この夏から始める勉強計画

私がnoteを始めたのが5月頭で、年度の切り替わりからやや遅れるという微妙なタイミングであった
そのため、学習計画の立て方などの話を全くできていなかったことをつい先日思い出した
しかし、今更年間の計画の立て方を指南されたところで「時すでに遅し」である

なので、今日は「この夏から始める受験数学の勉強計画」と題し、今からでも間に合う(かもしれない)指針の立て方を紹介しようと思う
この計画は、4月から計画的に進めてきた人には正直参考にならない
想定している対象は、部活の引退などを機に受験勉強へシフトしようという高3生、1学期の終わりが見えてきて遅まきながら危機感を抱き始めた浪人生など、今から本腰を入れて大学受験対策をしようという人たちである

1.スケジュールを確認する(大計画1)

大前提として、自分の受験スケジュールがどうなっているのかを把握しよう
たとえば国立大志望なら、2/25(・26)に国立2次試験があり、その前に共通テストが1/16・17にある(2020年度の場合)
私立大の入試は国立と共通テストの間に設定されることが多く、医系は共通テスト直後、理工系なら2月中旬がボリュームゾーンである

また、受験生にとって学力の到達度を測るためには模試が欠かせない
7月ならマーク形式の共通テスト対策模試、8月は大学別(東大京大など)の模試が設置されることが多く、9月から11月までは様々な模試が設定されている
自分の志望と設置模試を比較し、どの模試を受けるのかも早々にはっきりとさせておこう

こうして、受験を全て終えるまでにどれくらいの時間と内容があるのかを抑えることは計画を立てるにあたっての大前提となる

2.いつまでに何をするのか(大計画2)

スケジュールを確認するのと並行して、いつまでに何をすべきかも考えておきたい
数学の問題を解くのに必要な力を確認しつつ、それらをいつ頃を目安に達成したいかを考えてみよう

1つ目は「解法を理解し運用する力」である
数学は基本問題や典型問題・標準問題で様々な解法を学ぶこととなり、これらの解法を最終的には正しい場面で適切に利用できるようにならなくてはいけない
頻出の解法ならば、しっかりと理解した上で覚えて使いこなせるように訓練したい
これについては「夏いっぱいをめどに」と言われることも多いが、7月から始める場合、夏いっぱいは大概間に合わない
10月中旬でおおよそ模試が出尽くす(大学別を除く)ので、今から始める場合9月末〜10月上旬をめどに、3ヶ月で達成することを目指したい

2つ目は「思考力」=「初見問題を細かい問題に崩す力」だ
試験本番の入試問題に対応するには、初見の問題に対し身につけた解法をどう適用していくかをその場で考える力が必要で、これをよく「思考力」と称する
どんな難問も、細かく分けてみれば1つ目に示した様々な解法が運用できるレベルの問題に帰着されるが、そのことを自力で見出すにはそれ相応の力がいる
どの点に着目し、どう考えて、どのような解法を運用するか、実践的な訓練が欠かせない
思考力養成は、解法を一通り身につけて以降、受験本番まで伸ばし続ける力であり、つまりそれくらい時間がかかるものだと言うことだ
共通テストの対策に時間をしっかりとることも考えると、一旦12月中旬までに問題集を利用したアウトプット主体の学習を進め、共通テストが終わり次第直ちに各大学ごとの対策として過去問演習などでさらなる思考力アップを目指そう

最後に、3つ目の「計算力」である
例えば私大医学部では、問題の難易度がそこまで高くない代わりに、計算量が膨大な問題を出題する大学もある
そうでなくとも、問題を解き進める中で計算する場面は多々出てくる
計算力はスポーツにおける基礎練と同じく、日々訓練して確実にできるようにするしかなく、また「いつまでに」という区切りはない
一方で、共通テストがセンター試験と同等の難易度・量で出題されると想定するならば、計算力がないと時間内に解ききることは大変難しい
いまからコツコツと手を動かしつつ、センター対策+数学IIIの微積分計算を通じて年内を一つの目安に計算力向上を考えてみると良いだろう

以上まとめると

7月〜9月末(10月中旬):各解法を覚えつつ、基本問題を通じた計算力向上
10月〜12月中旬:問題集を利用して初見問題の演習を進め、思考力+計算力向上
12月中旬〜1月中旬:共通テスト対策を通じてIAIIBの標準的な解法を確認しつつ、時間内に解ききるだけの計算力をつける
1月中旬〜2月末(試験本番):各大学の過去問を演習題材にして、大学別対策+思考力養成をする(計算多めなら計算力も継続的に向上させる)

というおおよその計画がたてられるだろう

最後に問題集について補足する
各タイミングで使用すべき問題集は、1~2冊に絞ることも忘れてはならない
例えば解法の理解+暗記はどの問題集を横並びにして見ても、大差はない
また、いざ復習するときにどの問題集に戻って確認するかも考えなくてはいけない
複数冊をほどほどにやるくらいなら、1冊の隅から隅まで余すことなく完璧にすることを目指した方がよっぽど効果が高いと心得るとよい

3.模試を「中間報告」と考える(中計画)

上記の計画の細かい区切りとして、模試の活用を念頭におこう
どんな学習の進め方であれ、達成度がわからなければ次に何をすべきかは定まらない
模試はその達成度を確認するのにうってつけの、いわば「中間報告」の場なのである

解法の理解・暗記はどの程度できているか、計算力はどれほど養成されているか、初見問題に対して様々な着眼点を元に解法を考えることはできたか、大学別模試ならば志望大学のレベルと比べて今どの地点にいるのか

これらを定期的に確認するためにも、模試に向けた中期間の計画と実行が欠かせない
問題集をどれくらい進めておくかも、模試に合わせて考えてみるのがちょうど良いだろう

4.小さいスパンでどれくらいできるのか(小計画)

最後に、中期間の計画を1週間・1日(または数日)の単位にまで細分化したときに、他教科との兼ね合いも視野に置きながら、どれくらいすべきか・実際どれくらいできるかを考えよう

ここまで細分化されると、人によって方法論がまちまちになる
しかし共通するのは、今の学びが全体のどれくらいの地点なのかを把握しながら進めることである

個人的には、1日の中でどれくらいの時間を勉強に当てられるのか、そのうちどれくらいを数学に当てられるのかを計算して計画を立てる方法を推奨している
しかし、そのレベルで細かい計画は性に合わないと言う人は、1週間単位でバランスが取れていれば問題ない
ここでいう「バランスが取れている状態」というのは「≒ 全体から見た現在地点が把握できており、かつ適切である」と考えるとよいだろう

5.最後に

計画の立て方自体、人によって個人差が大きく出るところではあるが
・目標地点から逆算すること
・今すべきことが何かを把握できるまで細分化すること
の2点はどんな方法にも共通する点であろう

4月から計画を立ててここまで学んできた人も、この夏を一つの契機とみて全体計画に対する現在地点の見直しをしてみてもいいのかもしれない
今日ここから勉強計画を立てようという人は、今からでも遅すぎると言うことはないが覚悟を決めて取り組まなければ間に合わなくなるそんな瀬戸際であるという認識をしっかりと持ち、きっちりと合格を勝ち取って欲しい

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