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AZ、欧州でリムパーザがBRCA遺伝子変異陽性早期乳がんで承認取得

アストラゼネカは2022年8月10日、欧州でリムパーザ(一般名:オラパリブ)がBRCA遺伝子変異陽性早期乳がんで承認を取得と発表。同剤が術前・術後のいずれかに化学療法を受けた生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性(gBRCAm)かつ、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の高リスク早期乳がん成人患者の術後薬物療法として、単剤療法・内分泌療法との併用療法で、欧州連合(EU)で承認を受けたもの。

欧州委員会による今回の承認は、2021年6月にThe New England Journal of Medicine誌に発表された第Ⅲ相OlympiA試験の結果に基づいる。欧州医薬品庁のCHMP(欧州医薬品評価委員会)によるEUでの承認勧告に従うもの。同試験で、リムパーザはプラセボと比較し、浸潤性疾患のない生存期間(iDFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示した。具体的には、浸潤性乳がんの再発、二次がん、または死亡リスクを42%低下させた(ハザード比[HR]0.58;99.5%信頼区間[CI]0.41-0.82; p値<0.0001)。

また、副次評価項目では、プラセボと比較して全生存期間(OS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示し、死亡リスクを32%低下させた(ハザード比[HR]0.68; 98.5% 信頼区間[CI] 0.47-0.97; p値=0.009)。同試験におけるリムパーザの安全性および忍容性プロファイルは、過去の臨床試験のプロファイルと一貫していた。

2022年3月、リムパーザは生殖細胞系列BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の高リスク早期乳がん患者に対する治療薬として、米国で承認。また、第Ⅲ相OlympiAD試験の結果に基づき、化学療法歴のある生殖細胞系列BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の転移性乳がん患者に対する治療薬として、米国、EU、日本およびその他数多くの国々で承認されている。EUでは、局所進行乳がんも適応に含まれる。

BRCA遺伝子変異陽性乳がんでの術後薬物療法に対するリムパーザの適応は、国内未承認。



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