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凡人が東大に逆転合格するまで<PART1>

                                                                 written by あいだまん

「凡人が理三や医学部に合格できますか?」

つい最近受験生からの質問でこんなものを見た。


まず、凡人とは何だろう?

この前テレビで見たさんまの東大方程式(VS京大)では、凡人とは言い難いような人がたくさん出てきたように思う。特にルービックキューブを目隠ししながら何十個も揃えた人には舌を巻いた。

凡人が何かを説明するのは難しいが、世間から凡人じゃないと評される人は地頭がいいと言われる人だと個人的に思う。


そして冒頭の質問に戻ると、僕の答えはYESだ。


大学受験は地頭勝負じゃない。


中学受験なら、算数の問題でのひらめきなど、地頭の良さが大きな武器になるだろうが大学受験は違う。

もし地頭勝負なら、開成高校の人はみんな現役で東大をはじめとする難関大学に合格するはずだし、僕のような努力型の凡人が東大に入れるはずがない。


これから僕は、自分のわずか19年間の人生を、さもそれっぽく語っていくが、どうか忘れないで欲しい。

僕は紛れもなく凡人だ。(東大に入ってより強く感じている)

だからこそ、受験に悩んでいる人の役に立つようなことが話せるのではないかと感じている。(キミが天才じゃなければ)


これは横浜の公立高校に通った凡人が、東大生になるまでの物語である。(なんか朝ドラみたい)

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生まれも育ちも横浜である人を「はまっ子」と言うのだが、僕もその一人だ。

昔から周りに影響されやすいタイプで、小学校3年生くらいで見たドラマ(タイトルは忘れた)がカッコよかったため、この頃の将来の夢は本気で俳優だった。好きなセリフを一人でそれっぽくマネてみたこともあるし、今でも人よりは演技力があると思っている。


一度同じ横浜市内で転校した以外は至って普通の小学生として生活を送っていたが、小学五年生の秋に、友達が塾に通っているのが羨ましくなったので、親に頼んで四谷大塚に入塾した。

別に中学受験がしたかった訳ではない。塾という非日常的な場所に憧れを抱いたから通い始めたのである。

当時の僕の中には、塾は選ばれた人しか入れない特別なものという幻想があった。(もちろん入ろうと思えば誰でも入れるのだが)


勉強している人ってカッコいい

純粋にそう思ったし、これは今でも感じていることだ。

あなたが思っているよりずっと、勉強しているあなたの姿はカッコいいのだ。

目標のためにひたむきに努力している人を見ると、僕は少し羨ましくなる。

努力する対象がある、追いかけたいものがあるのって素敵だなと思うのだ。


そして、この「なんかカッコいい」を基準に小学生の僕は色々な決断をした。


塾の算数の先生がカリスマ的な存在でカッコよかったため、将来の夢は俳優から塾講師にあっけなく変更。

たまたま家族に誘われて見学に行った中学校が、施設が充実(プラネタリウムがあったことには驚いた)している上、見た目もイカしてたのでそこを第一志望校にした。

この時割と本気で学校に一目惚れしたのだ。

ちなみにこの学校は、横浜市で初の公立中高一貫校であり、合格すれば一期生になれるというのも僕には魅力的で、学校を一から作りあげるということにワクワクした。


当然のように塾の先生たちは反対してきた。今まで私立の中学受験に向けて勉強してきたのに何で公立なんだ、と。みんな私立を受けるんだから私立にしておきなさい。

首都圏に住む人ならわかると思うが、東京や神奈川で頭のいい人たちが通う中学校や高校のほとんどが私立なのである。だから先生たちからしてみれば、わざわざ塾にまで通って公立に行くなんて馬鹿げた発想だったのだろう。それもまだ何の実績も出していない学校なのだから、なおさらそうだ。


しかし僕の学校への一途な想いは揺らがなかった。

他の人と違って何が悪い、自分が行きたい学校くらいわがままでいいじゃないか。


今まで人に流されてきた僕だったが、これだけは譲れなかった。

今、これを読んでくれているあなたは、志望校について悩んでいるかもしれない。

本当は行きたいけど、家族や学校の先生に反対されて。。。

悩むことは悪いことじゃない。

その時間は確かに自分の将来について考えている大切な時間だと思う。

なぜ自分がそこに行きたいのか考え直すきっかけにもなるだろう。

でも最終的には、

志望校は自分で決めよう。


じゃないと受かってもあまり嬉しくないし、落ちたらめちゃくちゃ後悔して決めた人のせいにしたくなるだろう。

その決断で、どんなに他の人に反対されても、どんなに馬鹿にされてももう関係ない。

悩んで決めた自分の意志は、簡単には揺るがない、重さのあるものであるはずだ。


さて、僕の話に戻ろう。

その中学校の倍率はなんと10.6倍。初の公立中高一貫校で結構注目されていたし、記念受験で受けている人も多かった。

僕は塾にまで通ったのだから、こんな受かればラッキーって思っている奴らには負けるわけにはいかない。正直合格の二文字を勝ち取る自信は十二分にあった。


にも関わらず、試験当日僕は完全にやらかした。

中学受験の問題とは違い、適性検査という名目で約2,000字の作文を課したり、資料の読み取り問題がたくさん出た。

はっきり言って、圧倒的な対策不足だった。

新しくできた学校で過去問がなかったことは仕方ないが、もっと他の公立一貫校の問題は見ておくべきだったと思う。塾で人よりもたくさん勉強したということに甘えていた。

作文は指定された最低字数を書ききれず終了し、算数の問題では致命的な問題の読み違えが後で発覚。塾に通ってこのザマかと正直情けなくなったのをよく覚えている。何より、応援してくれた両親に申し訳なかった。


受験は頭の良さだけでなく、いかに相手のことを熟知しているかが大切だ

と、この時学んだ。


受験日から1週間後(作文があった分普通の私立よりだいぶ長かった)、奇跡が起きた。

絶対落ちたと思っていたのに、僕の受験番号が確かに掲示板にあったのだ。

後で開示得点(内申点除く)を見たら、最低点が305点ほどで、僕の得点は310点だった。

学校ではいい子ちゃんだったので内申点はかなり良かったのだが、今でも内申点がもし悪かったらと思うとぞっとする。

ちなみに、その前までに出ていた結果で、私立の学校は3校受けて滑り止めの1校しか受からなかったから、本当に志望校合格はありがたく家族で喜びを爆発させた。


そして晴れて第一志望校の中学校に底辺として入学した僕は、心に誓った。

ここから這い上がってやる

とね。(続く)

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東京大学理科一類2年 あいだまん

生まれも育ちも横浜のはまっ子。高校時代にシンガポールに研修に行ったことで教育に興味を持ち、理系として入学した後文転できる東大を志すようになった。その後東大に現役合格を果たし、この秋教育学部への進学を予定している。現在は、宇佐見天彗さんたちと共に全国の受験生に向けた教育活動を展開中。。趣味は歌うこと(サークルでは合唱をしている)、食べること、短編小説を書くこと(読みたい人がいれば是非言ってください)。


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