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参天製薬、ラタノプロストがEMA承認申請受理

参天製薬は2022年10月6日、ラタノプロスト50μg/mLカチオニック乳化点眼剤(開発コード:STN1013001)が欧州医薬品庁(EMA)に承認申請が受理されたと発表した。適応は「開放隅角緑内障および高眼圧症における眼圧降下」。

緑内障患者の60%がドライアイを持つとされ、眼表面疾患(Ocular Surface Disorder:OSD)は、緑内障を管理する上で課題となっている。

OSDは、涙液層が劣化し、眼表面が損傷する多因性の疾患。Quality of Life(生活の質:QOL)を低下させるとともに、緑内障治療での点眼遵守を低下させ、治療の有効性に影響を与えることで知られる。

同剤は、防腐剤無添加のカチオニック(プラスに帯電したイオン)乳化点眼剤で、ラタノプロストを50μg/mL含有。プラスに帯電した点眼液がマイナスに帯電した眼表面に引きつけられ、眼表面での分布性と滞留性が向上する技術が用いられているのが特徴。

同技術は涙液の油層の表面特性を向上させ、ドライアイ向けの人工涙液などの中核技術として用いられ、現在30以上の国々で承認されている。

なお、同剤は、上昇した眼圧を抑制する、欧州で最も処方されるプロスタグランジン関連薬。

同承認申請は、欧州とアジアで実施された第3相臨床試験のラタノプロスト50μg/mLカチオニック乳化点眼剤(STN1013001)とラタノプロスト50μg/mLとの非劣性試験の結果に基づく。

ラタノプロスト50μg/mLカチオニック乳化点眼剤(STN1013001)の眼圧を下げる効果は、12週目の午前9時と午後4時の眼圧で、ラタノプロスト50 μg/mLに対する非劣性が示された。

さらに、4週目の両時刻でも12週目と同じく非劣性が示されている。OSD(副次的評価項目)の改善では、12週目の角膜フルオレセイン染色スコアをもって、ラタノプロストに対するラタノプロスト50μg/mLカチオニック乳化点眼剤(STN1013001)の優越性が示された。

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