The Saint Joseph Parish, Las Piñas, Philippines, バンブーオルガン教会、ラスピニャス、フィリピン(1)
マニラ首都圏のラスピニャス市にあるThe Saint Joseph Parish Church、竹で作られたオルガンがあることからバンブーオルガン教会(Bamboo Organ Church)とも呼ばれています。ラスピニャス市は、マニラ首都圏を構成する16の市の1つで、マニラ首都圏の南に位置します。市域は細長く、西側はマニラ湾に面し、南側はマニラ首都圏の隣の州であるカビテ州と接しています。昔は海辺で塩造りが盛んで塩田が広がっていたそうです。
教会の歴史は比較的新しく、18世紀末頃にアウグスティノ会の一派(Augustinian Recollects)により建立、聖ヨセフに捧げられています。派遣されたスペインのFray Diego Cera de la Virgen del Carmen神父は多彩な才能を持ち、オルガンビルダーでもあったそうです。19世紀前半に石造りの教会を建てた後、竹材でオルガンを作ったそうです。オルガンの制作には8年かかり、1824年に完成。記録によるとフィリピン国内の教会でいくつかオルガンを作ったようです。19世紀後半の地震や台風によりオルガンは深刻なダメージを受け、細々と部分的な修復が続けられた後、20世紀後半にドイツにおいて大規模な修復を行い、再び演奏可能となったそうです。オルガンには約1000のパイプがあり、その内約900が竹製(約100はメタル製)だそうです。竹製のオルガンは世界的にも珍しく、フィリピンのNational Cultural Treasureとなっています。
装飾が少なく簡素な会堂。左側に3層の鐘楼があります。
会堂の中へ。
会堂に入った左側に小さな祈祷場所があり、聖像が設置されています。
正面の祭壇方向を臨みます。石造りの柱やアーチにより重厚な雰囲気です。照明器具が木の枝に実がなっているようで特徴的です。
会堂は大きくありませんが、両側に側廊があります。右の側郎の前方を臨みます。明かりがついていない会堂内は薄暗く古い修道院のようです。
祭壇エリア。祭壇はシンプルです。石積みの中に浮かび上がるライティングが美しい。
左の側廊前方にある聖像。
左の側廊の後方を臨みます。
会堂後方を臨みます。パイプオルガンが柱の間にはりつくように設置されています。パイプの下部分のベランダのような場所に演奏者用の弾く場所があります。
オルガンの背面。竹製であることがよくわかります。
会堂の隣に博物館があり、教会やバンブーオルガンの歴史、オルガンの器具や模型が展示されています。柔らかい素朴な音色でした。また、長年、この教会において、International Bamboo Organ Festivalと題した音楽会が毎年開催されているそうです。
会堂の2階へ上がる階段の入り口。オルガンを間近に見ることができます。下から見るのとは異なり、結構な迫力です。
教会の前の神父像。
2018年1月訪問。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?