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センターで満点阻止問題が出た話

                                                 written by あいだまん


今回扱う内容の動画はこちら↓



【センター試験は教科書の範囲からしか出ない】


これは正しい。というより正しくないと困る。しかし教科書だけだからといって、基本的で簡単な問題しか出ないというわけではない。だから多くの人(僕もそうだった)が時には二次試験以上にセンターに手こずる。

昔、といっても約10年前だがセンター試験で正答率がたった6.6%の問題が出た。1000人いたら66人のみ当たって残り934人は不正解。正解したら英雄レベルだ。もしかしたら歴史あるセンター試験で最も難しい問題かもしれない。

その伝説の英語文法問題がこちら↓


そもそも4つしか選択肢が無いのに、正答率が6.6%なのだからほとんどの受験生がこの問題で同じように引っかかったのだろう。まさに満点阻止問題。センターの本気というか執念を感じる一問である。


さて、本題に入って問題を具体的に見ていこう。

問題文を見ると、動詞のtalkが目に入る。

talkといえば、aboutじゃん!!といって1を選んだ人が60.8%。正解者数の9倍以上ということになる。

僕としては、1だけはむしろ選んではいけないと思う。なんとなく形が似ているからとか、意味的にそれっぽいからなどの理由で選びがちだと思うが、なんとなくで選んでしまっては文法問題は攻略できない。


今回出てきたtalkはただのtalkでは無い。was talkedという形になっている。つまり受動態としてtalkが出てきているのだ。これは後ろのby my sisterを見ても気づけるところだろう。

I talked about A.ならもちろん文法的に正解であるが、仮にこれを受動態にするなら A was talked by me. のように、話される対象Aが主語に来ないとおかしいのである。今回はIが主語になってしまっているからaboutは正解にはならない。


しかし、もっと根本的な理由でaboutやtoはNGである。

受動態にできるのは、他動詞の時のみ


これは文法の基本的な知識だ。つまり目的語が直後に来る他動詞でないと、受動態の形を作ることができないのである。

多くの人が間違えた talk about 物・事やtalk to 人といったtalkの使い方はtalkの直後が前置詞という自動詞の用法であるため、これは受動態にならない。よって不正解だ。また、talk away fromも同様の理由から間違っている(意味はそれっぽいが、そもそもtalk awayは喋りまくるという意味だ)。


このように基本的に自動詞として使われるtalkだが、今日から知っておきたい超重要知識がこれだ!


talkには他動詞の用法もある


(というか無いと正解が存在しないことになってしまう)。


例えば言語を話す時、

I talk Japanese.などと言うことができる。

だからこれを受動態にすると、Japanese is talked by me.となるのだ。


また人を説得して何かをさせるときは、talk 人 into 〜ingと表せる。

逆に人に説得して何かをさせないときは、talk 人 out of 〜ingとなる。

つまりこれを受動態にすれば、人 is talked out of 〜ingとなってまさに今回の問題文通りになるのだ。よって正解は3である。


念の為元の能動態の文を言っておくと、

My sister talked me out of buying a big car.

「私の姉は私を説得して、大きな車を買うのをやめさせた。」となる。

これが受動態だと問題文になるわけだ。



では、今日はこの辺で。

明日もPASSLABO!

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東京大学理科一類2年 あいだまん

生まれも育ちも横浜のはまっ子。高校時代にシンガポールに研修に行ったことで教育に興味を持ち、理系として入学した後文転できる東大を志すようになった。その後東大に現役合格を果たし、この秋教育学部への進学を予定している。現在は、宇佐見天彗さんたちと共に全国の受験生に向けた教育活動を展開中。趣味は歌うこと(サークルでは合唱をしている)、食べること、短編小説を書くこと(読みたい人がいれば是非言ってください)。


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