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年を越す前に聴いておきたい2023年のタイ・ルークトゥンモーラム10選

旅の記録の途中ですが、まもなく2023年も終わろうとしているので、今年はどんな曲があったのかを簡単にまとめておこうと思います。

と言っても、実は前半はほとんどタイの音楽を聴いていませんでしたので、印象に残っている曲はあまりありません。なので、選んだ曲は今年の後半のものが中心です。

また、選曲の基準はヒットした曲だけでなく、個人的にお勧めの曲なども含んでいます。

なお、順位は僕の個人的な注目度が強く反映している事をご了承ください。

10.イーラー・ナー・ハーン(อีหล่าหน้าฮ้าน)- ベル・ニパーダー(เบลล์ นิภาดา)

モーラムの面白さを理解できる日本人は数少ないが、タイ人(といってもイサーンの人)は本当にモーラムが好きである。それを証明するのが、この曲。

タイトルは直訳すると「舞台前の女の子」という意味だけど、つまりはモーラム(歌手)に憧れる女の子という事。

ベル本人もモーラムが大好きなようで、度々モーラムのコンサートにゲスト出演している。ちなみに、MV撮影にはボーイ・シリチャイ率いるモーラム・ヂャイグンローイが協力している。

9.アオ・パーオ(เอาป่าว)- モス・カムマークビン(มอส คำหมากบิน)

この曲は2022年にリリースされた曲ですが、今年もコンサートではまだ沢山の歌手がカヴァーしていて、人気の高い曲。

個人的にも大好きな曲で、モーラムのリズム感を上手く活かしながら、ポップスに昇華させたのは見事。

8.パー・ミア・マー・ルーイ(ป๋าเมียมาเลย)- ケート・アーリヤー(แคท อารียา)

今年カヴァーされた数はNo.1かもしれないこの曲。とにかく多くの歌手がステージで歌っていた。MVを観てもらうと分かると思うけど、いかにもイサーンの人たちが好きそうな曲調である。タイトルも「パパの奥さんが来た!」という、モーラムには定番の浮気がテーマになっている。

アレンジ・プロデュースを手掛けているのは、モッデーン・ヂラーポンをはじめ、数々のヒット曲を手掛けてきたテーク・コンサーン氏。

7.キーマオ・アオ・テーヂャイ(ขี้เมาเอาแต่ใจ)- ラムプルーン・ウォンサゴン(ลำเพลิน วงศกร)Feat. ラムヤイ・ハイトーンカム(ลำไย ไหทองคำ)

2023年もものすごい忙しさだったラムヤイ。「プーサオ・カーロッ」のヒットから7年経って、その間にも何曲かヒット曲はあるけど、かつてより人気が落ちるどころか、毎年ピークを更新している感がある。なんせ、今年は1ヶ月で50の仕事があった月もあったくらいだ(ドラマ撮影を含む)。

この曲はラムプルーン・ウォンサゴンとのコラボだが、やはりラムヤイの存在感は抜群。曲の良さもあって、個人的にもリピート率が高かった。

6.イン・タレー(หญิงทะเล)- ミウ・オンパッサヤー(มิ้วส์ อรภัสญาน์)

ミウはお世辞にも人気がある歌手とは言えないけど、歌のポテンシャルも高いし、独特な魅力があって、本格的なデビュー前からずっと応援している。

この曲は11月にリリースされたばかりの新曲。最近は「ルークトゥンEDM」というコンセプトで制作しているらしく、この曲もミディアムテンポだけど、プロダクションはかなりエレクトロニクス寄り。なので、その辺で好みが分かれるかもしれないが、僕は好きな方。

ルックスも良いし、ミウみたいな歌手はルークトゥンでは少ないので、いつかブレイクしてほしい。

5.ヤー・トゥア・タッ(อย่าตั๋วเถาะ:You don't Sure)- ラムヤイ・ハイトーンカム(ลำไย ไหทองคำ)x ユキ・ハイトーンカム(ยูกิ ไหทองคำ)

2023年はハイトーンカムの年だったと言っても過言ではないだろう。このユキをはじめ、ヌッチャナン・ワンウィラー(ヌット・ウィラワン)、ソーン・シンチャイなど、ベテラン歌手もこぞってハイトーンカムに移籍してきた。これもラムヤイ効果のひとつかもしれない。

