイズで快適な空間づくりに。スコップ付きでお手入れも簡単

▼吸臭力が強いゼオライトを使用。濡れても素早く水分を吸水しいつもサラサラ


ホイール(回し車)

ハムスターの運動不足を防ぐために、お迎えしたハムスターのサイズにフィットするホイールを用意しましょう。音がしにくいタイプのホイールもあります。

給水器

いつでも清潔な水を飲めるように毎日水を交換しましょう。お皿に水を入れてしまうと、体が濡れて体調を崩す場合があります。そのため、吊り下げ式の給水器がおすすめです。

用意した水が減っていない場合は、給水器から水が出ていない場合や、水の飲み方を覚えていない場合があるのでこまめにチェックしてください。

▼逆流を防止しボトル内を清潔に保つ。2重構造の吸水ノズルで水の流れもスムーズ


食事入れ

食事入れは同じものを2つ用意しておくと、1日の食事量の目安がわかりやすく交換も楽で便利です。

ハムスターの育て方のポイント

ハムスターに適した温度・湿度

ハムスターは安定した環境を好み、温度20~24℃・湿度45~55%の環境が適しています。夏場・冬場は空調で温度/湿度を管理してください。

気温が5℃以下(ゴールデンのような大型ハムスターであれば10℃以下)になると疑似冬眠に入ってしまうので、エアコンやパネルヒーターを準備できる環境が望ましいです。

ケージを掃除するタイミング

汚れた床材やトイレの砂は毎日交換し、うんちは週1回取り除いてください。ケージ全体の掃除は月に1度、軽く水洗いするとよいでしょう。

※ハムスターはにおいで縄張りを確認する習性があるため、古い床材を少し残しておいて、お掃除後に戻すと安心します。

多頭飼いは不向き

ハムスターは縄張り意識が強いため、基本的にはひとりに1つケージを用意しましょう。また、ハムスターは数週間で4~8匹と、たくさんの子どもを産むことがあるほど、高い繁殖力を持っています。つがいは避け、お迎えしたひとりと向き合ってしっかり育てることをおすすめします。

▼ガラス素材でハムスターのかわいいしぐさがよく見えるケージ。静かなハーモニーホイールも付属


ハムスターはものをかじる?

気になるものはとにかくかじるハムスター。行動範囲を区切り、電気コードにはカバーをつけておくなどの対策をしましょう。

また、ケージ内にはかじり木や遊び道具を用意して、ハムスターが思う存分かじれる環境を用意しましょう。ハムスターは前歯がずっと伸び続けるため、ハムスター自身が歯をお手入れできるようにすることがポイントです。

※もし歯や爪が伸びすぎた場合は、獣医師にご相談ください。

▼天然素材100%。デンタルケアやストレス発散にも役立つかじり木


ハムスターは夜行性

ハムスターは、暗くて狭い場所に入ると安心します。昼間に眠る場所として、ハウス(巣箱)を用意しましょう。

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ハムスターは砂浴びの習慣がある

ハムスターは砂に体をこすりつけ、体の汚れやにおいを落とす習慣があります(水浴びは厳禁です)。砂浴び用の砂とトイレ用の砂は分けて準備しましょう。トイレ用の砂と同様に、浴び砂も定期的に交換してください。


ハムスターの食事

ハムスターの食事の回数は1日1~2回です。ハムスターが活動し始める夕方~夜にかけて食事を用意し、夜の分を多めに与えましょう。ハムスターはたくさんの食事を1度に食べきることはあまりありません。常に食事を置いてください。

食事はお迎えする前に与えられていたものを聞いておき、はじめはその食事を与えましょう。その後、食事を変えたい場合は、少しずつ新しい食事を混ぜながら徐々に切り替えていくことがポイントです。

【食事のポイント①:愛らしい頬袋のひみつ】

ハムスターの頬袋はごはんや巣材を巣穴に運ぶために使用されるもの。野生の環境下で敵から襲われないよう、夜間に多くのエサや巣床に敷く材料を頬袋に詰めて運んでいた名残です。

貯めこんだ野菜や果物は腐ってにおう場合もあるため、衛生のためにも定期的に取り除きましょう。

もし、頬袋がずっと膨らんでいる場合は、優しく取り出してあげましょう。上手く取り出せない場合は無理をせず、獣医師にご相談ください。

【食事のポイント②:人間の食物に注意】

たまねぎや長ねぎ・アボカド・チョコレートなど、人間の食物の中には中毒・発作・障害を起こすものがあるのでご注意を。観葉植物やどんぐりなどの植物もハムスターにとって危険な種類がありますので、ハムスターが口に含まないように気をつけましょう。

ハムスターの病気

ハムスターの体調不良の原因として、下痢などの消化器系疾患が多くみられます。特に体力が乏しい赤ちゃんハムスターは最悪の場合、命をおとす危険があります。

下痢の原因はさまざまですが、何らかのストレスにより抵抗力が低下し下痢を引き起こす場合があります。また、室温が低すぎるなど飼育環境の影響からお腹を壊してしまう場合もあります。ハムスターにとって過ごしやすい環境を整えるように心がけましょう。

健康チェックは毎日欠かさずに

ハムスターは野生からの習性で、病気やケガを隠します。ちょっとした異変にも気づけるよう、お迎えしたハムスターの毛並みや歩き方、食欲、おしっこやうんちの状態を観察しましょう。少しでも異変を感じたら、動物病院にご相談ください。


ハムスターとのコミュニケーション

最後に、ハムスターとのスキンシップのポイントをご紹介します。

【1】ご自宅に連れて帰ったらすぐに触れず、1週間はそっとしておきましょう。

【2】1週間後をめどに手渡しで食事を与えて、飼い主様のにおいを覚えさせるようにします。

【3】手渡しに慣れてきたら、ハムスターの背中をそっとなでながらコミュニケーションをとりましょう(ハムスターがいやがるときには触るのをやめて、時間を空けてから触れてみてください)。

かわいらしいハムスターと仲良く過ごせるように、ゆっくりと時間をかけて信頼関係を築いていきましょう!

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