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血清LDLの算出:Friedewald推定式

 LDLは通常、採血して直接値を出す(食餌の影響を受けにくいから)が、何らかの原因でそれができなかった場合に総コレステロール(TC)とHDL、TGから算出するのがこのFriedewald式(F式)。
 LDL=TC-HDL-(TG÷5)で算出。単純な「TC-HDL」という方法は、あくまでもnonHDLであり、純粋なLDLではないことに注意!
 ただしこのF式は、血清TGのほとんどがVLDLに存在し、そのコレステロール(CH)とTGの比がほぼ1:5であるという仮定に基づいているため、食後採血値やカイロミクロン(KM)を含む場合(Ⅰ型・Ⅴ型)は使用できないし、Ⅲ型ではVLDL内のCHとTG比が変わるから偽高値となる。
 また、TGが高くなるにつれてVLDLやカイロミクロンのコレステロール含有量がTGの1/5よりも少なくなることから、計算式で求めたLDL値は実際より低くなる。

 よって、このF式が適用できるのはTGが400mg/dL未満とされており、TGがそれ以下であっても、200以上だと誤差が大きくなることが知られている。
 TGが400mg/dL以上の場合は、直接法もしくはnonHDLを算出する。
 式:nonHDL=TC-HDL。
 薬局現場でTGが400以上の症例は少ないので、採血結果にLDL値がない場合は、このF式が使えるかも。

【2018/04/12記載】

仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。