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NBI、抗IL-36Rモノクローナル抗体「スペビゴ」承認取得

日本ベーリンガーインゲルハイム(NBI)は2022年9月26日、抗IL-36Rモノクローナル抗体「スペビゴ点滴静注450mg」(一般名:スペソリマブ[遺伝子組み換え])が、承認を取得したと発表した。適応は「膿疱性乾癬(GPP:Generalized Pustular Psoriasis)における急性症状の改善」の効能・効果。

同承認は、急性期GPP患者を対象とした国際共同第2相臨床試験(EFFISAYIL 1)の結果等に基づくもの。

同試験では、スペソリマブの単回静脈内投与された急性期GPP患者は、プラセボ群と比較して、1週間以内に膿疱が有意に消失した。この効果は12週間以上持続し、12週間の試験期間終了後、84.4%の患者で膿疱が消失し、81.3%で皮膚症状が消失かほぼ消失したことが明白になった。

GPPは生命を脅かすおそれのある希少な難治性皮膚疾患で、発熱や倦怠感、皮膚の潮紅とともに無菌性の膿疱(うみを持った水疱)が全身に多発する。乾癬の中で患者数の多い尋常性乾癬とは臨床的に区別される。同疾患は、難治性なことや治療に急を要することなどから、厚労省が定める指定難病に指定される。

【EFFISAYIL1臨床試験】
同試験(NCT03782792)は、12週間にわたり、急性期GPP患者(N=53)をスペソリマブ 900 mgの静脈内投与群かプラセボ群のどちらかに2:1の比率で無作為に割り付けて評価した第2相臨床試験。

主要評価項目は、 1週目の時点でGPP Physician Global Assessment(GPPGA)膿疱サブスコアが0なこと(膿疱が見られないこと)だった。

主な副次的評価項目は、1週目の時点でGPPGAスコアが0か1なこと(皮膚症状が消失またはほぼ消失)。

1週目の時点で、膿疱なし(GPPGA膿疱サブスコアが0)を達成した患者の割合は、プラセボ群の6%に対し、スペソリマブ群で54%だった。さらに、1週間後に皮膚症状が消失またはほぼ消失(GPPGA合計スコアが0または1)を達成した患者の割合は、プラセボ群の11%に対し、スペソリマブ群で43%となった。

1週間後に有害事象を報告した患者の割合は、スペソリマブ群で66%、プラセボ群で56%。感染症を報告した患者の割合は、スペソリマブ群で17%、プラセボ群で6%(1週目)。重篤な有害事象は、スペソリマブ群の6%で報告された(1週目)。


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