特にこのユキはラムヤイへの尊敬の念を公言していた事もあって、様々な所でラムヤイの影響を感じさせる。彼女のコンサートを観ると、その影響が顕著に分かった。

この曲は会社側が考えた企画なんだろうけど、師弟の共演という感じで、相性も良さそうだし、なかなかはまっている。人気はそれほど伸びなかったが、ロック調のアレンジがカッコいいし、バンスー駅で撮影されたMVも見応えがあって、大好きな曲。個人的にラムヤイが歌う英語がツボ(ちなみに彼女は英語は全然喋れません)。

4.サン・ダイ・サン・レーウ(ซังได้ซังแล้ว)- PALMY

これはちょっと反則だけど、あるルークトゥン専門のヒットチャートで1位にもなったほど、ルークトゥンファンからも人気を得た曲。

GMMグラミー創立40周年記念でのカヴァー企画の中の1曲だが、Palmyがルークトゥンを、しかもイサーン語の曲を歌うとは意外だった。しかも、違和感が全くなく、むしろオリジナルを上回っているとさえ感じさせる。

オリジナルはターイ・オラタイが歌っていた曲。ターイとPalmy、どっちが歌っているのが好きかは好みにもよるけど、個人的にはPalmyの方が好き。

Palmyのハスキーな声がメロディーと歌詞の良さにより深みを与えていて、味わい深い。ちなみに、タイトルはイサーン語で「もう好きなんかじゃない」という意味。

3.パーイ・ヤー(ป้ายยา)- ミーントラー・インティラー(มีนตรา อินทิรา) Feat.ダイアモンド・ナラゴーン(ไดร์ม่อน ณรกร)

ハーム・トゥア(หามตั๋ว)」のヒット以降、コアなファンを獲得し、高い人気を得たミーントラー。4年前タイフェスで来日した時は、まだヒットが出る前だったので、まさかこんなに人気歌手になるとは思わなかった。

しかもGrammy Goldの中ではもちろん、ルークトゥンモーラム業界でもユニークでオリジナリティのある活動をしていて、単なる歌手というより、もはやアーティストと呼んだ方がミーントラーには似合っている気がする。

この曲は「ハーム・トゥア」路線のラップをフューチャーした曲だが、文句なしのクオリティーの高さだし、ダイアモンドとミーントラーとの掛け合いはすごく色っぽくてGood!

時にセクシーすぎる衣装が物議をかもしたりしたけど、来年もミーントラーの動向から目が離せない。

2.サーオ・ラムドゥアン(สาวลำดวน)- タイ・ドゥーン・レン(ไทเดินเล่น) Feat. ゲーム・スジットラー(เกมส์ สุจิตรา)

「2023年のヒット曲は何があったっけ?」と考えた時、いつも真っ先に思い出すのはこの曲だった。この曲がヒットしたのは、まさに企画の勝利だと言える。

プロデュースしたのは、ゴン・フアイライを世に送り出したSound Me Hang Recordのゴップさん(この曲のMVにも登場している)。ゲームは在籍していたバンド「ヂュンラホーラーン(จุลโหฬาร)」が無期限活動休止に入ったタイミングでの参加だった。

ただ、この曲はちょっと不思議なヒットの仕方をしていて、受けているのは曲全体というより、ゲームが歌うラムの部分のみで、コンサートでも前半のパートは短くされていて、ラムの部分ばかりが歌われていた。

1.ウォーン・ワイ・ルン(วอนวัยรุ่น)- ロック・コンコイ(ร็อคคงคย)

「サーオ・ラムドゥアン」の戦略的なヒットと正反対で、この曲が今の時代によみがえったのは、まさに偶然の産物だった。タイ人の間でTikTokに動画を投稿する際にこの曲が使われていたようで、そこから人気に火がついたようだ。

ロック・コンコイはガントゥルムのベテラン歌手。彼の代表曲は「グラヂョーク・テー(กระจอกแท้)」というのがあり、僕も大好きだったのだが、この「ウォーン・ワイルン」は全く知らなかった。

正確な年代は分からないが、オリジナルは結構古い曲でテンポがゆっくりめ。それがカヴァーでは今の時代なりにテンポアップされて歌われている。

コンサートでも大流行りだし、YouTubeでも沢山の歌手がカヴァー動画をアップしている。例えばさわやか系ポップス歌手のシントー・ナムチョークのカヴァー動画は、意外性もあって面白い。


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