スケジュールの作り方

やらなければいけないことをリストアップする

作業を始める前には、やらなければならないことを全部リストにして書き出そう。
例えば、Aという仕事を完成されるためには何が必要かを考える。Aを仕上げるためにはBとCとDが必要だとする。そしてBのためにはEとFが必要でCのためにはGとHとIが必要といった風に、考えていくとさらにやることが細かく分かれていくだろう。そうした必要な作業を全て洗い出して、何をどういう順番で進めれば仕事が完成するかを最初にまず考える。
やらなければいけないことをきちんと全て書き出せたら、その時点で仕事は3分の1くらい終わったようなものだ。
あとは余計なことを考えず、そのリストに書きだしたことをひたすら1つずつ潰していけばいいだけだからだ。愚直に1つずつ終わらせていけば仕事は完成する。
最初にやることを整理しないまま作業にとりかかってしまうと、「これは本当に必要なことだっけ」「あとは何をやれば完成するのか」というようなことを迷いながら作業しないといけなくなってしまい、効率が悪い。
「計画を立てるフェイズ」と「実行するフェイズ」はきちんと切り分けて、やることを全てはっきりさせてから実行に取り掛かるのがよい。
紙でもパソコンでもスマホでもいいから、とりあえずすることを全部文字にしてリストアップすること。「何をすればいいんだっけ」と迷ったらそれを見ればわかるようなメモを作っておくこと。
書き出しておけば、何をすればいいかを考えなくていいし覚えていなくてもいいので頭の中が少しラクになる。まずこれが作業の第一段階だ。
やることのリストアップが終わったら、次はそれをどういうスケジュールで進めて行くかを決めていく。

スケジュールは3つに分ける

例えば20日間である仕事を終わらせる必要があるとして、スケジュールを組むときは期間を3つに区切るのがいい。
 どうしてかというと、3等分というのは人間が直感的に把握しやすい数だからだ。前期・中期・後期の3つに分けると覚えやすい。
 2等分も分かりやすくて良いけれど、期間が長い場合は前半・後半の2つだけだと途中でだれてきやすい。作業力が多くなくて一週間くらいの期間なら前半と後半だけでよいかもしれない。
 4以上の数で分けるとパッと把握しにくくなる。4以上の数で分けるときはまず前半と後半に二等分をして、そのそれぞれをさらに二等分に分ける、などの工夫をすると扱いやすい。
 20日間を3つに分けると、大体6日ずつになる。3x6=18で2日余るけれど、余った日は休息や、予定というのは大体狂うものなのでその場合の調整日として当てる。
6日間が一まとまりというのも少し長くてだれやすいので、ここでも把握しやすい3の数を使って、3つに分けたそれぞれを前半と後半に分けたりする。まずA,B,C,の3つに分けて、それぞれをA-1,A-2,B-1,B-2, C-1,C-2と分けるといった感じだ。
なぜ細かくスケジュールを区切るのか。それは、細かくスケジュールとタスクを分けることで、その段階で気にしなくていいことを全部忘れることができて、目の前の作業への集中力を上げることができるからだ。
 A-1に割り振った作業をやっているときは、A-2のことくらいは少し気にしてもいいけど、BとCの段階でやることは全て蚊帳の外に出して忘れてしまっていい。
 人間の脳内のメモリには限界があるので、気にしなくていいことはとりあえず全て忘れてしまったほうが作業がはかどる。きちんと作業内容をリストアップしてスケジュールを立てることで、今やらなくていいことを安心して忘れることができる。
メモやノートや予定表というのは、とりあえず必要じゃないことを忘れて頭のなかをラクにするためにある。

カレンダーは2つ作る

スケジュールを立てるときにカレンダーや予定表は必須だけど、僕はいつも2種類のカレンダーを用意するようにしている。
一つは「締め切り」や「ミーティング」など固定された日程を書くためのカレンダー(カレンダー1)で、二つめは作業の進行予定を書くためのスケジュール表(カレンダー2)だ。
カレンダー1はあまり書き換えることがないけれど、カレンダー2は作業の進行状況の変化などによって頻繁に書き換える。
この2つを一つのカレンダーでやろうとすると、ごちゃごちゃになって把握しづらくなってしまうので分けたほうがいい。
僕の場合はカレンダー1は普通の壁掛けカレンダーやグーグルカレンダーを使っているけど、カレンダー2はノートに手書きでマス目を書いて作っている。
既存のカレンダーを使わず手書きで作る理由は
・とりあえず一週間か二週間くらいの分だけあればいいから
・状況の変化に応じて数日ごとに頻繁に書き直すから
という二つの理由からだ。
作業の目安として使うために、一週間か二週間くらいの日付を書いたマス目をノートに書いて、そこに「何日から何日はAをやる」「余裕があったらこの期間にBもやる」などの進行予定を書いていく。
仕事の状況は頻繁に変わるものなので、このカレンダー2はちょくちょく作りなおす。進捗が予定より遅れたり予定より進んだりしたときは、それに応じて書き換えないといけない。
状況変化が大きいときは2日くらいで書き換えることもある。
特に問題なく予定通りに進んでいるときでも週に一度は新しく作りなおしたほうがいい。
ちょくちょく予定を作り直す作業をすると「何の作業が必要かを何回も見直すことで仕事全体への理解が深まる」という効果もあるので良い。

時間は区切れば区切るほど増える

時間というのは区切れば区切るほど増えるものだ。
例えば、「3時間仕事をして30分休む」よりも、「1時間仕事をして10分休むを3回繰り返す」という方が2倍くらい仕事ははかどる。
人間の集中力の持続時間の問題もあるだろう。短く区切ったほうがダラダラしにくい。
区切りが多いほうが「休む前にここまで進めよう」という意識が働いて、集中力が上がって進行が早くなるというのもある。
評論家の山形浩生さんが『新教養主義宣言』という本で「一週間を6日にすれば人類の生産性は少し上がるだろう」ということを書いていた。この社会では週単位で仕事の区切りを考えることが多いからだ。さすがに実現は難しそうだけど面白い発想だと思う。
ただ、短く区切ればいいといっても10分に一回休むとかするのは短すぎて集中できないだろう。
僕は40分〜1時間くらいを一区切りにして休憩を入れるのがちょうどいいと思っている。学校の時間割と同じような感じだ。
ポモドーロ・テクニックという仕事術では、
・25分集中して作業して5分休む。これを1ポモドーロとする
・4ポモドーロやったら15分休む
というのを繰り返すのを推奨している。時間はキッチンタイマーで測る(スマホのタイマーなどを使ってもよい)。
僕は25分だと短いと感じるのでもう少し長めの単位で作業をするし、仕事と休憩のサイクルを2回くらい繰り返すと嫌になって3時間くらい休んでしまうのでこのポモドーロ・テクニックをそのまま使ってはいないけれど、「こまめに時間を区切る」という考え方自体は良いものだ。
人によって集中力は違う。なのでいろいろ試行錯誤して自分に合った時間配分を見つけよう。
時間を区切ることのメリットは、区切りを付けることで「自分はこれくらいの仕事量はこれくらいの時間でこなせる」とか「自分はこれくらいの時間でだんだん生産性が落ちてくる」という目安が付いてきて、どんどんスケジュールを立てるのがうまくなることにもある。