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凡人が東大生になるまで <中編>

                       written by あいだまん

こんにちは、あいだまんです。

前回の続きになるので、まだ前編を読んでいない人は先にそちらをチェックしてくださいね!

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中学校に入学し下克上を果たすと心に決めた僕は、その目的を達成するために塾に通うことにした。

入学してまたすぐ塾かという感じだが、前にも言った通り僕にとって勉強している人はカッコいいので、自分がその姿に少しでも近づけるならそうしたかったし、たまたま親に勧められて体験に行った塾がとても良かったのである。

英語は、多読といって質より量を重視しつつ簡単な絵本から洋書を楽しんでいく勉強(本を読むのは好きだったので勉強というより娯楽だった)をし、数学は公式丸覚えではなく、その背後にある考え方から学ぶような感じだった。

そんな授業スタイルが僕には合っていたため、数学と英語の週に2回の授業は苦ではなく、むしろ毎週新たな気づきや発見があって確実に前より賢くなっていることを実感できることが楽しかった。


1学期の中盤に差し掛かった頃、休憩時間に隣の席の子に話しかけてみた。

「どこの中学校通っているの?」


彼は次のように答えた。

「栄光学院」

言わずと知れた、神奈川の御三家の一つである。


そして彼のカウンターパンチ。

「君は?」

答えるのが正直恥ずかしかった。なぜこうなる展開を予想しておかなかったのだろう。

周りの人は有名な私立に通っているのに、僕は無名の公立中学校。

この塾はそういう賢い人が集まる場所なんだなということを察した。自分はここにいてはいけないのかもしれない。劣等感が芽生えた瞬間だった。

確かにこの時点でやめるのは一つの選択肢だった。でも僕はこんなことを考えた。

追われる方より追う方が絶対楽しい。


追われる方は、追いつかれたくないから頑張るという消極的な考えになったり、プレッシャーを感じやすいが、追う方は明確な目標対象がある分積極的なチャレンジ精神が湧きやすいし、気も楽だ。


それからというもの、勝手にその子をライバル視して僕は勉強に精を出した。

そして迎えた1学期の数学クラス分けテスト。

僕は上のクラスをキープすることができたが、ライバルは下のクラスに下がってしまった。

これまでの学力の差なんて大したことない。

高い壁だと思っても、案外そうでもないことは多いのである。だからこそ、自分にはハードルが高すぎると決め込んでそれに足がすくんでしまうのはもったいないことだ。


このプチ下克上的な成功体験があったからこそ、僕は今まで以上に勉強に価値を感じて、着実に力をつけていった。だって勉強は世の中で圧倒的に報われやすいものなのだから、やらないのは損だ。


中学2年生の時には、学校で受けたZ会のアドバンスト模試でまさかの結果が出た。そこに書かれた数学の校内偏差値は、

90.2

目を疑った。

総合の校内順位も1位だった。

凡人じゃないじゃん!というツッコミが聞こえてきそうだが、安心してほしい。ここにはこんなカラクリがある。

実は、みんなはまだ学校で習っていないけど僕はすでに塾で先取りしていた内容が出たのだ。
当然周りは公式や定理を知らないから出来が悪かったが、知識のあった僕は高得点を取ることができたのである。

ずるいといえばずるいのかもしれないが、僕は学校で宣言通り下克上を果たした。(偏差値が偏差値なだけに伝説になった)


中学3年生になると、校内順位で5位以内に安定して入るようになり、うまく軌道に乗っている手応えがあった。

そんな時、当時の中学校の校長によって模試の成績優秀者たちが校長室に集められ、こんな言葉を投げかけられた。

「いつも勉強頑張っているね。東大10人出したいからこのままの調子で頼むよ。」

東大に10人出したいから頼むよ?

まるで生徒を学校の実績を上げるための駒として捉えているかのような発言に僕は反発した。

突然の反抗期である。

だからこの日から僕は一応東工大志望ということにした。東工大に行ける実力もまだ無いのに、偉そうに「東工大に行くんだ。東大になんか行かない。」などと言っていた自分が恥ずかしい。


でも自分の中に東大への憧れがあるのは間違いなかった。その証拠にちゃっかり夏休みに東大本郷キャンパスを訪問した。(何故かオープンキャンパスでもなんでもない日に行って、特に何もせずに帰ってきた)


東大は気になるけど、東大志望とは素直に言えない。そんなもどかしい日々が続いた。校長に反発したから言えなかったというだけでなく、それ以上に口に出すのが何故か怖かった。自分なんかが東大を目指していいのだろうか。周りに何と言われるだろうか。

日本一の大学に合格できる人なんて、開成や筑駒など僕とは次元の違う、超優秀な人だけなんだろう(実際はそうでもない)。僕は身の程知らずになんかなれない。

同じことを思っている人がいたら、僕はこう聞きたい。

身の程に合う大学なら確実に合格できるのか?

僕の友達で、12月になって東大から東工大に志望校を下げた友達がいた。その子は模試で東工大ならAやB判定を取れていたので十分な学力があったとえるが、残念ながら落ちてしまった。


受験は単純な学力勝負ではない。

いかに過去問を研究してその学校の傾向に合わせた対策をするか、本番の時間配分や戦略はどうするか、最新の情報を手に入れられるか、モチベーションをうまく保って継続的に勉強できるかetc

大学の名前がついている模試以外は、実際の入試のスタイルと全然違うのだから、それを基準に身の程を決めても意味がないと僕は思う。ましてや学校の成績なんぞはどうでもいい。


さて、僕がいつから堂々と東大志望と言えるようになったのか。

それは高1の夏、シンガポール研修で東大以上の大学を見た時からである。

ご存知だろうか、シンガポール国立大学(通称NUS)はアジア大学ランキングで第1位なのである。まるでショッピングモールみたいな外観のめちゃくちゃ綺麗な大学だ(上の写真を見て欲しい)。

一方東京大学は8位(THE アジア大学ランキング2018による)。


東大って大したことないじゃん。


ある意味東大に失礼かもしれないが、僕の中での東大の敷居は低くなった。

また、東大に行かなければならない理由も同時にできた

僕は数学が得意だったので理系として受験したいと思う一方、学びたいのは教育学という文系の学問であった。

そんなわがままな希望を叶えてくれるのは、進学選択制度のある東大だけなのだ。


シンガポールから帰ってきて、僕は家族に東大を受験すると伝えた。

自分の中の身の程を捨て去った瞬間だった。(続く)


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東京大学理科一類2年 あいだまん

生まれも育ちも横浜のはまっ子。高校時代にシンガポールに研修に行ったことで教育に興味を持ち、理系として入学した後文転できる東大を志すようになった。その後東大に現役合格を果たし、この秋教育学部への進学を予定している。現在は、宇佐見天彗さんたちと共に全国の受験生に向けた教育活動を展開中。趣味は歌うこと(サークルでは合唱をしている)、食べること、短編小説を書くこと(読みたい人がいれば是非言ってください)。

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宇佐見すばる(東大医学部)PASSLABO

東大医学部6年/地方高校→現役東大医学部5年(理2→TOP10で医進)/著書「最強の勉強法(二見書房)/TV出演「さんまの東大方程式」/座右の銘は「身の程知らずで、あり続けろ」/「キミ史上最高の、小さな革命を」/全ての挑戦を肯定しあえる世界を創りたい。#PASSLABO
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