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サノフィ、米・FDA優先審査指定-開発中血友病A治療薬efanesoctocog alfa

サノフィは2022年9月9日、血友病A治療薬として開発中の第Ⅷ因子製剤efanesoctocog alfaについて、米・FDAが生物学的製剤承認申請(BLA)を優先審査対象に指定したと発表した。同審査の終了は2023年2月28日の予定。同審査は、ピボタル第3相XTEND-1試験データに基づく。同試験の結果は、2022年7月に開催された第30回国際血栓止血学会(ISTH)で発表された。試験データは、出血抑制効果が示された。既存の第VIII因子製剤を使った定期補充療法との患者内比較で優れた出血抑制効果を出した。efanesoctocog alfaの忍容性は良好。第VIII因子へのインヒビターの発現は認められていない。試験治療下で発現した有害事象のうち、比較的高頻度(全被験者の5%超)で発現した有害事象は、頭痛、関節痛、転倒、腰痛だった。

【第3相XTEND-1試験(NCT04161495)】
第3相XTEND-1試験(NCT04161495)は、第VIII因子補充療法を受けた経験のある12歳以上の重症血友病Aの患者(n=159)でのefanesoctocog alfaの週1回投与の安全性、有効性と薬物動態を検討する目的で実施した非盲検非無作為化介入試験。

同試験は、定期補充療法群(A群、n=133)とオンデマンド療法群(B群、n=26)の二つの並行群から構成された。

A群は、試験参加前に第VIII因子の定期投与を受けていた患者で構成。試験中にefanesoctocog alfa 50 IU/kgの週1回投与を52週間受けた。

B群では、試験参加前に第VIII因子のオンデマンド療法を受けていた患者で構成。試験前半26週間はefanesoctocog alfa 50 IU/kgのオンデマンド療法を受け、後半26週には週1回の定期補充療法を受けた。

主要評価項目は、A群での年間出血率(ABR)とした。

重要な副次評価項目は、XTEND-1試験への参加前に観察試験(242HA201/OBS16221)に参加したA群の患者を対象として、観察研究中の既存の第VIII因子製剤による定期補充療法実施時の年間出血率とefanesoctocog alfa週1回投与時の年間出血率 の患者内比較を実施した(Study 242HA201/OBS16221)。


【efanesoctocog alfa (BIVV001)】
同剤は、血友病A患者への週1回の定期補充療法で、従来より長期間持続する出血抑制効果を目的に現在開発中の遺伝子組換え型第 VIII 因子製剤。 Fc融合技術に加えてフォン・ヴィレブランド因子(VWF)の一部とXTENポリペプチドを組み込み、長時間に循環血中に存在可能となうりょうに設計された。 現行の第VIII因子製剤の半減期は、フォン・ヴィルブランド因子の半減期によるが、同剤ではこの制限を受けない初の第VIII因子製剤候補になる。同剤は現在、臨床試験の段階で、その安全性と有効性は、規制当局の十分な評価をまだ受けていない。 


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