Jon Jones vs Thiago Santos戦からみるMMAのこれから

参考URL UFC stats(ジョン・ジョーンズvsチアゴ・サントス戦)
参考URL 「従来から考えられてきたほどにはテイクダウンは勝つために重要ではない」

このnoteはUFCきってのスター選手であるジョンジョーンズの最新防衛戦のStatsからみた試合の分析と今後のMMAの未来を占おうという試みである。

結論から言うとこの試合はスプリット判定によるジョンジョーンズの判定勝ちであった。しかし私はもしかしたら王座陥落なのでは?と思ってしまっていた、この感覚の違和感の原因と判定の理由の考察は以下である。

1、打撃企図数
この試合、チアゴ・サントス選手は相対的にアグレッシブな戦いを見せていた。統計データからもわかるようにチアゴ・サントス選手は全てのラウンドで打撃企図数で上回っていた。ラウンド毎の打撃企図数でもチアゴ・サントス選手は第二ラウンドの最高42回なのに対し王者ジョン・ジョン・ジョーンズは第五ラウンドの21回でありちょうど倍の差がついている。試合全体だとチアゴ・サントス選手は166回、ジョン・ジョーンズ選手は90回であった。

2、そしてこれがおそらく審判が判定で最も重視したであろう部分"命中率"です。
さきほどまでのデータだとチアゴ・サントス選手が優勢に見えましたが違う部分に着目すると全く別の側面が見えてきます。
landed(実際に当てた回数)、すなわち打撃を試みた中で実際に当てた回数は、ジョン・ジョーンズ選手は65%対するチアゴ・サントス選手は25%となんと40%の大差を付ける結果となりました。
僕の主観だとプレッシャーは掛けるものの手を出しあぐねているジョン・ジョーンズと時折ラッシュを仕掛けるチアゴ・サントス選手と対照的に見えていましたが人の印象と実態は一致しないと改めて思わされました。

これからのMMAについて
 この試合は僕にとってとても印象的なものになってくれました。
まだ触れていませんでしたが両者合わせテイクダウンを狙った回数がたったの一回です。上記の「従来から考えられてきたほどにはテイクダウンは勝つために重要ではない」でも触れられていますし、僕自身としてもテイクダウンの重要性は限りなく下がっているのだと感じました。
 打撃の部分を切り取ってみても頭部への打撃と脚への打撃を足したパーセンテージはチアゴ・サントス選手は72%、ジョン・ジョーンズ選手に至っては80%を超えています、ジョン・ジョーンズ選手の代名詞の一つと言えば関節蹴りですがチアゴ・サントス選手もカーフキックを多用しており脚部への打撃が最先端になっているのだとわかります。
 そして最も今後大事になってくる技術は"ディフェンス"であると予測します。試合を見ている段階でもジョン・ジョーンズは不調ながらも致命的な一撃を避け続け・ラッシュを交わし続け見事防衛に成功しました。このように打撃企図数自体は少なくても、相手の打撃の命中率を下げ・自分自身の打撃命中率を上げることで勝つようになると予想いたします。

最後に
 僕自身寝技の攻防は技術が詰まっていて好きなのですが、同時にフィニッシュまでもっていくことも難しいことを理解しています。なので最短で勝ちが望める打撃が重用されるのは今後避けられないでしょう。
 

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