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れな奥様ストーリー【2】

2:
 スマホを持つ手のシミを見つめる。一度の転職から、50過ぎる今もその会社に勤めてきた。さして忙しくもない部署の課長に収まり、平穏な日々を送っている。
 しかし40代で妻と離婚してから、急速に枯れ出した気がしてならない。今さら伴侶を探そうとしても、気力の方が続かないのだ。
 だからこんな日も、気の迷いだと決めつけて寝るつもりだった。
 ところが、その日は収まりそうになかった。帰宅してからも適当なおかずを探していたが、広告の風俗サイトやマッチングアプリに目がいく。誘惑に負けて情報サイトを開いた。きらびやかで派手な色使いに圧倒される。
(出すだけってのは味気ない。若くて可愛いってだけじゃ……)
 気付けばオカズではなく、どんな店を利用するかで頭が一杯になっていた。
 この歳になると見慣れた”人妻”の文字を見つける。密会気分で性欲発散。悪くない。
 方向性が決まると俄然やる気が出た。店に電話をかけて好みを伝えると、丁寧に案内されて、さっそく会う”奥様”が決まった。
「れなさん、か」
 画像だけで、可愛くて人懐こそうなのがわかる。自分に甘えて感じている姿を想像し、部屋で一人、鼻を伸ばした。

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